永久に持っておきたい6つの高配当米国株

永久に持っておきたい6つの高配当米国株

注意:これらの株にいきなり投資しないでください

これらの米国株は、日本株を取引するのとほとんど同じように日本のネット証券口座から取引することができます。

株主への配当も、株式の売却代金同様に証券口座に入金され、最終的には日本円で取り出すことができます。(ただし、取引したい銘柄の取り扱いがあるかどうかは、各証券会社にお問い合わせください。)

とはいえ、「戦略」を持たずに、単に儲かりそうだからという理由で、いきなり投資することはオススメしません。

マーク・リクテンフェルド

これらの6つの銘柄は、Oxford クラブのチーフ・インカム・ストラテジストであるマーク・リクテンフェルド氏と彼の調査チームが選出した優良株です。ただ、よく切れる極上の包丁も、使い方を知らなければ危険なのと同じように、企業分析、株式分析のプロが見つけた優れた銘柄とはいえ、その情報を取り扱う側にも一定の知識と少しのトレーニングが必要です。

無料のメールマガジン「Oxford クラブ」やOxford インカム・レターの中で、「適切な資金配分」「ポートフォリオの作り方」「損失を最小限にするためのルール」などの投資戦略に関する情報を提供していきますので、それらと合わせて以下の6つの高配当銘柄のレポートを活用してください。

「株や金融のプロじゃない人が、
株や金融のプロの力をうまく使って、
自分自身の資産形成のプロになる方法」

これが私たちOxford クラブが提供しているものです。

それでは、レポート本文をお楽しみください。


年24回の安定した配当金収入があるとしたら…

想像してみてください…年24回の安定した配当金収入があるとしたら、これはあなたにとって、どのようなインパクトがあるでしょうか?

もし、あなたが配当を好きで…さらには、配当が年々増加するのを楽しみにしているのであれば、あなたは「永久配当株(恒久的な配当を期待する配当株)」を発掘する必要があるでしょう。これからお話しするのは、あなたが永久に Buy & Holdできると私たちが信じている「永久配当銘柄」です。

そして、このレポートでは、私たちのメインの出版物である「Oxford インカム・レター」の基礎的なポートフォリオである「複利成長インカム・ポートフォリオ(10-12戦略)」から選ばれた「6つの永久配当銘柄」をご紹介しましょう。

複利成長インカム・ポートフォリオ(10-12戦略)は、完璧と言っても言い過ぎではない退職後のポートフォリオです。この退職後のポートフォリオは、「富」を築くことや、労働して収入を得ること以外に、働くことなく大きな収入を得たいと考える人たちのために設計されています。

なお、このポートフォリオ配当金を複利運用する方法を取ります。だから、ハイリスク・ハイリターン型の積極的な運用ではなく、保守的で長期的な運用を推奨しています。


配当を再投資して複利で資産を増やす

配当金を得たら、それを同じ銘柄に再投資し、複利で資産を増やしましょう。

この概念は非常に単純ですが、非常に重要です。

配当を再投資することにより、あなたの保有株数が増え、次の配当のとき前回のときよりも多くの配当金を手に入れることができます。そして、その前回より増えた配当金を、再び同銘柄に投資することで、またあなたの保有株数は増えます。それを繰り返すことで、手に入れられる配当金の額がどんどん増えていくのです。

このように、着実に配当金を積み上げていき、安定的に収益を得ることを考えると、それはハイリスク・ハイリターン型の運用よりも、現実的にあなたが富を築き安定した不労収入を得ることに近づけるでしょう。


【配当金(利回り4%)を再投資し複利運用した場合の推移】

具体的に言うと、10ドルの株を1,000株購入し、配当利回りが4%だったとしましょう。すると、1年後に400ドル(10,000ドルの4%)が配当金として入ります。そして、その400ドルを同銘柄に再投資したとすると、40株が加算され、合計1,040株の保有株数に増加します。

