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投資情報 | スペースXが 投資家に見せた未来


常識を覆すスペースX


あなたは、

「スペースXのことなら、もうよく知っている」

と思っているかもしれません。

たしかに、
同社はニュースでもよく取り上げられています。

そこでよく話題になるのは、

  • ロケットの打ち上げ
  • 火星移住計画
  • 人工衛星
  • イーロン・マスク

こういったことではないでしょうか。

多くの人が思い浮かべるスペースXの姿も、
まさにこうしたイメージだと思います。

しかし、
新規株式公開(IPO)に向けた資料を見ると、
まったく違うスペースXの姿が見えてきます。

そしてそこには、
まだあまり注目されていない大きなチャンスが隠れているのです。

実は、スペースXは、
28兆5,000億ドル(約4,275兆円)規模の、
とてつもなく大きな市場を狙っています。
*1ドル=150円の場合

しかも驚くべきことに、
その大部分は、ロケットでも、人工衛星でもありません。

同社が真に狙っているのは、
「宇宙企業」という言葉だけでは説明できない、
もっと大きな市場
なのです。


スペースXは宇宙企業ではない?


スペースXによると、
この28兆5,000億ドル(約4,275兆円)のうち、
26兆5,000億ドル(約3,975兆円)、
つまり、全体の9割以上は、「AIが生み出す市場だとされています。

*1ドル=150円の場合

 

出所:Yahoo Financeを元にAPJmediaで作成

 

もう一度言います。

これは、

  • ロケット打ち上げ
  • 人工衛星
  • スターリンク

これらの市場規模ではありません。

「AI」の市場規模です。

実際、同社は、
宇宙ビジネスの市場規模を3,700億ドル(約55兆5,000億円)と見ています。
*1ドル=150円の場合

 

また、スターリンクが関わる
通信インフラの市場規模は、
1兆6,000億ドル(約240兆円)にのぼるとされています。
*1ドル=150円の場合

つまり、世界で最も有名なロケット企業が、
投資家に伝えているのは、

「これからのスペースXは、ロケットだけの会社ではない」

ということです。

そして、同社が見ているのは、

  • ロケットを使って宇宙に衛星を飛ばす
  • その衛星で世界中をインターネットにつなぐ
  • そこから生まれるデータをAIに活用していく

そんな未来なのです。

このように考えると、
スペースXのイメージは大きく変わります。

しかし、忘れてはいけないのは、
同社の土台にあるのが、
今も世界トップクラスのロケット打ち上げ技術だということ。

そして、スペースXが、
この分野で起こしてきた変化は、
まさに革命的だと言えるでしょう。


スターリンクの重要な役割


スターリンク*は、
スペースXが大きく成長するうえで、
とても重要な役割を果たしています。

*スペースXが展開する衛星インターネットサービス

 

出所:STARLINK HP

 

まず、
同社によるロケット打ち上げ回数は、
2023年は96回でした。

それが2024年には134回となり、
2025年には165回まで増えています。

さらに、
スターシップ*の打ち上げも含めると、
2025年の打ち上げ回数は170回に達しました。

*スペースXが開発した大型宇宙船

 

出所: SpaceX HP

 

ここで注目すべきなのは、
世界で軌道へ運ばれた人工衛星や貨物の量のうち、
80%以上をスペースXが打ち上げた
ということです。

これは、同社が、
宇宙に物を運ぶ分野で、
他の企業を大きく引き離していることを示しています。

そして、この圧倒的な打ち上げ能力が、
そのままスターリンクの強さにつながっているのです。

スターリンクは、
ロケット事業の先にある、
通信、データ、AIへつながる重要な存在です。

ロケットを打ち上げて終わりではありません。

ロケットで宇宙へ運ばれた人工衛星は、
地球を覆う通信ネットワークになります。

そのネットワークは、
スターリンクの通信サービスとして、
利用料という形で利益を生み出すのです。

そして、
このスターリンクの規模は圧倒的です。

実は、多くの人はあまり意識していませんが、
スターリンクは人類史上最大の衛星ネットワークなんです。

実際、
いま地球の周りを回っている人工衛星のうち、
およそ69%がスターリンクだといわれています。

これほど巨大なネットワークは、
世界中で増え続ける利用者にサービスを届けるためのものです。

そして、その利用者数も急速に伸びています。

スターリンクの契約者数は、
2023年の230万人から、
2026年3月末には1,030万人へと大きく増えました。

ただ、ここで注目したいことがあります。

スペースXは今、
料金をおさえたプランで、
スターリンクをより多くの地域に広げようとしています。

出所:Yahoo Finance

 

