永久に持っておきたい6つの高配当米国株

永久に持っておきたい6つの高配当米国株

注意:これらの株にいきなり投資しないでください

これらの米国株は、日本株を取引するのとほとんど同じように日本のネット証券口座から取引することができます。(日系の証券会社では、SBI証券・楽天証券・マネックス証券・DMM証券など、外資の証券会社では、サクソバンク証券・インタラクティブブローカーズ証券などがあります。)

株主への配当も、株式の売却代金同様に証券口座に入金され、最終的には日本円で取り出すことができます。(ただし、取引したい銘柄の取り扱いがあるかどうかは、各証券会社にお問い合わせください。)

とはいえ、「戦略」を持たずに、単に儲かりそうだからという理由で、いきなり投資することはオススメしません。

マーク・リクテンフェルド

これらの6つの銘柄は、Oxfordクラブのチーフ・インカム・ストラテジストであるマーク・リクテンフェルド氏と彼の調査チームが選出した優良株です。ただ、よく切れる極上の包丁も、使い方を知らなければ危険なのと同じように、企業分析、株式分析のプロが見つけた優れた銘柄とはいえ、その情報を取り扱う側にも一定の知識と少しのトレーニングが必要です。

無料のメールマガジン「Oxfordクラブ」やOxfordインカム・レターの中で、「適切な資金配分」「ポートフォリオの作り方」「損失を最小限にするためのルール」などの投資戦略に関する情報を提供していきますので、それらと合わせて以下の6つの高配当銘柄のレポートを活用してください。

「株や金融のプロじゃない人が、
株や金融のプロの力をうまく使って、
自分自身の資産形成のプロになる方法」

これが私たちOxfordクラブが提供しているものです。

それでは、レポート本文をお楽しみください。


年24回の安定した配当金収入があるとしたら…

想像してみてください…年24回の安定した配当金収入があるとしたら、これはあなたにとって、どのようなインパクトがあるでしょうか?

もし、あなたが配当を好きで…さらには、配当が年々増加するのを楽しみにしているのであれば、あなたは「永久配当株(恒久的な配当を期待する配当株)」を発掘する必要があるでしょう。これからお話しするのは、あなたが永久に Buy & Holdできると私たちが信じている「永久配当銘柄」です。

そして、このレポートでは、私たちのメインの出版物である「Oxfordインカム・レター」の基礎的なポートフォリオである「複利成長インカム・ポートフォリオ(10-12戦略)」から選ばれた「6つの永久配当銘柄」をご紹介しましょう。

複利成長インカム・ポートフォリオ(10-12戦略)は、完璧と言っても言い過ぎではない退職後のポートフォリオです。この退職後のポートフォリオは、「富」を築くことや、労働して収入を得ること以外に、働くことなく大きな収入を得たいと考える人たちのために設計されています。

なお、このポートフォリオ配当金を複利運用する方法を取ります。だから、ハイリスク・ハイリターン型の積極的な運用ではなく、保守的で長期的な運用を推奨しています。


配当を再投資して複利で資産を増やす

配当金を得たら、それを同じ銘柄に再投資し、複利で資産を増やしましょう。

この概念は非常に単純ですが、非常に重要です。

配当を再投資することにより、あなたの保有株数が増え、次の配当のとき前回のときよりも多くの配当金を手に入れることができます。そして、その前回より増えた配当金を、再び同銘柄に投資することで、またあなたの保有株数は増えます。それを繰り返すことで、手に入れられる配当金の額がどんどん増えていくのです。

このように、着実に配当金を積み上げていき、安定的に収益を得ることを考えると、それはハイリスク・ハイリターン型の運用よりも、現実的にあなたが富を築き安定した不労収入を得ることに近づけるでしょう。


【配当金(利回り4%)を再投資し複利運用した場合の推移】

具体的に言うと、10ドルの株を1,000株購入し、配当利回りが4%だったとしましょう。すると、1年後に400ドル(10,000ドルの4%)が配当金として入ります。そして、その400ドルを同銘柄に再投資したとすると、40株が加算され、合計1,040株の保有株数に増加します。

そして、今度は1年後に416ドル(10,400ドルの4%)が配当金として入ります。そして、以下のように配当金の再投資を繰り返すことで、保有株数が増加し、配当金による収入が増大するでしょう。

配当金を再投資して複利運用した場合
※計算上、税金や手数料は考慮していません

 