そして、今度は1年後に416ドル(10,400ドルの4%)が配当金として入ります。そして、以下のように配当金の再投資を繰り返すことで、保有株数が増加し、配当金による収入が増大するでしょう。

配当金を再投資して複利運用した場合
※計算上、税金や手数料は考慮していません

 

このように、ローリスク・ローリターン型で保守的にみえるポートフォリオも、年月が経過するにつれてパワフルな運用になるのです。しかしながら、この原資は配当金なので、手堅い運用であることは魅力的でしょう。

しかもこれは、株価が全く成長しなかった場合のシミュレーションです。

配当利回り(%) = (1年間に実際に支払われた配当金)÷(株価)×100

ですから、もし配当利回りがずっと年4%だったとしても、株価自体が成長していれば、得られるリターンの金額はさらに多くなります。

実際に、米国の主要500社の株価推移を表す指標であるS&P500種株価指数の年成長率は、過去約50年間で約7%となっています(配当を含まない場合)。年4%の配当利回りと7%の株価成長を足すと年間11%。年利11%で複利運用(配当をひたすら再投資)するということは、10年~11年で当初資金は倍に増えることになります。これは銀行にただ預金しておくだけでは絶対に得られないリターンです。

また、優良企業の場合は配当率自体を成長させることがあります。これを配当成長と呼びます。

たとえば年10%の配当成長の場合、最初4%だった配当利回りが、翌年は10%増の4.4%となり、その翌年は4.84%と、配当利回り自体が複利成長していくということです。そうなればあなたの資産を増やす複利効果はさらに高まることが期待できます。

ではこれから、この夢のようなことを実現する可能性のある…複利成長インカム・ポートフォリオ(10-12戦略)の中から私たちが厳選した「6つの永久配当銘柄」をご紹介しましょう。

 


【永久配当株:No.1】
 AbbVie (NYSE:ABBV)

1つ目の銘柄は、ヘルスケア関連で、配当に着目した長期投資銘柄です。

アッヴィ (NYSE: ABBV) は、バイオ医薬品開発の世界的大手企業で、133年以上の歴史を有するヘルスケア企業アボット・ラボラトリーズ社から分社化する形で2013年に誕生しました。

同社は、医薬品および治療薬の研究、開発、製造、商業化および販売を行っています。年間売上高が10億ドル以上の代表的な医薬品としては、関節リウマチ薬の「ヒュミラ®」「リンヴォック®」、乾癬治療薬の「スキリージ®」、がん治療薬の「イムブルビカ®」「ベネクレクスタ®」、化粧品の「ボトックス®」、神経治療薬の「ボトックス®」、アイケア製品の「レスタシス®」があり、その他にも様々な治療カテゴリーの製品を提供しています。

【アッヴィの株価チャート(リアルタイム更新)】


2022年の売上高は581億ドルで、製薬企業の中でファイザーに次ぐ世界第2位の売上高となっています。特に「ヒュミラ®」は世界で最も売れている医薬品(新型コロナウイルスワクチンを除く)で、2022年の売上高は212億ドルとなっています。

この「ヒュミラ®」の特許は欧州では2018年に切れており、米国でも2023年に切れることから、市場では、ジェネリック医薬品との競争によって同社の売上高が減少するのではないかと懸念されています。しかし、欧州の特許が切れる2017年には、同社の売上高の65%を「ヒュミラ®」が占めていましたが、その後、自社開発や買収によって10億ドル以上の売上を生み出す医薬品を複数獲得したため、2021年にはその割合が37%にまで減少しています。

出所:アッヴィの資料を基にOxford クラブ作成

同社は、常に新薬の開発に力を入れています。2022年2月時点で、28の第Ⅰ相臨床試験、24の第Ⅱ相臨床試験および23の第Ⅲ相臨床試験が進んでいます。

一般的に、同社のようなヘルスケア銘柄は、景気動向に業績が左右されにくい「ディフェンシブ銘柄」とされています。景気が悪くなったからと言って薬を飲むことをやめる、病院に行くことをやめる人は少ないからです。

