トレンド投資

私のNo.1“サマー株”

5月がやってきましたね。

この月は私が一年で最も好きなトレンドの一つが始まる時期です。

10年以上前、私は投資家のみなさんに米国の「ビール飲みシーズン」を紹介し、話題になったことがありました。

当初は鼻で笑われることもあったのですが…

このトレンドを紹介し獲得した投資利益はすぐに疑念を抱く人々を打ち負かすことになったのです。

考えてみてほしいのですが、5月になり気温が高くなってくると、外で友人と一緒に楽しむのに、冷えたビールほど合うものはないのではないでしょうか?

そして5月に入ると、暖かい気候と祝日やスポーツイベントも重なり、大きな需要が生まれるのです。

メモリアル・デー(戦没者追悼記念日)は、米国の祝日で、国のために戦死した軍人を追悼する日です。

これは5月の最終月曜日に祝われ、米国人はこの日は学校や仕事が休みになります。

そして、その意味とは裏腹に、悲しむべき行事とはほど遠いのです。

実際、メモリアルデーは伝統的に夏の始まりを告げるもので、夏の大作映画が映画館で公開され始めるタイミングでもあります。

また、バーベキューをする人たちが増えたり、MLBシーズンの盛り上がる時期です。

 

このようなたくさんのイベントがある中、多くのビールが消費されることになります。

そして、ビール需要が本格的に増え始めるのが、メモリアルデーの週末なのです。

そのため、この連休は家でビールを飲むのに最も適した日として第2位にランクインされています。
 

 
米国人がメモリアルデーの週末以上にビールを飲むのは、7月4日の独立記念日を祝うときだけなのです。

そして、先ほどの図を見ると5月から年末にかけて、ビールを飲む祝日のトップ10のうち7つが開催されていることが分かります。

シンコ・デ・マヨ(第7位)とメモリアル・デー(第2位)は5月。

独立記念日(第1位)は7月。

労働者の日(第3位)は9月。

ハロウィン(第8位)は10月。

5位の感謝祭は11月

クリスマス(第4位)は12月。

そして、6月の父の日のもこの期間に含まれているのです。

ビールメーカーにとっては、1年で最も重要な8か月間と言えるでしょう。

ただ、全てのビールメーカーが同じようになるとは限らないことを知っておいてほしいと思っています。

あるビールメーカーを事例に出し、その理由をお伝えしましょう。

 

例えば、世界最大のビールメーカーはアンハイザー・ブッシュ・インベブ (NYSE: BUD) 。

同社は、Beck’s、Budweiser、Bud Light、Cass、Hoegaarden、Leffe、Michelob、Skol、Stella Artois、Victoriaなど500のビールブランドを生産しています。

2024年の売上高は62.5億ドルと予測され、世界中で154,000人以上の従業員を雇用する大企業です。

このような大きな会社ですが、北米はインベブの最大市場ではありません。

インベブの最大の市場は、南米、中米(メキシコ、コロンビア、エクアドル、ペルー)、そしてアジア太平洋(中国、韓国、日本)なのです。

カナダとアメリカを含む北米は4位。

インベブは米国市場をターゲットにしているわけではありません。

同社は特に南米、メキシコ、そして中国など、世界的な需要を狙っているのです。

そして、モルソン・クアーズ・ビバレッジ・カンパニー (NYSE: TAP) はどうでしょうか?

同社はハイネケン、アサヒ、キリンといった企業に次ぐ、世界第5位のビールメーカーです。

同社のブランドには、ブルームーン、クアーズ、クアーズ・ライト、ミラー・ジェニュイン・ドラフト、モルソンズなどがあります。

この企業も今年の売上高は118億4,000万ドル従業員数は1万6,500人と、大きな企業です。

同社も北米ではなく、アジアとヨーロッパといった地域から多額の収益を得ています。

この2社とは対照的なのが、ボストン・ビール (NYSE: SAM) です。

同社がサミュエル・アダムス・ビールのほか、アングリー・オーチャード・ハード・サイダー、トゥルーリー・ハード・セルツァー、ツイステッド・ティー・ハード・ティーのメーカー。

同社の収益のほとんどは米国市場が得ています。

そのため、米国内でビールの消費増えれば、同社の収益の伸びる可能性が高いのです。
ボストン・ビールは特定のトレンド、特に米国の消費者の飲酒習慣に左右されるビールシーズンのようなトレンドに照準を合わせるタイプの企業。

だからこそ、5月になるたびにボストン・ビールは私にとって夏のNo.1株となるのです。

米国人は毎年69億ガロン(約261億リットル)のビールを消費します。

このチャンスに成功するためには、インベブやモルソン・クアーズといった最大手のビール会社をターゲットにする必要はないし、必ずしもそうしたいわけでもありません。

私たちがターゲットにしたいのは、そのトレンドに最も影響を受けやすい企業なのです。

そして、その一つがボストン・ビールのような企業です。

トレンドを味方にして、投資チャンスを狙っていきましょう。
 
マシュー・カー
 

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Matthew Carr(マシュー・カー)

Oxford クラブ・ジャパンのチーフ・インベストメント・ストラテジスト。金融業界で20年のキャリアを持つ。 企業の中ではある一定のサイクルで株価が上下する銘柄があると言われており、マシューの専門はそのサイクルを見つけ出すこと。 彼の専門領域は石油・ガスといった伝統的な産業から、AI、5Gといった最先端テクノロジーなど多岐にわたる。 マシューの記事一覧 ≫

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