このように、ローリスク・ローリターン型で保守的にみえるポートフォリオも、年月が経過するにつれてパワフルな運用になるのです。しかしながら、この原資は配当金なので、手堅い運用であることは魅力的でしょう。

しかもこれは、株価が全く成長しなかった場合のシミュレーションです。

配当利回り = (1年間に実際に支払われた配当金)÷(株価)×100

ですから、もし配当利回りがずっと年4%だったとしても、株価自体が成長していれば、得られるリターンの金額はさらに多くなります。

実際に、米国の主要500社の株価推移を表す指標であるS&P500の年成長率は、過去約50年間で約7%となっています(配当を含まない場合)。年4%の配当利回りと7%の株価成長を足すと年間11%。年利11%で複利運用(配当をひたすら再投資)するということは、10年~11年で当初資金は倍に増えることになります。これは銀行にただ預金しておくだけでは絶対に得られないリターンです。

また、優良企業の場合は配当率自体を成長させることがあります。これを配当成長と呼びます。

たとえば年10%の配当成長の場合、最初4%だった配当利回りが、翌年は10%増の4.4%となり、その翌年は4.84%と、配当利回り自体が複利成長していくということです。そうなればあなたの資産を増やす複利効果はさらに高まることが期待できます。

ではこれから、この夢のようなことを実現する可能性のある…複利成長インカム・ポートフォリオ(10-12戦略)の中から私たちが厳選した「6つの永久配当銘柄」をご紹介しましょう。

 


【永久配当株:No.1】
 AbbVie (NYSE:ABBV)

1つ目の銘柄は、ヘルスケア関連で、配当に着目した長期投資銘柄です。

アッヴィ (NYSE: ABBV) は バイオ医薬品開発の世界的大手企業で、133年以上の歴史を有するヘルスケア企業アボット・ラボラトリーズ社から分社化する形で2013年に誕生しました。

同社は、医薬品および治療薬の研究、開発、製造、商業化および販売を行っています。年間売上高が10億ドル以上の代表的な医薬品としては、関節リウマチ薬の「ヒュミラ®」「リンヴォック®」、乾癬治療薬の「スキリージ®」、がん治療薬の「イムブルビカ®」「ベネクレクスタ®」、化粧品の「ボトックス®」、神経治療薬の「ボトックス®」、アイケア製品の「レスタシス®」があり、その他にも様々な治療カテゴリーの製品を提供しています。

株価チャート
出所:Bloomberg(2022.5.31時点)

2021年の売上高は561億ドルで、2020年から1つ順位を上げ、製薬企業の中でファイザーに次ぐ世界第2位の売上高となっています。特に「ヒュミラ®」は世界で最も売れている医薬品(新型コロナウイルスワクチンを除く)で、2021年の売上高は207億ドルとなっています。

この「ヒュミラ®」の特許は欧州では2018年に切れており、米国でも2023年に切れることから、市場では、ジェネリック医薬品との競争によって同社の売上高が減少するのではないかと懸念されています。しかし、欧州の特許が切れる2017年には、同社の売上高の65%を「ヒュミラ®」が占めていましたが、その後、自社開発や買収によって10億ドル以上の売上を生み出す医薬品を複数獲得したため、2021年にはその割合が37%にまで減少しています。

出所:アッヴィの資料を元にOxfordクラブ作成

同社は、常に新薬の開発に力を入れています。2022年2月時点で、28の第Ⅰ相臨床試験、24の第Ⅱ相臨床試験および23の第Ⅲ相臨床試験が進んでいます。

一般的に、同社のようなヘルスケア銘柄は、景気動向に業績が左右されにくい「ディフェンシブ銘柄」とされています。景気が悪くなったからと言って薬を飲むことをやめる、病院に行くことをやめる人は少ないからです。

その他の「ディフェンシブ銘柄」としては、食品などの一般消費財、生活必需品、電力・ガス・通信などの公共事業などがあり、景気動向に左右されにくい分、リターンが少なくなる傾向にあります。

しかし、ヘルスケアセクターは、過去30年間で、ITセクターに次いでリターンの高いセクターでした。ヘルスケアセクターは、相対的に低いリスク水準で高いリターンを獲得してきたということです。

加えて、過去9年間のアッヴィのリターンは、ヘルスケアセクターの約2倍となっています。

出所:YChartのデータを元にOxfordクラブ作成

足元の業績に目を向けると、2022年1 – 3月期の売上高は前年同期比4.6%増の135億ドルで、当期純利益は同比26.4%増の45億ドル、1株当たり純利益(EPS)は同比9.8%増の3.24ドルでした。