その他の「ディフェンシブ銘柄」としては、食品などの一般消費財、生活必需品、電力・ガス・通信などの公共事業などがあり、景気動向に左右されにくい分、リターンが少なくなる傾向にあります。

しかし、ヘルスケアセクターは、過去30年間で、ITセクターに次いでリターンの高いセクターでした。ヘルスケアセクターは、相対的に低いリスク水準で高いリターンを獲得してきたということです。

加えて、過去9年間のアッヴィのリターンは、ヘルスケアセクターの約2倍となっています。

出所:YChartのデータを基にOxford クラブ作成

足元の業績に目を向けると、2022年1 – 12月期の売上高は前年同期比3.3%増の580億5,400万ドルで、当期純利益は同比8.4%増の245億9,700万ドル、1株当たり純利益(EPS)は同比8.4%増の13.77ドルでした。

同業他社としては、例えばイーライリリー (NYSE: LLY) 、ジョンソン・エンド・ジョンソン (NYSE: JNJ) のような医薬品大手も含まれており、単純な横比較はできませんが、それぞれの企業の株価は、株価収益率41.7倍(株価342ドル付近)と19.1倍(株価161ドル付近)で取引されているなかで、アッヴィは13.1倍(株価149ドル付近)となっています。

またアッヴィの株価/キャッシュフロー比率は12.0倍と、競争力のある同社の医薬品から安定的に創出されるキャッシュフローに対する、株価の割安感が際立っています。

同社は、これまで計画的にフリー・キャッシュフローを成長させてきた実績を有しています。2022年1 – 9月期まで128億6,100ドルを生み出し、その一方で、75億ドル程度を普通株の現金配当として株主に還元しています。今後5年間も、フリー・キャッシュフローの増加と共に、配当が増え続けることが予想されています。

出所:リフィニティブのデータを基にOxford クラブ作成

かつては、収益性の高い製薬業界は、国民皆保険制度でない米国において批判の対象となりやすい状況にありましたが、新型コロナへのワクチン開発にチャレンジし貢献する姿が注目され、国民からの見方が変わりました。金融引き締め政策や高いインフレ率、ロシア・ウクライナ問題や米中問題の激化や分断化の進展などを受けて、想定される景気後退の深さがどの程度になるのか、見通しは立ちにくい状況が継続していますが、もともと不況に強い業種のため、景気後退局面に陥った場合でも相対的に安定した業績成長が期待されます。

※2023年2月10日時点の情報をもとに作成しています


【永久配当株:No.2】
 Prudential Financial (NYSE: PRU)

2つ目の銘柄は、「人間愛・家族愛」を基本理念とし「プルデンシャル・フレンドリー・ソサエティ」として、1875年に創業したプルデンシャル・ファイナンシャルです。

プルデンシャル・ファイナンシャル (NYSE: PRU) はニュージャージー州に本拠を置く、145年以上の歴史をもつ世界最大級の金融サービス機関の一つです。

同社は、米国、アジア、ヨーロッパ、ラテンアメリカを中心に事業を展開しており、また、子会社および関連会社を通じて、生命保険、年金、退職関連業務、投資信託および資産運用を含む幅広い金融商品とサービスを提供しています。

【プルデンシャル・ファイナンシャルの株価チャート(リアルタイム更新)】


同社の事業は、3つの主要な事業セグメントで構成されています。

  • 資産運用事業(税引き前営業利益に占める割合:15%):特定の資産クラスについて高い専門性を有しグローバルに資産運用サービスを展開し、債券、株式、マルチアセット、不動産、オルタナティブ等の資産クラスにおいて、独自の調査分析に基づくアクティブ運用を行っている。
  • 米国ビジネス(同:45%):生命保険のほか、年金、団体給付、資産管理、退職関連商品およびソリューションの引受・販売からの保険料収入や手数料といったものが主な収入源となっている。
  • 国際ビジネス(同:40%):主にライフプランナー、ジブラルタ生命で日本での事業が主軸となっているが、保険普及率が低い新興国市場(南米)での販売網を開拓中。

