米国配当株投資

本当に今の金利は「天文学的」なのか?

 

「『天文学的な』金利を引き下げるべきだ」

先月末、エリザベス・ウォーレン上院議員はFRBのパウエル議長に対し、こう要請しました。

米国では金利の引き上げがようやく落ち着いたところで、
「今の金利は高水準にある」
という認識が広まっています。

しかし、それは果たして「天文学的な」水準なのでしょうか?

次のグラフは過去70年間における、米国の政策金利である、FF(フェデラル・ファンド)金利の推移を表したものです。

 

これをみてみると、過去の平均は 5.42% であることがわかります。

そして、現在の金利は5.25%から5.50%で推移。

つまり歴史的に「天文学的な」水準ではないと言えます。

とはいえ、直近で見れば高い水準であるのは事実です。

そして、一般に「金利の上昇」の次には「景気後退が訪れる」と言われています。

ではその兆候はあるのでしょうか?

 

12月の求人数は900万件で、11月の880万件から増加しました。
新型コロナウイルスの大流行以前には、1か月に 800 万件もの雇用が増加することはなかったにも関わらずです。

さらに、1月に就業者数は35万3,000人増加。
これは大きな数字で、12月での33万3,000件増から加速しています。

賃金も昨年比4.5%上昇し、2023 年第 4 四半期におけるS&P500種株価指数を構成する企業の利益は 4.4%増加すると予想。

さらに、第4四半期のGDPは年率3.3%増加と好調でした。

したがって、景気後退の瀬戸際に陥っているわけではないと考えられます。

確かに、金利は変動する可能性があります。

上のグラフから分かるように、FRBは大きな利上げの後にはすぐに利下げに転じがちです。

さらに現在、中国は差し迫った金融危機に直面しています。

世界最大手の中国の不動産開発会社カントリー・ガーデン・ホールディングスは、約30兆円の負債に対処するために海外資産の売却を進めている状況です。

他にも、中国の不動産開発大手「中国恒大集団」はおよそ50兆円の負債を抱えており、その支払いのために資産を清算するよう裁判所から命じられました。

さらに中国の消費者物価は1月も下落。これは2009年9月以来の下落幅です。

そんな中国の苦境が米国に波及すれば、経済にブレーキがかかり、実際に金利が引き下げられる可能性があるのです。
 

このような状況で、投資先として注目が集まるものの1つが債券です。

債券とは、株式と同様に国や企業などが投資家から資金を借り入れるために発行する有価証券のことです。

そして株式と同様に市場で売買されるため、その価格に応じた値上がり益や利子を受けることができます。

株式との違いは、債券には満期があること。

発行元が倒産しない限りは、満期時には額面通りの金額を受け取れます。

そのため、今後経済が引き続き好調で金利が安定すれば、債券保有者はここ数年よりも高い利回りを受け続けられます。

そして、ウォーレン上院議員の望むように金利が低下すれば、債券価格は金利と逆の方向に動くため、債券価格は上昇し、債券保有者に大きなリターンをもたらすでしょう。

これが債券に注目が集まる理由です。

今日は例外的に普段お話ししない「株式」以外の投資対象にも触れながら現在の金利について分析しました。

あなたの投資の参考になれば幸いです。
 

~編集部コメント~

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Marc Lichtenfeld(マーク・リクテンフェルド)

Oxford Club チーフ・インカム・ストラテジスト。ウォール・ストリートを含め25年の経験のある配当投資の専門家。「Get Rich with Dividends(邦題:日本人の知らない秘密の収入源 年100回配当投資術)」著者。2013年に配当投資の専門誌Oxfordインカム・レターを創刊し、世界中に読者を持ち有料購読者は8万人を超える。FOX、CNBC、Forbesなどの有名メディアはもちろん、BloombergやBarrons、The Wall Street Journalといった権威ある金融専門メディアにも多数出演。 マークの記事一覧 ≫

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