米国配当株投資

ボーイング配当削減は2020年中に起こるか?配当の安全性をチェック

所要時間: 4分.

この記事のポイント

  1. 配当金は過去8年間で増加中

  2. 悪いニュースが重なる中、1月の決算報告で経営陣は「2020年には配当を削減しない」と発言

  3. 配当の安全性評価は「D」


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ボーイング社(NYSE:BA)は、2018年、2019年と衝撃的なニュースをもたらしました。

2018年10月、ライオン610便はインドネシアで墜落事故を起こし、2019年3月、エチオピア航空302便も離陸後数分で墜落事故を起こしました。

これらの悲劇により、346人が命を失いました。衝突防止の理由として、失速防止および飛行制御ソフトウェアの誤動作が挙げられ、適切なパイロット訓練の必要性が問われました。

そして、この737 Maxの墜落事故は、私たち投資家の視点からすると、同社に莫大な支出が発生する出来事です。同時に、これは配当株投資を好む私たちにとって、同社の一貫した配当の歴史に、大きな穴をあけるリスクを考えなければいけない大きな事件でした。



墜落事故はあったが、配当は…?


ただし、そのような私たちの心配は取り越し苦労なのではないかと思うような状況でもあります。同社は現在、四半期配当当たり2.055ドルを支払い、2.58%の利回りです。配当金は過去8年間で増加しており、過去5年間で23%増加しています。とても不思議な状態に見えますが、この状況はこのまま続くのでしょうか?

グラフ:ボーイングの配当は停止していない

ボーイング社は、2019年3月に737 Maxの提供を停止し、収益が24%急減しました。これにより、1997年以降、同社にとって初めて年間損失額が発生しました。さらに、ボーイングは、事故にあった乗客たちに26億ドルを支払う為、より多くの損失が見込まれます。737 Maxの生産は12月に停止され、2020年の6月または7月に再開される予定です。ただし、この予定は何度も延期されています。

しかも、737 Maxの運用のみを再開するだけで、2020年にはさらに40億ドルのコストが増加すると予想されます。ソフトウェアの問題に加えて、飛行機を再認証する前にパイロットをシミュレータで再訓練する必要があり、ヨーロッパの規制当局は短絡を避けるために配線に変更を加える必要があると噂されています。

ボーイングは、787ドリームライナーの生産中断と、NASAによる屈辱的なスターライナースペースカプセルの故障にも対処しています。このすべてが12月頭に発生しました。そのとき、ボーイングはCEOのデニス・ミューレンバーグを解雇し、役員をデイブ・カルホーンに置き換えました。

そして、そのカルホーンは、1月の決算報告で「2020年には配当を削減しない」と述べました。ただし、ビジネスを取り巻く不確実性が非常に大きい現実を考えると、この発表に対する信頼を得るのは困難でしょう。



配当の安全性は?


ボーイング社の配当性向は2019年に108.2%でした。それが、2020年には205.8%に成長すると予想されています。昨年のフリーキャッシュフローは2008年以来初めてマイナスでしたが、2020年には9億2970万ドル、2021年には136億6000万ドルの純黒字になると予想されます。2020年の第2四半期は、ボーイングの黒字化が始まると予想されています。

1月、ボーイング社は短期的な現金問題を補強するために、銀行から120億ドルを調達しました。これにより、配当の支払いの安全性は、やや高まるかもしれません。

ただし、現実的には、人々は737 Maxの問題を認識し、その飛行に懐疑的です。それを考えると、航空会社は、その飛行機を購入しないようにする可能性があるでしょう。もし、この動向が顕著になった場合、同社は巧妙なリブランディングを強行することや世間の懐疑心が収まることを願うしかなくなるでしょう。

ちなみに、私たちが使用しているシステムの判断では、やはり現状のフリー・キャッシュ・フローと高配当率の問題の影響で、低評価を受けています。もし、アナリストの予想を信じるとすれば、この低評価は2020念の間に覆るでしょう。

結局のところ、やはりボーイング社は経済的巨人であり、優れた生産能力に強い存在です。このような世界的に有名なビジネスが配当削減に苦しむのは考え難い…とも思われます。

配当に関しては、737 Maxの生産を再び稼働させ、アイドル状態のMax飛行機を航空会社に提供し、規制当局で再認証することが大きく影響します。これらが上手くいけば、配当の継続性は期待できますが、もし上手くいかなければ、配当の削減も考えられるでしょう。ですので、私は、ボーイング社の配当の安全性を、下から2番目の「D」と評価します。

配当の安全性評価:D

ぜひ、こちらの情報を参考にして、ボーイング社の動向に注目してみてください。

良い投資を!

アンドリュー・ハバース


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