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投資情報 | あと3年で 銀が足りなくなる?


世界一の富豪が次に狙う資源


多くの人は、

「イーロン・マスク氏なら何をやっても成功する」

と考えています。

実際、彼はデジタル決済の持つ可能性をいち早く見抜きました。

しかも、

  • テスラ (Nasdaq: TSLA)による電気自動車(EV)
  • スペースX (Nasdaq: SPCX) による宇宙開発
  • スターリンクによる衛星通信

といった分野でも、
大きな成功を収めたのです。

そして現在では、
世界一の大富豪となっています。

出所:日本経済新聞

 

そして実は、
同氏が次に大きな革命を起こす場所は、
宇宙や火星ではなく、私たちの足元に眠る資源かもしれません。

それは、「銀」です。


金と銀の大きな値動き


ここ1年、貴金属市場は大きく盛り上がりました。

金の価格は1年でおよそ25%上昇し、
今年の初めには1オンス当たり※5,500ドル(約82万5,000円)を超える過去最高値を記録しました。

※貴金属の取引で使われる重さの単位で、1オンス=約31.1グラム
※1ドル=150円で計算
出所:TradingView

 

一方、金に比べて見落とされがちな銀は、 過去1年間で80%以上も値上がりしたのです。

そして、今年の1月末には1オンス当たり121.30ドル(約1万8,200円)という史上最高値を記録。

※1ドル=150円で計算
出所:TradingView

 

しかしその後、銀の価格は急落し、
この1か月だけで14%以上も下落したのです。

出所:TradingView

 

一方で、
長期的には強気だという見方もあります。

その理由の一つが、銀の供給不足です。

さらに、
「今の銀価格は、金と比べて割安だ」
と考える投資家も少なくありません。

実際に、大手ヘッジファンドのシタデルは、
銀のETF※であるiシェアーズ・シルバー・トラスト (NYSE: SLV)
新たに保有したと報じられています。

※複数の株式や資産をまとめて保有し、株式と同じように市場で売買できる金融商品

 

次に、投資家が注目する指標の一つである、
「金銀比価(ゴールド・シルバー・レシオ)」について説明します。

これは、金1オンスで銀を何オンス買えるかを示す数字です。

過去100年間の平均は、
およそ「40対1」でした。

つまり、金1オンスで銀40オンスが買えたということです。

しかし、現在はおよそ「63対1」です。

銀市場では、

この比率が50を超えている間、銀は割安な価格である

という見方がよく語られます。

プロの投資家が銀に注目しているのも、
短期的な値動きではなく、 このような長期的な視点で評価しているからだと考えられます。

そして、より重要なのはシタデルが、

この先数年間の市場は、
これまでの数十年とは大きく変わる可能性がある

と考えている点です。


カウントダウン


ここで一度、銀の市場を見てみましょう。

現在世界では、
使われる銀の量が、生産される銀の量を上回っています。

年間で必要とされる銀は、
およそ12億オンス。

それに対して、
供給できる銀はおよそ10億オンスです。

つまり毎年、
およそ2億オンス分の銀が不足しているということ。

さらに注目すべきなのが「残りの銀の量」です。

これまでに採掘され、
地上で保管されている銀は、
現在、およそ6億オンスまで減っているとされています。

仮に、
毎年2億オンスの不足がこのまま続けば、
あと3年で、銀の在庫を使い切ることになるのです。

もちろん、
実際には新しい鉱山が開発されたり、
銀の使用量が減ったりする可能性もあります。

ただし問題は、

に銀が足りていないのに、
これからさらに需要が増える可能性がある

ということです。

 


【まとめ】銀を奪い合う「AI」と「宇宙」


現在、AI、EV、再生可能エネルギーといった市場が急速に拡大。

こうした市場が大きくなるほど、たくさんの金属が必要になります。

  • 工場の建設
  • データセンターの拡張
  • 送電網や発電設備の整備

などが進むほど、
金属の消費量は増えていきます。

その中でも、特に重要なのが銀なのです。

普段はあまり注目されませんが、
現代のデジタル社会を支える重要な材料の一つなのです。

例えば、

  • 画像処理半導体(GPU)
  • AI専用プロセッサ(TPU)
  • シリコンウェハー(半導体の基板)

など、AI関連のさまざまな部品や、その工場で銀が使われています。

なぜなら銀は、非常に電気を通しやすい金属だからです。

そのため、高性能な半導体や電子機器をつくるうえで、重要な材料となっています。

つまり銀は、ただの貴金属ではありません。

AI時代のインフラを支える、きわめて重要な金属なのです。

  • アルファベット (Nasdaq: GOOGL)
  • マイクロソフト (Nasdaq: MSFT)
  • メタ・プラットフォームズ (Nasdaq: META)
  • アマゾン・ドット・コム (Nasdaq: AMZN)

は、2026年だけで約7,250億ドルを
AIインフラに投資する計画だとされています。

出所:Yahoo!finance

 

さらに米国では、
今年の3月までに6.4ギガワット分の
新たなクリーンエネルギー※設備が追加されました。

※太陽光や風力など、発電時に二酸化炭素の排出が少ないエネルギー

 

その背景にあるのが、データセンターで使われる電力の急増です。

現在、米国のクリーンエネルギー発電能力は
370ギガワットを超えています。

これは、およそ8,000万世帯分の電力をまかなえる規模です。

そして、データセンターが置かれる場所は、
地上だけではなくなるかもしれません。

スペースXは将来、
宇宙空間にデータセンターを作ろうとしています。

それが、「太陽光で動く宇宙データセンター」です。

今の計画では、
AIを動かすコンピューターを載せた衛星を、
宇宙へ打ち上げるとされています。

そして将来は、
太陽の光が長く当たる場所に、
多くの衛星を並べ、巨大なAIインフラをつくろうとしているのです。

もし実現すれば、

  • 太陽光発電パネルを大量につくる
  • たくさんの人工衛星を打ち上げる
  • AIデータセンターを宇宙に設置する

といったことが必要になります。

その結果、太陽光パネルや電子機器に使われる銀の需要も、さらに増える可能性があります。

一方で、銀は簡単に生産量を増やせる金属ではありません。

銀は、過去5年間にわたって供給不足が続いています。

さらに、銀の約70%〜80%は、銅や鉛、亜鉛などを採掘するときに、副産物として生産されています。

つまり、銀の価格が上がったとしても、銀だけを目的にして、すぐに生産量を増やすのは難しいのです。

既に地上で使われる分だけでも、銀は足りていません。

そこへ宇宙データセンターのような新しい需要まで加われば、銀不足はさらに深刻なものになるかもしれないのです。

だからこそ、一部の投資家は、今の銀価格の下落を、一時的なものだと見ています。

「今回の下落は、大きな上昇が始まるサインなのではないか」

そう考えているのです。

 

マシュー

〜編集部〜

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Matthew Carr(マシュー・カー)

Oxford クラブ・ジャパンのチーフ・インベストメント・ストラテジスト。金融業界で20年のキャリアを持つ。 企業の中ではある一定のサイクルで株価が上下する銘柄があると言われており、マシューの専門はそのサイクルを見つけ出すこと。 彼の専門領域は石油・ガスといった伝統的な産業から、AI、5Gといった最先端テクノロジーなど多岐にわたる。 マシューの記事一覧 ≫

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