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投資情報 | 多くの投資家が見落としている 「4%の真実」


大富豪たちの成功と集中投資の現実


世界の大富豪たちには、ある共通点があります。

それは、自ら創業した企業の株式に資産の大半を集中させていることです。

ビル・ゲイツが莫大な富を築いたのは、マイクロソフト以外に幅広く分散投資したからではありません。

ジェフ・ベゾスも、アマゾン以外に投資先を広げたことで世界有数の資産家になったわけではないでしょう。

イーロン・マスクについても同様です。

テスラ株の保有が、彼の資産形成を支えてきました。

こうした話は決して珍しいものではありません。

サム・ウォルトンはウォルマートで成功を収め、ウォーレン・バフェットはバークシャー・ハサウェイを通じて巨額の資産を築きました。

ラリー・エリソンもオラクルで同じ道を歩んでいます。

ただし、これらは「生存者バイアス」の典型例でもあります。

華々しい成功を収めた創業者がいる一方で、すべてを失った、あるいは資産の大半を失った起業家は数え切れないほど存在するからです。


なぜ多くの企業は消えていくのか


かつて誰もが知っていた企業を思い浮かべてみてください。

かつて大手証券4社の一角を占めていた「山一證券」、消費者志向の流通革命を起こした「ダイエー」、百貨店業界では戦後最大の大型倒産となった「そごう」…。

彼らの経営破綻は大きな話題となりました。

しかし、世間の関心は時間とともに薄れていきます。

実際には、毎週のように多くの企業が倒産していますが、その大半は報道されません。

知名度がないことも理由の一つですし、そもそも数が多すぎて追い切れないのです。

米国労働統計局によると、企業の21%超が創業から1年以内に姿を消します。

5年以内では約49%、10年以内では66%に達します。

なぜこれほど多くの企業が失敗するのでしょうか。

ある調査によれば、主な原因は以下の通りです。

▼多くの企業が失敗する理由

  • 市場ニーズの欠如(32%)
  • 資金不足(22%)
  • チームマネジメントの失敗(18%)
  • 競合他社に敗れる(14%)
  • 価格設定やコスト管理の問題(14%)

中でも資金不足は特に重要な問題です。

優れた商品やサービスを持ちながら、資金の流入と流出のタイミングを管理できずに倒産する企業は少なくありません。

また、「市場ニーズの欠如」は事業における最も根本的な失敗と言えるでしょう。

顧客がお金を払いたいと思わない商品やサービスを提供してしまうことです。


勝ち続ける企業は想像以上に少ない


仮に優秀なチームを持ち、顧客に支持される商品があり、資金繰りも順調で、競争にも勝っていたとしても安心はできません。

なぜなら、環境は常に変化するからです。

しかも、その変化は急激かつ予測困難な場合が少なくありません。

1912年から1995年までの間、当時最も成功していた企業100社のうち29%が倒産し、48%は完全に姿を消しました。

トップ100に残り続けた企業はわずか19%しかありません。

また、1970年時点のフォーチュン500企業(アメリカ合衆国のフォーチュン誌が年1回編集・発行するリストの1つであり、全米上位500社が売上高に基づきランキングされます)のうち、1983年までに3分の1が買収、倒産、あるいは企業分割によって消滅しています。

最も称賛され、圧倒的な地位を築いた企業であっても、長い時間軸で見れば消えていくほうがむしろ普通なのです。

この事実は、少数銘柄への集中投資に依存する投資家にとって見過ごせないものではないでしょうか。

企業は想像以上のスピードで消えていきます。

しかし投資家にとって本当に重要なのは、倒産率そのものではありません。

問題は、どの企業が将来の勝者になるのかを事前に見極めることが極めて難しい点にあります。


【まとめ】分散投資こそが長期的な資産形成の鍵


この現実を裏付ける興味深い研究があります。

さらに注目すべきは、金融学者ヘンドリック・ベッセムビンダーの研究です。

彼は1926年から2015年までのおよそ26,000銘柄を分析しました。

その結果、全銘柄の約58%が、生涯リターンにおいて米国財務省短期証券(Tビル)を上回れなかったことが判明しています。

言い換えれば、上場企業の過半数は、長期的に見て無リスク資産である国債よりも低い成果しか残せなかったということです。

さらに驚くべきなのは、リターンの偏りです。

1926年以降の米国市場では、わずか上位4%の企業が市場全体のリターンを支えていたのです。

残り96%の銘柄を合計しても、ほぼ国債並みの成果しか残していません。

また、わずか86銘柄だけで、市場全体のリターンの半分にあたる16兆ドルを生み出していました。

株式市場のリターンは、ごく一握りの勝者によって生み出されているのです。

しかし、その勝者を事前に見抜くことは難しい。

だからこそ、そのリターンを確実に受け取る最も合理的な方法は、幅広く分散投資することにあります。

実際、多くの研究が示しているように、個人投資家の大半は市場平均を下回る成績に終わっています。

ここから得られる教訓は明快です。

株式投資は、市場全体に投資する限り極めて優れた資産形成手段となります。

市場が長期的に高いリターンを生み出してきたことは事実です。

ただし、その成果を支えているのはウォルマート、アマゾン、マイクロソフトをはじめとする、ごく少数の圧倒的勝者たちでした。

その数少ない勝者を逃せば、安全資産である国債にすら劣る結果になりかねません。

結論はシンプルです。

集中投資は資産を大きく増やす手段になり得ます。

しかし、その資産を守り続けるための最善策は分散投資なのです。

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Alexander Green(アレクサンダー・グリーン)

Oxford Club チーフ・インベストメント・ストラテジスト。金融・投資関係の4冊のベストセラーの著者で、40年のキャリアがある。米国で金融・投資のニュースレターであるOxfordキャピタル・レターを20年以上執筆しており、ハルバート・ファイナンシャル・ダイジェスト社はこのニュースレターをここ10年以上もの間、最もパフォーマンスの高い投資ニュースレター・ベストテンに選出している。 アレックスの記事一覧 ≫

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