資産運用事業は、預かり資産(運用資産)が株式市場の下落により若干の減少となりましたが、株式、債券、オルタナティブ、不動産など各資産クラスの長期投資運用におけるパフォーマンスの80%以上が過去5年間および過去10年間のベンチマークを上回っていることから、今後回復が期待されます。

米国ビジネスにおける保険収入が、2018年から2020年にかけては、新型コロナウイルス感染症によるパンデミックの影響で年平均成長率(CAGR)が-7%と減少したものの、2021年には前年比10%の増加と回復しています。

国際ビジネスでは、日本での新型コロナウイルス感染症による入院請求の高止まりが懸念されるものの、新商品の投入により売上の拡大が期待されます。また、ブラジルでは、中南米市場向けオンライン取引ウェブサイトを運営する「メルカドリブレ」と既に提携しており、売上を伸ばし始めました。また、ブラジルに続きアルゼンチンでもこの提携を結ぶことができました。そのほか、独立系年金運用でアフリカ最大手である南アフリカのアレクサンダー・フォーブスの株式保有比率が33%となり、アレクサンダー・フォーブスからの収益も期待されます。

同社は2023年を目標に7億5,000万ドルのコスト削減を掲げていましたが1年前倒しで達成しており、コスト削減額は7億6,500万ドルとなっています。
また、コスト削減だけでなく自社株買いも行っており、2016年から2022年までの自社株買い総額は113億7,500万ドルとなっています。

出所:プルデンシャル・ファイナンシャルの資料を基にOxford クラブ作成

配当については、2008年から連続で年配当が増配されており、CAGRは17%です。配当性向は40%、配当利回りは4.86%(株価103ドル付近)となっています。

2023年2月には1株あたりの四半期配当額が増配され、年配当の想定額は5ドルとなり、市場では、年配当額が、2024年5.24ドル、2025年5.44ドルと成長すると予想されています。

出所:リフィニティブのデータを基にOxford クラブ作成

同社の2022年の業績は新型コロナウイルス感染拡大の影響および株式市場の下落により悪化しましたが、その年も増配しており、配当に重きを置いていると考えられます。また、業績が改善すれば、今後も増配が期待されます。

※2023年2月10日の情報をもとに作成しています


【永久配当株:No.3】
 RTX (NYSE:RTX)

3つ目の銘柄はマサチューセッツ州に本部を置き、航空宇宙事業を中核とした世界屈指のコングロマリット企業です。

RTX (NYSE: RTX) は、主に防衛関連について、電気システムからミサイルシステムまで幅広い商品とサービスを提供しています。同社は2020年4月に、ミサイルシステムのほか、ヘリコプターからエレベーターまで幅広く扱うユナイテッド・テクノロジーズ社と、軍需関連企業のRTX社が合併して誕生しました。合併に伴い、ヘリコプターやエレベーター事業(世界最大シェアのオーチス社)は分離されました。

【RTXの株価チャート(リアルタイム更新)】


時価総額は約1,430億ドルで、同業他社のロッキード・マーチン (NYSE: LMT) 、ボーイング (NYSE: BA) 、ノースロップ・グラマン (NYSE: NOC) の時価総額を上回っています。

