トレンド投資

投資で「何もしない」は正解か?

あなたは1日でどれくらい「画面」を見ていますか?

私たちの生活にはあらゆる「画面」が溢れています。
例えば、テレビ、スマートフォン、パソコンなどです。

現代を生きる私たちはこれらの「画面」に夢中になっていますが、
それによって得られるものは限られていると思います。

もちろん、これらの「画面」がある電子機器は、
私たちの生活を便利にすることを目的として作られています。

実際、スマートフォンがあれば、いつでも、どこでもニュースを確認できますし、
数秒で銘柄の取引ができますが…

今ではその「いつでも」「どこでも」が
私たちを疲弊させています。

例えば、私たちは、
株式市場の相場が上昇から下落に転じ、
また元に戻る様子をどこにいても見ることができます。

それは私たちの感情を刺激し、
不安を煽り、疲弊させるのです。

そして、そのように疲弊し、感情が不安定な状態は、
正常な判断を妨げます。

つまり、投資の結果にも影響を与えるかもしれないということです。

私の同僚のレベッカは、このように考えた結果、
3ヶ月間、市場のチェックをやめ、
株の売買をやめたことがありました。

そして3ヶ月後、市場に戻ってきた時、
自分のポートフォリオ、つまり持ち株を見てみると…
リターンが出ていたそうです。

 

人が道具に動かされている?


2019年、データトラッキング企業のZenithは、
米国の成人が1日に約3.5時間をインターネットを見て過ごしているという
調査結果を発表しました。

さらには、携帯電話を1日に平均58回チェックしているという調査結果が出ています。

また、人々は、スマートフォンやパソコンなどといった機器を、
1日平均7~8時間使っているという報告もあります。

これはフルタイムの仕事をしている時間と等しいでしょう。
もちろん、仕事上画面を見続けないといけないという人も多いとは思います。

しかし、プライベートでも、自分の考えている以上に
画面を見続けていることはありませんか?

時間を確認しようとスマートフォンを見てみると、通知が来ていて…
それを確認するためにアプリを開くと、気になる広告があり…
そして、ついでにAmazonで何かを買い、最後に市場の動きも確認する…

私たちは、生活を便利にするための道具に動かされているのです。

そして、投資家たちもその影響を受けています。

どういうことかというと、1日に取引する銘柄数が増えたのです。

 

米国の金融サービス会社 TD アメリトレード社によると、
2005年の取引銘柄数の平均は11件でしたが、
2015年では17.4件に増加しました。

現在もその増加傾向は続いていることでしょう。

しかし、それはポートフォリオの「過剰な管理」に繋がりかねません。

例えばあなたが、アクティブなデイトレーダーでないのなら、
1日中、経済ニュースを追い、市場動向をチェックし、
株の売買をしてポートフォリオを管理する必要はありません。

そのように「管理」に夢中になっていると、
軽率な判断をしてしまったり、感情的に意思決定をしたり、
パニック売りをしてしまったりすることに繋がる可能性があります。

実際、必要以上の頻度で売買することは、
投資パフォーマンスを低下させると言われています。

なぜなら、短期的に市場がどう動こうと、
最終的には1つの方向にしか動かないからです。

つまり、株価が下がる日、下がる週、下がる月、下がる年があったとしても、
最後には「上がる」のです。

ですので、あなたが長期的な視点で投資をしているとして…

仮に市場が乱高下している時、
取るべき最善の行動の1つは、「何もしない」ことなのです。

もちろん、市場が低迷している時は、
安値の株を買い増すチャンスでもあります。

また、株を買った時に
「この価格まで下がったら損切りをする」
と決めていたのであれば、
それに応じて手放すことを検討してもいいかもしれません。

しかし、市場の変動に惑わされて、慌てて株を手放すべきではないと思います。

資産形成のための投資は、あなたを疲弊させるものではありません。
あなたを「疲弊させるもの」から解放するためのものです。

もし、この本来の目的を忘れそうになったら、
一旦インターネットから離れてみるといいかもしれません。

株価の上昇や下落は、休みから戻ってきたときに確認すればいいのです。

マシュー

 

~編集部コメント~

適度に市場から離れるのは、
個人投資家にとっては大切なことかもしれません。

しかし、あなたは、
「見ないようにしても、株価の上下は気になってしまう…」
と思われるかもしれません。

そんなあなたに、
おすすめの投資方法があります。

それは株を持っているだけで
もらえる配当金に重点を置いた、
配当投資。

この戦略では、
基本的には株を頻繁に売買する必要がなく、
「一度買ったらほったらかし」でいいんです。

そんな配当投資で、
「疲れすぎない」投資を始めてみませんか?

→配当投資とは?

Matthew Carr(マシュー・カー)

Oxford クラブ・ジャパンのチーフ・インベストメント・ストラテジスト。金融業界で20年のキャリアを持つ。 企業の中ではある一定のサイクルで株価が上下する銘柄があると言われており、マシューの専門はそのサイクルを見つけ出すこと。 彼の専門領域は石油・ガスといった伝統的な産業から、AI、5Gといった最先端テクノロジーなど多岐にわたる。 マシューの記事一覧 ≫

関連する記事

Back to top button