米国時間2022年5月31日終値での配当利回りは3.8%(株価147.37ドル)で5年間の配当成長率は17.5%です。同銘柄の株価収益率(PER)は15.7倍、今年の市場予想利益(予想PER)の10.8倍で取引されており、同業他社との比較でも割安に推移しています。

同業他社としては、例えばイーライリリー (NYSE: LLY) 、ジョンソン・エンド・ジョンソン (NYSE: JNJ) のような医薬品大手も含まれており、単純な横比較はできませんが、それぞれの企業の株価は、株価収益率37.2倍と21.5倍で取引されています。

またアッヴィの株価/キャッシュフロー比率は11.4倍と、競争力のある同社の医薬品から安定的に創出されるキャッシュフローに対する、株価の割安感が際立っています。

同社は、これまで計画的にフリー・キャッシュフローを成長させてきた実績を有しています。2021年は220億ドルを生み出し、その一方で、93億ドル程度を普通株の現金配当として株主に還元しています。今後5年間も、フリー・キャッシュフローの増加と共に、配当が増え続けることが予想されています。

出所:リフィニティブのデータを元にOxfordクラブ作成

かつては、収益性の高い製薬業界は、国民皆保険制度でない米国において批判の対象となりやすい状況にありましたが、新型コロナへのワクチン開発にチャレンジし貢献する姿が注目され、国民からの見方が変わりました。2022年6月現在、高いインフレ率や金利上昇およびロシアによるウクライナ侵攻や中国経済の減速懸念などから景気の先行きに不透明感がありますが、もともと不況に強い業種のため、景気後退局面に陥った場合でも相対的に安定した業績成長が期待されます。

 


【永久配当株:No.2】
 Lazard (NYSE:LAZ)

2つ目の銘柄は、毎年普通配当の増配を行っており、米国の大統領がジェームズ・ポルクだった1840年代から現代まで、着実な成長を遂げてきた企業です。

ラザード (NYSE: LAZ) はニューヨークに本拠を置く、170年の歴史をもつ世界的な名門投資銀行で、資産運用サービスおよび金融助言サービスを展開しています。
同社は世界25か国40都市に拠点を置き、70か国以上の顧客にサービスを提供しています。企業、機関、政府、個人などを対象に資産運用サービスを提供するほか、M&A、経営戦略、組織再編・資本構成、資本調達、コーポレートファイナンスに関する助言を行い、事業会社や金融機関の合併・再編の際には人材を送り込み、内部からの顧客支援も行っています。

株価チャート
出所:Bloomberg(2022.5.31時点)

同社の足元の業績は、2022年1 – 3月期売上高が前年同期比8%増の6億9,900万ドルで、資産運用サービスと金融助言サービスの売上高はほぼ同規模となっています。また、当期純利益は同比13%増の1億1,500万ドル、1株当たり純利益(EPS)は同比21%増の1.05ドルでした。

米国時間2022年5月31日終値での配当利回りは5.3%(株価35.26ドル)と高い利回りとなっています。

同社の配当は、安定的に成長させている普通配当に加えて、特別配当も不定期で支払われています。特別配当の増減によって上乗せ額が変わるため、配当利回りは変動的となります。

同社の配当で印象的なのは、リーマンショックの金融危機の最中にもかかわらず同社が増配を継続した点です。新型コロナウイルスの感染拡大や2022年の不安定なマクロ経済環境においても、減配は無く、2022年1 – 3月期の四半期配当も1株当たり47セントで維持されました。

出所:ラザードの資料を元にOxfordクラブ作成

また、2022年1 – 3月期には1億7,600万ドルの自社株式買戻しも行い、株主還元に積極的に取り組んでいます。

同社は金融業者で、景気減速が懸念される場合は株が売られやすい状況になり、2021年末から下落傾向にあります。しかし、同社は収益構造を貸金利息に依存していないため、一般的な投資銀行や商業銀行との比較で収益基盤が盤石なうえ、景気減速の環境下において資金繰りに苦しむ顧客から資金調達サポート業務を受託したり、M&A案件が増加するなかで売却・買収どちらの支援も可能なため、収益機会が増える構造にあります。