同社の事業は、4つの主要な事業セグメントで構成されています。

  • コリンズエアロスペースシステムズ事業:航空機メーカーや航空会社および防衛・民間宇宙事業者向けに航空宇宙・防衛関連製品およびアフターサービスをグローバルに提供
  • プラット・アンド・ホイットニー事業:民間、軍事、ビジネスジェットおよび一般航空顧客向けに航空機エンジンを供給
  • レイセオンインテリジェンス・スペース事業:情報機関、防衛、民間の顧客に、高度な統合センサーと通信システム、高度なトレーニング、サイバー・セキュリティおよびソフトウェアソリューションを開発・提供
    レイセオンミサイル・ディフェンス事業:統合防空ミサイルシステムを設計・開発・製造

同社の最大顧客は米国政府ですが、合併以降、国際事業を拡大してきました。レイセオンミサイル・ディフェンス事業部門は、各国政府にパトリオットミサイルや防空システムを提供しています。

例えば、近接防空ミサイルの交換部品と再認証のために、米国海軍の他、エジプト、日本、UAE、トルコからの契約を獲得しています。

さらに、ロッキード・マーチン (NYSE: LMT) との合弁事業において、米軍から3億900万ドル相当の対戦車ミサイルのジャベリンに関する契約を獲得しました。この契約には、1,300基以上のウクライナ向けジャベリンミサイルが含まれています。

軍事以外に目を向けると、例えば、デルタ航空からエアバスA321neo航空機用のエンジンを受注しています。2027年までに合計155機のエンジンを納品する計画です。

同社は、このような航空機エンジンの供給をはじめとした、保守等のアフターサービスも事業の柱の一つに据えており、事業の集中と選択が図られています。

4つの事業による構成割合はバランスがとれており、2022年通年では、売上高は合計で670億ドルにのぼります。

 

出所:RTXの資料を基にOxford クラブ作成

足元の業績を見てみると、2022年1 – 12月期の売上高は前年同期比4%増の670億7,400万ドル、1株当たり純利益(EPS)は同比12%増の4.78ドルで、フリー・キャッシュフローは48億8,000万ドルでした。

2022年1 – 12月期は、サプライチェーンの問題、高いインフレ率、ロシア事業からの事業撤退など懸念されていたが、想定以上の強力なフリー・キャッシュフローにより、堅調な通期決算となりました。また、商業用航空宇宙事業の急速な回復により、新規受注が860億ドルと過去最高となり、受注残は1,750億ドルとなりました。

そのほか、同期における自社株買いは、総額28億ドルとなりました。

同社は、2023年の見通しを以下のように発表しています。

  • 売上目標:720億ドル~730億ドル
  • 調整後のEPS:4.90ドル~5.05ドル
  • フリー・キャッシュフロー:約48億ドル
  • 自社株買い:30億ドル

市場では、2026年に売上高は2022年比30%増の875億ドル、EPSは同比56%増の7.49ドル、1株当たり年配当は2.98ドルになると予想されています。

出所:リフィニティブのデータを基にOxford クラブ作成

出所:リフィニティブのデータを基にOxford クラブ作成

※2023年2月10日時点の情報をもとに作成しています


【永久配当株:No.4】
Eaton Corp. (NYSE:ETN)

次は、各種制御装置や油圧機器などを幅広い産業に提供する銘柄です。

イートン (NYSE: ETN) は、1911年創業の電力管理会社です。顧客が電力を管理するのに役立つ電気機器や配線装置をはじめとして、航空宇宙分野の燃料および空気圧システム、パワー・トレインシステム、車両の電気および電子部品およびシステム、および電気自動車のパワーエレクトロニクスや電力システムなど、その他何千もの製品を製造しています。およそ8万5,000人の従業員を抱え、世界175か国に及ぶ顧客に商品・サービスを提供する巨大な事業を展開しています。

【イートンの株価チャート(リアルタイム更新)】


2022年は、サプライチェーンの問題および株式市場の影響などを受けて株価は下落傾向にありましたが、そのような環境下でも業績は堅調に推移してきたことに加え、長期的な戦略を見据えたM&Aを行っており、秋口以降に反発しだした株価は、長期的にも成長していくと期待されます。

