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トレンド投資 | なぜテスラ株を買わない方がいいのか?


割高なバリュエーションへの強い懐疑


ここ数年、Tesla(Nasdaq: TSLA)の株価は、私にはまったく理解できないものでした。

私は2021年1月に「なぜ私はテスラに弱気なのか」というコラムを書きました。

そこで会社そのものについて否定的なことは一切言っていません。

むしろその逆です。

イーロン・マスクは非常に頭の良い人物です。(彼が世界一の富豪である大きな理由の一つでもあります。)

テスラは優れた企業であり、素晴らしい製品を作っています。

しかし私は当時こう言いましたし、今も繰り返しますが「この株には絶対に手を出しません。」

もちろん10年以上前のテスラであれば投資対象として優良だったと言えますし、私もテスラを評価する記事を書いたことがあります。

ただ、利益の350倍以上というバリュエーションはかなり割高と言えます。

もしあなたが企業を買収しようとする経営者だとしたら、その企業にいくら払いますか?

もちろん、それは企業が成長していて利益を出しているかどうかによります。

もし会社の状況が良く、利益が年10%程度で順調に成長しているなら、過去12カ月の利益の10倍から12倍程度を支払うかもしれません。

もし成長がさらに速い、あるいは今後そうなる可能性が高いと考えるなら、20倍、あるいは30倍を払うこともあるでしょう。

しかし、直近の四半期で売上が3%減少し、利益が61%も急落していたとしたらどうでしょうか。

おそらく、利益の350倍も払おうとは思わないはずです。

それにもかかわらず、テスラは現在その水準で取引されています。

しかも、これが実際の直近の業績なのです。


成長期待と現実のギャップ


テスラ強気派は「過去ではなく未来を見ろ」と言います。

では、その未来を見てみましょう。

この株をカバーしている34人のアナリストのコンセンサスでは、1株当たり利益は今年2.08ドル、2027年には2.81ドルに増加すると予想されています。

これは約40%の成長です。

しかしそれでも、テスラの株価は今年予想利益の180倍、来年予想利益の135倍という水準で取引されています。

さらに重要なのは、その予想利益が下振れする可能性があるということです。

場合によっては大きく下振れするかもしれません。

テスラは直近4四半期のうち3回、ウォール街の予想を下回る利益を報告しています。
(昨年第1四半期には、予想を35%も下回る結果を発表しました。)

テスラがS&P500の平均的な企業より速く成長する可能性が高いという点については、私は認めます。

しかし、S&P500の平均PERは約26倍であり、これは歴史的に見ても割高な水準です。

それでもテスラはその13倍の価値があるのでしょうか?

私は懐疑的です。

長年のテスラ強気派は「そんな話は何度も聞いた」と言うでしょう。

懐疑派は株価が異常な水準にあると主張しますが、その後も株価は上がる。

確かにそういうこともあります。

しかし、それは時間軸によります。


【まとめ】「価格」と「価値」の本質的な違い


テスラの株価は現在、2021年11月とほぼ同じ水準です。

4年半でリターンがゼロというのは、決して優れた投資成果とは言えません。

また、株価は昨年12月のピークから約25%下落していますが、それでも過去利益の350倍、将来利益の180倍という水準で割安だとはとても考えられません。

▼これは割安といえるか?

  • 株価は昨年12月のピークから約25%下落
  • 過去利益の350倍
  • 将来利益の180倍

ロボタクシー、テラファブ、オプティマス・ロボットなど、将来の収益源についていくらでも語ることはできます。

しかし、賢い投資家はストーリーだけでなく「数字」に基づいて投資します。

企業の株式を買うということは、資産やキャッシュフロー、経営陣の能力を買うだけでなく、その企業に対する「評価(バリュエーション)」にもお金を払うということです。

もしその評価が不当に低ければ、おそらく利益を得られるでしょう。

しかし不当に高ければ最良の場合でも、利益を得るまでに長い時間がかかります。

あるいは、損失を被ることになるかもしれません。

2021年時点でのテスラに対する私の弱気な見方は、早すぎたように見えるかもしれません。

しかし実際には、その後2年以内に株価は3分の1以下に下落しました。

当時私はこう述べています。

「テスラは正当化できず持続不可能なバリュエーションにあり、いずれ急落するだろう。ただし、それが将来回復しないという意味ではない。」

そして実際に起きたのは、大きな下落の後の力強い反発でした。

もう一度強調しますが、私は経営者・起業家としてのイーロン・マスクを非常に尊敬しています。

そして、テスラが本当に利益の350倍の価値を持つ可能性もあるのかもしれません。

何百万もの株主がそう考えているのですから。

中には何年も保有し続ける強い信念を持った投資家もいます。

しかし、私が資産運用業界で学んだのは、10年単位で忍耐強く持ち続けられる投資家はごくわずかだということです。

このような異常に高いバリュエーションは警告サインです。

最終的には、株主は「価格」と「価値」の違いを理解することになります。

価格とはあなたが支払うもの。

しかし価値とは、あなたが得るものなのです。

P.S.

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Alexander Green(アレクサンダー・グリーン)

Oxford Club チーフ・インベストメント・ストラテジスト。金融・投資関係の4冊のベストセラーの著者で、40年のキャリアがある。米国で金融・投資のニュースレターであるOxfordキャピタル・レターを20年以上執筆しており、ハルバート・ファイナンシャル・ダイジェスト社はこのニュースレターをここ10年以上もの間、最もパフォーマンスの高い投資ニュースレター・ベストテンに選出している。 アレックスの記事一覧 ≫

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