そして、景気回復局面においては、回復からの恩恵を先取りしたい企業の財務戦略実行を支援する機会が増え、同社への需要が高まります。

今後、株式市場の底打ち感が見えてくれば、買収先の割安感や潤沢な現預金を活用したM&Aが活性化するとみられます。

また、運用資産残高も順調に増加し、2022年1 – 3月期末時点で2,710億ドルとなっています。

出所:ラザードの資料を元にOxfordクラブ作成

上記のような事業環境を背景に、過去何度も恐慌を乗り越えてきた同社の長期的な事業成長が期待されます。

 


【永久配当株:No.3】
 Raytheon Technologies (NYSE:RTX)

3つ目の銘柄はマサチューセッツ州に本部を置き、航空宇宙事業を中核とした世界屈指のコングロマリット企業です。

レイセオン・テクノロジーズ (NYSE: RTX)は、主に防衛関連について、電気システムからミサイルシステムまで幅広い商品とサービスを提供しています。同社は2020年4月に、ミサイルシステムのほか、ヘリコプターからエレベーターまで幅広く扱うユナイテッドテクノロジーズ社と、軍需関連企業のレイセオン社が合併して誕生しました。合併に伴い、ヘリコプターやエレベーター事業(世界最大シェアのオーチス社)は分離されました。

株価チャート
出所:Bloomberg(2022.5.31時点)

時価総額は1,380億ドルで、同業他社のロッキード・マーチン (NYSE: LMT) 、ボーイング (NYSE: BA) 、ノースロップ・グラマン (NYSE: NOC) の時価総額を上回っています。

同社の事業は、4つの主要な事業セグメントで構成されています。

  • コリンズエアロスペースシステムズ事業:航空機メーカーや航空会社および防衛・民間宇宙事業者向けに航空宇宙・防衛関連製品およびアフターサービスをグローバルに提供
  • プラット・アンド・ホイットニー事業:民間、軍事、ビジネスジェットおよび一般航空顧客向けに航空機エンジンを供給
  • レイセオンインテリジェンス・スペース事業:情報機関、防衛、民間の顧客に、高度な統合センサーと通信システム、高度なトレーニング、サイバー・セキュリティおよびソフトウェアソリューションを開発・提供
  • レイセオンミサイル・ディフェンス事業:統合防空ミサイルシステムを設計・開発・製造

同社の最大顧客は米国政府ですが、合併以降、国際事業を拡大してきました。例えばカタール政府には、レイセオンミサイル・ディフェンスがパトリオットミサイルと防空システムを提供しています。

同社は最近、近接防空ミサイルの交換部品と再認証のために、米国海軍の他、エジプト、日本、UAE、トルコから1億219万ドルの契約を獲得しました。

さらに、ロッキード・マーチン (NYSE: LMT) との合弁事業において、米軍から3億900万ドル相当の対戦車ミサイルのジャベリンに関する契約を獲得しました。この契約には、1,300基以上のウクライナ向けジャベリンミサイルが含まれています。

軍事以外に目を向けると、例えば、デルタ航空からエアバスA321neo航空機用のエンジンを受注しています。2027年までに合計155機のエンジンを納品する計画です。

同社は、このような航空機エンジンの供給をはじめとした、保守等のアフターサービスも事業の柱の一つに据えており、事業の集中と選択が図られています。

2021年の売上高において、4つの事業による構成割合はほぼ同率となっており、総額673億ドルの売上高を生み出しています。

出所:レイセオンの資料を元にOxfordクラブ作成

足元の業績を見てみると、2022年1 – 3月期売上高は前年同期比3%増の157億ドル、1株当たり純利益(EPS)は同比28%増の1.15ドルで、フリー・キャッシュフローは3,700万ドルでした。3月末時点で、現金および現金同等物が60億ドルとなっています。

合併に伴い、2020年の四半期配当は減配となりましたが、2021年は再び増配となりました。2022年1 – 3月期の四半期配当は引き続き増配となり、前四半期から7.8%増の55セントとなっています。これにより、米国時間2022年5月31日終値での年配当利回りは2.2%(株価95.12ドル)となっています。

また、合併に伴う株主還元として1 – 3月期に7億4,300万ドルの自社株式の買い戻しを実施しており、2022年中には少なくとも25億ドルの自社株式買い戻しを行うとしています。

ただし、足元、サプライチェーンの問題や高いインフレ率、ロシア事業からの撤退などの影響が出始めており、同社は2022年の売上高予想を若干引き下げています。それでも、EPSは従来通り4.60ドル〜4.80ドル、フリー・キャッシュフローは約60億ドルを見込んでいます。