2022年の売上構成を見てみると、主力である住宅や商工業施設等の電気・電子機器部門が全体の69%を占め、航空宇宙と車両向けがそれぞれ15%と14%、電気自動車が2%となっています。

出所:リフィニティブのデータを基にOxford クラブ作成

同社は、世界の低・中電圧の電気業界トップ4に入るグローバル企業で、特に、過酷で危険な場所で使用される電気機器ソリューションのマーケットリーダーです。

航空宇宙分野では、空中給油、不活性燃料タンク、生命維持装置などで実績のあるコバム・ミッション・システムズを買収しており、これが売上増加に寄与しています。

脱炭素の流れの中で注目される電気自動車分野については、今年1月に電気自動車やエネルギー管理、一般産業で用いられる高精度の電気配線接続部品メーカーであるロイヤルパワーソリューションズを6億ドルで買収しました。イートンは、この買収により電気自動車市場へのアクセスが向上し、20億ドルから40億ドルほどの新たなビジネスを構築するという長期目標を実現できるようになったと述べています。

2022年1 – 12月期売上高は前年同期比6%増の208億ドル、営業利益は同比15%増の25億ドル、1株当たり純利益(EPS)は同比15%増の7.57ドルでした。
同社の2023年の売上高の見通しを、前年比7~9%増を想定していると発表しました。

セグメント別に見ると航空宇宙と電力からの収益が大きく約90%を占めています。今後、市場規模が大きくなるに伴って、同社の業績にも大きく貢献する事業に成長すると考えています。

配当については、同社は、1987年以降毎年配当を実施しており、2009年以降は毎年増配を続けています。2022年の1株当たりの年配当は、前年比6.6%増の3.24ドルでした。
市場では、2023年、2024年の1株当たりの年配当が、それぞれ約4%増の増配が予想されています。

同社の製品と技術は、我々の生活や産業に欠かせないものであるだけでなく、環境負荷低減にも寄与することから、益々、その需要が増えていくことが期待できます。それに伴い、今後も配当が増えていくと予想されています。

出所:リフィニティブのデータを基にOxford クラブ作成

なお、同社の拠点は税率の低いアイルランドのダブリンにあり、通常、日本に居住する投資家は、外国税として源泉徴収されます。さらに、イートン社の配当は、マスター・リミテッド・パートナーシップのようなパートナーシップではないにもかかわらず、おおよそ資本の利益として考慮されます。

※2023年2月10日時点の情報をもとに作成しています


【永久配当株:No.5】
  BCE (NYSE:BCE)

次は、15年連続で増配している、カナダ最大の通信会社です。

BCE (NYSE: BCE) は、ケベック州ベルダンに本拠を置き、カナダの家庭およびビジネス向けに通信サービスを提供しています。カナダ人口の約99%をカバーする無線ネットワークとカナダ世帯の約80%への光ファイバーネットワークを持ち、電話及びインターネットとテレビ事業を展開しています。

【BCEの株価チャート(リアルタイム更新)】


同社の事業は、電話・光ファイバー等の有線ネットワークの「ベルワイヤーライン」、4G・5G無線ネットワークの「ベルワイヤレス」、テレビやラジオなどのマルチメディアの「ベルメディア」の3つのセグメントで構成されていましたが、2023年より「ベルワイヤーライン」と「ベルワイヤレス」が統合され「ベルコミュニケーションズ・アンド・テクノロジーズ・サービシーズ(ベルCTS)となりました。この統合により、ベルCTSが売上高に占める割合は約90%となりました(以前の売上高構成比率は、ベルワイヤーラインが約50%、ベルワイヤレスが約40%、ベルメディアが約10%)。

通信事業は景気に左右されにくいビジネスです。景気が悪くなったからと、インターネットを使わなくなったり、スマホを持ち歩かなくなったりすることはありません。このため、同銘柄はディフェンシブな銘柄と言えます。

