投資情報 | 高配当株のウラの顔

リズム・キャピタル (NYSE: RITM) は、10%という非常に魅力的な利回りを誇る不動産投資信託です。この高配当は、今後投資家にとって懸念材料となるのでしょうか?
それとも、引き続き魅力的な投資先として評価され続けるのでしょうか?
同社の投資対象は、住宅ローン、商業ローン、消費者ローンなど多岐にわたります。
不動産投資信託やその他の貸付機関のキャッシュフローを見極める指標として私たちが主に使用するのが、「純金利収入」です。これは、貸付などで得た利子から、資金調達のために支払った利息を差し引いた金融機関の利益を指します。
利ざやとほぼ同じ考え方ですが、利ざやが貸出金利と調達金利の割合を表している一方、純金利収入は、金融機関が実際に得た利益の額です。これは金融機関の本業における収益力の目安となります。
純金利収入の推移と収益の不安定性
同社の純金利収入を見てみましょう。
純金利収入の推移:
- 2023年:2億5,500万ドル
- 2024年:1億1,500万ドルまで急減少
- 2025年:2億1,200万ドルへ回復
- 2026年(予想):1億6,300万ドル
- 2027年(予想):1億5,100万ドル
このように、純金利収入の推移は安定していません。収益が上下に大きく振れており、変動が激しいと言えるでしょう。
配当の安全性を見るうえで、キャッシュフローが安定または成長していることは非常に重要です。減少傾向が続く企業は、配当維持への不安が高まります。
さらに問題なのは、配当の支払い額が利益を大きく上回っている点です。2025年、リズム・キャピタルは株主に6億4,300万ドルの配当を支払いました。これは純金利収入の約304%に相当します。つまり、稼いだ金額の3倍以上を配当に回している計算になります。
そのうえ、今年は純金利収入が23%減少する見込みです。結果として、配当性向は400%を超えるでしょう。
配当性向400%超が示す深刻なリスク
配当性向は企業が稼いだ利益に対して、どれだけ配当を支払ったかを表したものです。例えば、利益100に対して、配当金が20であれば配当性向は20%になります。
これを見ると、「利益に対してたくさん配当を払っているのだから、配当性向は高い方がいいのでは?」と思われたかもしれません。しかし、通常配当性向が100%を超える状態は長続きしないものです。
400%超は極めて危険な水準だと言えるでしょう。私が望ましいと考える配当性向は、75%以下です。)
リズム・キャピタルは2013年に配当を開始して以来、2018年まで継続的に増配を繰り返し、その後は0.50ドルの水準を維持していました。しかしながら、2020年のパンデミックの影響で配当を90%削減し、0.05ドルまで引き下げました。
その後3四半期はそれぞれ0.05ドルずつの増配。2021年、経営陣は配当を最後に引き上げ、0.25ドルとしました。それ以降は据え置きが続いている状態です。2026年時点で、配当は最高値を記録した2018年のピーク時と比べると、約半分の水準にとどまっています。
【まとめ】高配当株投資で見るべき本当の指標
一般的に、優良大型株の配当利回りは3%前後です。こうした局面で、リズム・キャピタルのような高配当株に遭遇した際には、なぜその企業の配当利回りが高水準なのかを自ら考えてみることが重要です。
リズム・キャピタルは、配当利回り10%を提供する高配当株であることは間違いないでしょう。ただ、これまでお話した通り「高配当だから」といって安易に投資するのは危険な可能性があります。
今後配当株に投資する際は、配当の多さや配当利回りだけでなく、キャッシュフローや配当性向を踏まえて、投資判断について考えてみてください。
マーク
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