同社は積極的にサプライチェーンの問題に取り組んでいることに加えて、ロシアによるウクライナ侵攻を受けて米国を含む世界各国で防衛費を増額する動きがみられることなどから、一時的に業績への影響がみられても、長期的には同社の事業成長が期待されます。

市場では、2025年に売上高は2021年比30%増の836億ドル、EPSは同比48%増の6.34ドル、1株当たり年配当は2.55ドルになると予想されています。

出所:リフィニティブの資料を元にOxfordクラブ作成
出所:リフィニティブの資料を元にOxfordクラブ作成

 


【永久配当株:No.4】
  Eaton Corp. (NYSE:ETN)

次は、各種制御装置や油圧機器などを幅広い産業に提供する銘柄です。

イートン(NYSE: ETN)は、1911年創業の電力管理会社です。顧客が電力を管理するのに役立つ電気機器や配線装置をはじめとして、航空宇宙分野の燃料および空気圧システム、パワー・トレインシステム、車両の電気および電子部品およびシステム、および電気自動車のパワーエレクトロニクスや電力システムなど、その他何千もの製品を製造しています。およそ8万5,000人の従業員を抱え、世界175か国に及ぶ顧客に商品・サービスを提供する巨大な事業を展開しています。

株価チャート
出所:Bloomberg(2022.5.31時点)

2022年に入り、サプライチェーンの問題および株式市場の影響などを受けて株価は下落傾向にありますが、そのような環境下でも業績は堅調に推移していることに加え、長期的な戦略を見据えたM&Aを行っており、長期的には株価上昇が期待できるとみています。

2021年の売上構成を見てみると、主力である住宅や商工業施設等の電気・電子機器部門が全体の72%を占め、航空宇宙と車両向けがそれぞれ13%、電気自動車が2%となっています。

出所:リフィニティブのデータを元にOxfordクラブ作成

同社は、世界の低・中電圧の電気業界トップ4に入るグローバル企業で、特に、過酷で危険な場所で使用される電気機器ソリューションのマーケットリーダーです。

航空宇宙分野では、空中給油、不活性燃料タンク、生命維持装置などで実績のあるコバム・ミッション・システムズを買収しており、これが売上増加に寄与しています。

脱炭素の流れの中で注目される電気自動車分野については、今年1月に電気自動車やエネルギー管理、一般産業で用いられる高精度の電気配線接続部品メーカーであるロイヤルパワーソリューションズを6億ドルで買収しました。イートンは、この買収により電気自動車市場へのアクセスが向上し、20億ドルから40億ドルほどの新たなビジネスを構築するという長期目標を実現できるようになったと述べています。

足元の業績に着目すると、1 – 3月期売上高は前年同期比3%増の48億ドル、営業利益は同比9%増の9億900万ドル、1株当たり純利益(EPS)は同比13%増の1.62ドルでした。

セグメント別に見ると航空宇宙と電気自動車の売上増加率が大きく、今後、市場規模が大きくなるに伴って、同社の業績にも大きく貢献する事業に成長すると考えています。

配当については、同社は、1987年以降毎年配当を実施しており、2009年以降は毎年増配を続けています。2021年は3月に四半期配当を1株当たり73セントから76セントに増額し、さらに、2022年3月には81セントに増額しています。

年配当利回りは、米国時間2022年5月31日終値時点で2.3%(株価138.60ドル)となっています。5年間の配当成長率は5.9%です。

同社の製品と技術は、我々の生活や産業に欠かせないものであるだけでなく、環境負荷低減にも寄与することから、益々、その需要が増えていくことが期待できます。それに伴い、今後も配当が増えていくと予想されています。

出所:リフィニティブのデータを元にOxfordクラブ作成

なお、同社の拠点は税率の低いアイルランドのダブリンにあり、通常、日本に居住する投資家は、外国税として源泉徴収されます。さらに、イートン社の配当は、マスター・リミテッド・パートナーシップのようなパートナーシップではないにもかかわらず、おおよそ資本の利益として考慮されます。

 


【永久配当株:No.5】
 BCE (NYSE: BCE)