出所:リフィニティブのデータを基にOxford クラブ作成

カナダにおいても通信会社に対して通話やインターネット料金引き下げの圧力が強く、また、競合通信会社との競争も激しくなっています。このため同社は、大容量・高速の次世代ネットワーク構築に積極的に取り組んでいます。

同社が掲げていた2022年の設備投資計画(約50億カナダドル)において、光ファイバーネットワークをさらに85万4,000カ所に拡大し、2022年末時点でカナダ国民の82%が5Gネットワークサービスを利用できるようになりました。

2022年通期の売上高は前年比3.1%増の241億7,400万カナダドルで、当期純利益は同比5.6%増の30億5,700万カナダドル、1株当たり純利益(EPS)は同比5%増の3.35カナダドルでした。

また、2022年の年配当は1株当たり3.68カナダドルでした。これは、前年比5.1%増となっています。2023年の年配当についても3.87カナダドルを予定していると同社から発表されています。これは同比5.2%になります。

そのほかフリー・キャッシュフローの65%から75%を配当として支払うという目標は前年同様継続しており、今回の増配で2008年から15期連続5%程度の増配となっています。

なお同社は、2020年に掲げた成長戦略(戦略的イニシアチブ)を継続し、2023年も積極的な設備投資(約48億カナダドル)で光ファイバーネットワークをさらに65万カ所拡大し、2023年末時点でカナダ国民の約85%が5Gネットワークサービスを利用できることを想定しています。

出所:リフィニティブのデータを基にOxford クラブ作成

出所:リフィニティブのデータを基にOxford クラブ作成

BCEはディフェンシブな銘柄のため、株価の変動幅は相対的に小さく、今後も増配が期待できる銘柄です。格付け会社の S&P グローバル・レーティング社は同社の長期発行体格付を投資適格であるBBB+と評価しています。

※2023年2月10日時点の情報をもとに作成しています


【永久配当株:No.6】
 Enbridge (NYSE:ENB)

最後は、北米を中心に事業を展開している、原油や天然ガスのパイプライン企業です。

エンブリッジ (NYSE: ENB) は、カナダのアルバータ州カルガリーに本拠を置き、エネルギー輸送および配給などを行っています。主力事業は原油などの液体パイプライン輸送、天然ガスパイプライン輸送および天然ガス貯蔵と分配施設の運営ですが、風力および太陽光の再生可能エネルギー発電事業も展開しています。2021年の売上高は470億カナダドル(5兆1,700億円;110円/カナダドル換算)ほどです。

北米で生産される原油の約30%と米国で消費される天然ガスの20%を輸送しており、消費者数で北米第3位の天然ガス供給者です。

【エンブリッジの株価チャート(リアルタイム更新)】


同社は原油や天然ガスの生産・販売は行っていません。このため基本的には、同社の売上高は原油や天然ガスの価格に大きくは影響されず、それらの輸送量に依存しています。

例えば、代表的な原油価格であるウェスト・テキサス・インターミディエイト(WTI)価格は、ロシアのウクライナ侵攻の影響等で2022年初めから5月20日までに51%も上昇しましたが、同社の株価は14%増にとどまっています。なお、この間、S&P500種株価指数は18%ほど下落しています。

出所:リフィニティブのデータを基にOxford クラブ作成

現在、同社は世界的なエネルギー需給の構造転換や脱炭素の動きの中、2つの戦略を推進しています。

一つ目は、従来型エネルギーへの投資です。原油や天然ガスパイプラインの容量や処理能力の最適化や設備の最新化、輸出市場拡大に向けたパイプライン延長や貯蔵施設の新設などを行っています。

ロシアによるウクライナ侵攻や新型コロナウイルスによるパンデミックからの世界的な需要回復などを受けた原油・天然ガスの供給不足懸念を補うために北米での生産量を増やす動きがあり、同社においても需要に応じた投資が必要になります。また、既存設備の最適化や最新化はコスト削減にもつながります。

