米国配当株投資

【利回り6%】 この高配当企業に投資しますか?

 

今日は米国の読者から銘柄分析のリクエストがありましたので、
それをお届けします。

その企業とはマジック・ソフトウェア・エンタープライゼズ (Nasdaq: MGIC) 。

イスラエルに本社を置くソフトウェア企業です。

注目すべきは、その年配当利回りです。

ほとんどのハイテク企業は配当を支払っておらず、
支払っていたとしても、年配当利回り3%を超える企業はほとんどありません。

例えば、アップル (Nasdaq: AAPL)は配当を出していますが、その年配当利回りは1%未満です。

一方で、マジック・ソフトウェアの直近半期配当は 1 株当たり 32.7 セント。

直近1年間の配当は62.7セントで、年配当利回りは 6.3% (株価10ドル付近)になります。

(同社は年に2回、配当を支払っています。)

この数値だけを見れば魅力的な配当投資先に映ります。

 

ここで問題になるのが、この配当が今後も維持されるのかどうか?です。

同社はまだ直近の第四半期の結果を発表していませんが、
過去 4 四半期で生み出したフリー・キャッシュフローはおよそ8,000万ドル。

そして、その期間に支払った配当金の総額はおよそ 3,080 万ドルでした。

配当性向、つまりフリー・キャッシュフローのうちどれくらい配当として支払ったのかどうかを算出すると39%です。

我々は、配当性向として望ましいのは75%以下と考えていますが、同社の配当性向は低すぎると言えるでしょう。

つまり、同社はフリー・キャッシュフロー1ドル当たりわずか39セントしか配当を支払っていないので、配当の支払いにはまだまだ余裕があると言えます。

同銘柄は時価総額が5億ドル程度の小型株です。

その結果、この株の分析をしているセルサイドのアナリスト*は 2 名のみであり、2024 年のフリー・キャッシュフローの見積もりは公表されていません。

*証券会社など顧客に株を売る組織に所属するアナリストで、顧客に対するサービスのために銘柄分析などを行なう。

そのため、独自の推測を行う必要があります。

 
今年の純利益は横ばいですが、売上高は10%減少すると予想されています。

そして、経営陣はこれまでのところ、今年の見通しを何も発表していないため、フリー・キャッシュフローも横ばいと仮定して良いでしょう。

一方、同社は近年、数回、1株当たり半期配当を減配しています。

例えば、2022年には23.4セントを 21.6セントに減配。

2020年には15.6セントをほぼ半分の8セントに減配しています。

そして、過去10年間に2014年、2015年、2016年には2回、2019年と合わせて7回の半期配当を減配しました。

 
したがって、全体的には増配傾向にありますが、この減配の記録と非常に低い配当性向を考えると、配当を払う余裕があるにも関わらず、定期的に減配する可能性があるということです。

そのため、安定した配当収入に繋がる銘柄なのかというと疑問符が付きます。

もちろん、投資をする際にあなたが納得して選んだのであればそれも答えの1つでしょう。

しかし、このように高配当銘柄であっても
100%おすすめできる投資先であるとは限らないのです。

今回の分析が、あなたの投資の参考になれば幸いです。

 
 

~編集部コメント~

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Marc Lichtenfeld(マーク・リクテンフェルド)

Oxford Club チーフ・インカム・ストラテジスト。ウォール・ストリートを含め25年の経験のある配当投資の専門家。「Get Rich with Dividends(邦題:日本人の知らない秘密の収入源 年100回配当投資術)」著者。2013年に配当投資の専門誌Oxfordインカム・レターを創刊し、世界中に読者を持ち有料購読者は8万人を超える。FOX、CNBC、Forbesなどの有名メディアはもちろん、BloombergやBarrons、The Wall Street Journalといった権威ある金融専門メディアにも多数出演。 マークの記事一覧 ≫

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