次は、14年連続で増配している、カナダ最大の通信会社です。

BCE (NYSE: BCE) は、ケベック州ベルダンに本拠を置き、カナダの家庭およびビジネス向けに通信サービスを提供しています。カナダ人口の約99%をカバーする無線ネットワークとカナダ世帯の約75%への光ファイバーネットワークを持ち、電話及びインターネットとテレビ事業を展開しています。年間売上高は235億カナダドル(2兆5,850億円;110円/カナダドル換算)ほどです。

株価チャート
出所:Bloomberg(2022.5.31時点)

同社の事業は、電話・光ファイバー等の有線ネットワークの「ベルワイヤーライン」、4G・5G無線ネットワークの「ベルワイヤレス」、テレビやラジオなどのマルチメディアの「ベルメディア」の3つのセグメントで構成されています。売上高の構成比率は、ベルワイヤーラインが約50%、ベルワイヤレスが約40%、ベルメディアが約10%となっています。

通信事業は景気に左右されにくいビジネスです。景気が悪くなったからと、インターネットを使わなくなったり、スマホを持ち歩かなくなったりすることはありません。このため、同銘柄はディフェンシブな銘柄と言えます。

2022年初めから5月20日終値まで、S&P500種株価指数は18%ほど下落していますが、同社の株価は若干のプラスとなっています。

出所:リフィニティブの資料を元にOxfordクラブ作成

カナダにおいても通信会社に対して通話やインターネット料金引き下げの圧力が強く、また、競合通信会社との競争も激しくなっています。このため同社は、大容量・高速の次世代ネットワーク構築に積極的に取り組んでいます。

同社は、2021年からの2年間で多額の設備投資を行なっており、2025年末までに1,000万エリアに次世代ブロードバンド・ネットワークを構築することを目指しています。

2022年には約50億カナダドルを投資する計画としており、2022年末までにカナダ人の80%以上が5Gネットワークサービスを利用できるようになるとしています。2022年1 – 3月期には毎秒3ギガビットの高速光通信サービスが開始されました。

足元の業績に目を向けると、2022年1 – 3月期の売上高は前年同期比2.5%増の58億5,000万カナダドルで、当期純利益は同比15.5%増の8億1,300万カナダドル、1株当たり純利益(EPS)は同比14.1%増の89カナダセントでした。

また、2022年3月には1株当たり92カナダセントの配当が支払われました。これは、前四半期配当から5.1%増でした。米国時間2022年5月31日終値で5.2%(株価54.45ドル)の年配当利回りとなっています。

同社は、フリー・キャッシュフローの65%から75%を配当として支払うことを目標に掲げており、今回の増配で、2008年から14回連続で増配となりました。

同社の売上高は新型コロナウイルス感染拡大の影響により減少しましたが、カナダ市場におけるシェアと知名度の高さ、積極的な設備投資により、今後、回復および増加し、それに伴いフリー・キャッシュフローおよび1株当たり配当も増加すると期待されています。

出所:リフィニティブの資料を元にOxfordクラブ作成
出所:リフィニティブの資料を元にOxfordクラブ作成

BCEはディフェンシブな銘柄のため、景気後退時にも株価が大きく下落することなく、今後も増配が期待できる銘柄です。格付け会社の S&P グローバル・レーティング社は同社を投資適格であるBBB+と評価しています。

 


【永久配当株:No.6】
 Enbridge (NYSE:ENB)

最後は、北米を中心に事業を展開している、原油や天然ガスのパイプライン企業です。

エンブリッジ (NYSE: ENB) は、カナダのアルバータ州カルガリーに本拠を置き、エネルギー輸送および配給などを行っています。主力事業は原油などの液体パイプライン輸送、天然ガスパイプライン輸送および天然ガス貯蔵と分配施設の運営ですが、風力および太陽光の再生可能エネルギー発電事業も展開しています。2021年の売上高は470億カナダドル(5兆1,700億円;110円/カナダドル換算)ほどです。

北米で生産される原油の約30%と米国で消費される天然ガスの20%を輸送しており、消費者数で北米第3位の天然ガス供給者です。

株価チャート
出所:Bloomberg(2022.5.31時点)

同社は原油や天然ガスの生産・販売は行っていません。このため基本的には、同社の売上高は原油や天然ガスの価格に大きくは影響されず、それらの輸送量に依存しています。

例えば、代表的な原油価格であるウェスト・テキサス・インターミディエイト(WTI)価格は、ロシアのウクライナ侵攻の影響等で2022年初めから5月20日までに51%も上昇しましたが、同社の株価は14%増にとどまっています。なお、この間、S&P500種株価指数は18%ほど下落しています。