天然ガスは化石燃料の代替需要も見込まれていることから、同社は2040年には世界の天然ガス需要が現在より21%増加すると予想しています。

二つ目は、再生エネルギーへの投資です。既に欧州で3つの風力発電サイトを運用しており、2024年までに新たに4つのサイトの運用が開始される予定となっています。また、北米では太陽光発電を3つのサイトで運用しており、新たに10の太陽光発電プロジェクトが進行中です。

足元の業績に目を向けると、2022年1 – 3月期の売上高は前年同期比24.4%増の151億カナダドルで、当期純利益は同比4.3%増の17億カナダドル、1株当たり純利益(EPS)は同比3.7%増の84カナダセントでした。

また、2022年1 – 3月期の1株当たり配当は、前四半期から3%増の86カナダセントでした。年配当利回りは、米国時間2022年5月31日終値で5.8%(株価46.15ドル)となっています。

2013年から8年連続で増配しており、過去27年間の配当成長率は10%です。

出所:エンブリッジの資料を基にOxford クラブ作成

同社は、分配可能キャッシュフローの60%から70%を配当として支払う方針であり、2024年までの1株当たりの分配可能キャッシュフローの平均成長率が5%から7%になると予想しているため、今後の増配が期待されます。

同社の2020年の業績は新型コロナウイルス感染拡大の影響により悪化しましたが、その後のエネルギー需要の回復に合わせて売上が回復しており、市場では2022年は2019年の売上を上回ると予想されています。

高いインフレ率や金利上昇、世界的なサプライチェーンの長期化などにより、米国の景気後退が本格化し、エネルギー需要が減少することも可能性としては否定できません。しかし、同社は、天然ガスや再生エネルギーといった、今後、益々需要が高まると考えられるエネルギー源への投資を積極的に行っており、長期的にも株価の上昇や高い配当の継続が期待できると考えています。

出所:リフィニティブのデータを基にOxford クラブ作成

※2023年2月10日時点の情報をもとに作成しています


安心して投資をするために

「安く買って高く売る。」

「投資」にこういうイメージしかない人は、いつも株価の動きに一喜一憂させられます。

  • 「今日の終値は上がったのか…下がったのか…」
  • 「明日の株価はどうか?」
  • 「来週はどうなる?」「1ヶ月後はどうなる?」「来年は…」

・・・と。

一方、私たちは「配当金のパワー」と「複利運用のパワー」を知り、それを同時に活用することの素晴らしさを知っているので、そのような心配は少ないでしょう。「配当収入を得て、それを再投資する」。この最強の戦略で、長期的に資産を作っていくことができます。

ぜひ、このレポートで紹介した6つの銘柄を、あなたの資産形成に役立ててください。

それでは、よい投資を!

Oxford Club Japan編集部

※マーク・リクテンフェルドのオリジナルコンテンツを基にOxford Club Japanが編集しています
※レポート中の数字等は2023年2月10日時点のリフィニティブ、Bloomberg、各社発表資料等のデータを基にしています
※本レポートは予告なく変更・更新する場合がございます

 

さて、レポートはいかがだったでしょうか?

「早く投資したくてワクワク!」してきましたか?それとも、「ちょっとよくわからなかった。」「イメージが沸かなかった。」「もう少し詳しく教えてほしい。」という感じでしょうか?

どちらの場合も、Oxford クラブはあなたが明るい将来を描くための「ガイド役」になっていきたいと思っています。

ここでご紹介しているのは、「株価の成長」と「配当の再投資」で10年で年平均12%を目指す戦略で紹介されている銘柄なんですが…

もし…10万円投資したら、毎年10万円返ってくるような、配当利回り100%以上の投資先があったら…あなたはどうしますか?

詳しくはこの動画で話しているので、チャンスを逃さないように必ず見てくださいね…


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