そうなれば、利用者はさらに増えます。

利用者が増えれば、通信する量も増える。

そして世界中へ、さらに広がっていくのです。

その先にあるのは、

地球上のどこにいても、いつでもつながる通信ネットワーク

です。

しかも同社は、
このネットワークを作るために必要な、

  • ロケットを打ち上げる
  • 人工衛星を運用する
  • 通信サービスを届ける

 

こうした機能を、
ほとんど自分たちで持っています。

AIの時代において、
これはとても大きな意味を持ちます。

なぜなら、大きな利益を手にしやすいのは、
サービスそのものよりも、それを支える「土台」を持っている企業だからです。

 


スペースXの語る未来


現在、多くのテック企業が、
AIに大量の資金を投じています。

その中でもスペースXは、
AIに向けた投資をものすごい勢いで増やしています。

2023年に同社が、
将来の成長のために投資した資金は、44億ドル(約6,600億円)でした。

それが2024年には112億ドル(約1.7兆円)となり、
2倍以上に増えました。

2025年にはさらに207億ドル(約3.1兆円)まで拡大したのです。

そして、
そのうち127億ドル(約1.9兆円)がAI関連に使われたとされています。

そして2026年には、
この額は400億ドル(約6兆円)に達する見込みです。
*全て1ドル=150円で計算

つまり、わずか3年で、
将来の成長のために使った資金は、
およそ9倍になったことになります。

しかも、そのほとんどがAIへの投資だとされています。

一方で、巨大テック企業である、

  • アルファベット (Nasdaq: GOOGL)
  • アマゾン・ドット・コム (Nasdaq: AMZN)
  • メタ・プラットフォームズ (Nasdaq: META)
  • マイクロソフト (Nasdaq: MSFT)

これら4社は、
合わせて7,250億ドル(約109兆円)をAIなどに投資するといわれています。
*1ドル=150円の場合

 

出所:Yahoo Finance

 

もちろん、スペースXが使った400億ドル(約6兆円)は、
これらの企業が投資した金額には届きません。
*1ドル=150円の場合

それでも、
この数字は決して小さくありません。2025年の売上がおよそ160億ドル(約2.4兆円)だった企業が、
400億ドル(約6兆円)もの資金を投資していることを考えると、
その大きさがよくわかります。

*1ドル=150円の場合

 


【まとめ】AI時代の新たな覇者へ


IPOへの期待が高まる中で、
スペースXが投資家に伝えているのは、
「すでに完成した企業の姿」ではありません。

これから作ろうとしている未来」なのです。

現在同社は、
「世界トップのロケット企業」として知られています。

しかし、目指しているのは、
それだけではありません。

同社は、ロケットで人工衛星を打ち上げ、
その人工衛星で世界中にインターネットを届けようとしています。

そして、その先には、
AIを支える新しい仕組みを築こうとしているのです。

もちろん、
それにはとても大きな資金が必要です。

そして大きなリスクもあります。

多くの投資家は、
「この会社は何の会社か」を、
ひと言で説明できる企業の方が、投資しやすいと考えます。

ですが、スペースXはそうではありません。

同社は、
ロケットを打ち上げる企業でもあり、衛星通信の企業でもあります。

さらにAIを支える新たな土台も作ろうとしています。

つまり、

  • ロケット
  • 通信
  • AI

を合わせ持つ「ハイブリッド企業」なのです。

しかも、それぞれの事業を別々に見ても、
それぞれが大きな市場を持つ事業だと考えられます。

そして、それらがひとつにつながると、
その価値はさらに大きくなります。

だからこそ、
スペースXという企業の価値を、
一つの数字で正確に表すことは簡単ではないのです。

それでも同社は、
28兆5,000億ドル(約4,275兆円)規模という、
とてつもなく大きな市場を狙っています。
*1ドル=150円の場合

ここで大切なのは、
スペースXは、ただの「宇宙分野の企業」ではないということ。

この企業は、

  • 宇宙インフラを担う存在から、デジタルの世界でも大きな存在へ
  • ロケットの打ち上げを中心としたビジネスから、AIの成長を支えるビジネスへ
  • ロケットを飛ばす会社から、AI時代の土台を作る企業へ

このように、変わろうとしています。

スペースXは、
自分たちがこれからどんな企業になろうとしているのかを、
あなたにはっきり伝えているのです。

マシュー・カー

〜編集部〜

P.S.

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あなたの資産形成に少しでもお役立ていただければ幸いです。

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Matthew Carr(マシュー・カー)

Oxford クラブ・ジャパンのチーフ・インベストメント・ストラテジスト。金融業界で20年のキャリアを持つ。 企業の中ではある一定のサイクルで株価が上下する銘柄があると言われており、マシューの専門はそのサイクルを見つけ出すこと。 彼の専門領域は石油・ガスといった伝統的な産業から、AI、5Gといった最先端テクノロジーなど多岐にわたる。 マシューの記事一覧 ≫

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