出所:リフィニティブの資料を元にOxfordクラブ作成

現在、同社は世界的なエネルギー需給の構造転換や脱炭素の動きの中、2つの戦略を推進しています。

一つ目は、従来型エネルギーへの投資です。原油や天然ガスパイプラインの容量や処理能力の最適化や設備の最新化、輸出市場拡大に向けたパイプライン延長や貯蔵施設の新設などを行っています。

ロシアによるウクライナ侵攻や新型コロナウイルスによるパンデミックからの世界的な需要回復などを受けた原油・天然ガスの供給不足懸念を補うために北米での生産量を増やす動きがあり、同社においても需要に応じた投資が必要になります。また、既存設備の最適化や最新化はコスト削減にもつながります。

天然ガスは化石燃料の代替需要も見込まれていることから、同社は2040年には世界の天然ガス需要が現在より21%増加すると予想しています。

二つ目は、再生エネルギーへの投資です。既に欧州で3つの風力発電サイトを運用しており、2024年までに新たに4つのサイトの運用が開始される予定となっています。また、北米では太陽光発電を3つのサイトで運用しており、新たに10の太陽光発電プロジェクトが進行中です。

足元の業績に目を向けると、2022年1 – 3月期の売上高は前年同期比24.4%増の151億カナダドルで、当期純利益は同比4.3%増の17億カナダドル、1株当たり純利益(EPS)は同比3.7%増の84カナダセントでした。

また、2022年1 – 3月期の1株当たり配当は、前四半期から3%増の86カナダセントでした。年配当利回りは、米国時間2022年5月31日終値で5.8%(株価46.15ドル)となっています。

2013年から8年連続で増配しており、過去27年間の配当成長率は10%です。

出所:エンブリッジの資料を元にOxfordクラブ作成

同社は、分配可能キャッシュフローの60%から70%を配当として支払う方針であり、2024年までの1株当たりの分配可能キャッシュフローの平均成長率が5%から7%になると予想しているため、今後の増配が期待されます。

同社の2020年の業績は新型コロナウイルス感染拡大の影響により悪化しましたが、その後のエネルギー需要の回復に合わせて売上が回復しており、市場では2022年は2019年の売上を上回ると予想されています。

高いインフレ率や金利上昇、世界的なサプライチェーンの長期化などにより、米国の景気後退が本格化し、エネルギー需要が減少することも可能性としては否定できません。しかし、同社は、天然ガスや再生エネルギーといった、今後、益々需要が高まると考えられるエネルギー源への投資を積極的に行っており、長期的にも株価の上昇や高い配当の継続が期待できると考えています。

 


安心して投資をするために

「安く買って高く売る。」

「投資」にこういうイメージしかない人は、いつも株価の動きに一喜一憂させられます。

  • 「今日の終値は上がったのか…下がったのか…」
  • 「明日の株価はどうか?」
  • 「来週はどうなる?」「1ヶ月後はどうなる?」「来年は…」

・・・と。

一方、私たちは「配当金のパワー」と「複利運用のパワー」を知り、それを同時に活用することの素晴らしさを知っているので、そのような心配は少ないでしょう。「配当収入を得て、それを再投資する」。この最強の戦略で、長期的に資産を作っていくことができます。

ぜひ、このレポートで紹介した6つの銘柄を、あなたの資産形成に役立ててください。

それでは、よい投資を!

Oxford Club Japan編集部

※マーク・リクテンフェルドのオリジナルコンテンツを元にOxford Club Japanが編集しています
※レポート中の数字及びチャートは2022年5月31日時点のBloombergのデータを元にしています
※本レポートは予告なく変更・更新する場合がございます

 

さて、レポートはいかがだったでしょうか?

「早く投資したくてワクワク!」してきましたか?それとも、「ちょっとよくわからなかった。」「イメージが沸かなかった。」「もう少し詳しく教えてほしい。」という感じでしょうか?

どちらの場合も、Oxford Clubはあなたが明るい将来を描くための「ガイド役」になっていきたいと思っています。

ここでご紹介しているのは、「株価の成長」と「配当の再投資」で10年で年平均12%を目指す戦略で紹介されている銘柄なんですが…

もし…10万円投資したら、毎年10万円返ってくるような、配当利回り100%以上の投資先があったら…あなたはどうしますか?

詳しくはこの動画で話しているので、チャンスを逃さないように必ず見てくださいね…


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