私はちょうど、『逆転! 強敵や逆境に勝てる秘密』（著者：マルコム・グラッドウェル）を読み始めたところです。
本書は、負け犬と呼ばれる者が障害を乗り越える方法や、一見有利な立場にいると思える者が、必ずしも一番成功に近いとは限らない、その理由を詳述しています。
予算が少ないと思っている個人投資家の方々には、良い参考になるかもしれません。
本書の冒頭では、聖書に登場するダヴィデとゴリアテの逸話を引用しています。
ダヴィデがいかにして、難攻不落と思われた困難を乗り越え、ゴリアテという巨人を倒したかが、描かれています。
ゴリアテはダヴィデよりはるかに体が大きく、重装備であったにもかかわらず、ダヴィデには敵いませんでした。
なぜでしょうか？
それは、「二人がそれぞれ別の戦い方をしていたから」です。
ゴリアテは武器を持ち、鎧で身を固め、接近戦で負ける様子は決してありませんでした。
しかし、ダヴィデは投石器を持っており、ゴリアテに近づく必要がなかったのです。
つまり、ダヴィデは、身体がずっと小さいにもかかわらず、ゴリアテの剣に近づくことなく、離れた場所から攻撃できるという点で有利だったのです。
これは投資においても同じようなことが言えます。
一般投資家は機関投資家に比べて、非常に不利であるように見えます。
機関投資家たちは、はるかに潤沢な資金、豊富な知識、そして優れたツールを多く備えていますからね。
証券口座にわずか数千ドルしか入っていない一般投資家（ダヴィデ）が、ブルームバーグ端末のスクリーンを机に４つ並べ、アナリストと1対1で電話による情報交換を行い、小さな国を買えるほどの資金力を持ったプロ（ゴリアテ）に勝てる見込みはないように思えます。
しかし、本当にそうでしょうか？
幸運にも、一般投資家にはダヴィデの投石器に相当する武器があります。
それが「永続的な増配銘柄」です。
永続的な増配銘柄とは、毎年増配を行う銘柄のことです。
永続的な増配銘柄は、保有する期間が長くなればなるほど、手に入るお金が年々増えていきます。
時が経つにつれ、株数が増えて支払われる配当金も増えてくるため、高いパフォーマンスを期待する必要はなくなっていきますが、毎年増配を続ける企業は基本的に業績やキャッシュフローを伸ばしており、かなりパフォーマンスが良いことが一般的です。
プルデンシャル・ファイナンシャル (NYSE: PRU) の例を見てみましょう。
同社は13年連続で増配しています。
現在の年配当利回りは5%程度ですが、
10年前に同銘柄を購入した場合、7.5%の年利回りとなっています。
これは、S&P500種株価指数の年間リターンとほぼ同水準です。
つまり、座って配当を受け取っているだけで、市場のパフォーマンスと同じだけの利益を手にすることができるのです。
さらに株価が値上がりすると、そういった優良銘柄は本領を発揮します。
S&P500配当貴族種指数 、すなわちS&P500種株価指数に含まれる企業のうち、25年連続増配企業は、S&P指数のパフォーマンスを圧倒しています。
過去20年のS&P500 配当貴族指数10年保有平均リターンは183%、
それに対し、S&P500種株価指数は109%となっています。
10年間でS&P種株価指数に投資した場合、資金を2倍に増やすことができている一方で、配当貴族に投資した場合は、3倍近くになっているのです。
個人投資家であれば、こういった永続的な増配銘柄に投資するだけで、簡単にスーパースターになることができます。
機関投資家は、積極的に株取引を行い、常にプラスαの投資収益率を追い求めています。
それが、彼ら個人の業績評価、そしてボーナスの査定基準になるからです。
彼らには、配当銘柄を長期保有する能力はありません。
長期保有では手数料収入を稼げませんし、大胆な取引で上司を唸らせることも出来ないからです。
プロの投資家（ゴリアテ）たちは皆、武器や防具を持ってしても、戦い方の全く異なる一般投資家（ダヴィデ）には勝てません。
たとえ、一般投資家であっても、上質で永続的な増配銘柄を保有することで、長期的にはウォール街の上を行くことができるのです。
よい投資を。
マーク
いかがでしたか？
少しでもこのアメリカの強い株が「いいな」と思ったら1株からでもいいので買ってみてください。（アメリカの株は日本と違って1株から買うことができます。）
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