私のスタッフはよく読者からの手紙を送ってくれますが、その中には同じような質問が書かれています。「あなたは素晴らしい投資のアイデアを教えてくれますが、一つ質問があります。投資するための資金はどこで手に入れるのですか？」
答えは決まっています。
まずは、「貯蓄」することから始めましょう。
米国の富裕層の多くは、遺産を相続したり、大成功を収めた企業を立ち上げたり、プロスポーツ選手として活躍したり、音楽賞を受賞するような特別なスキルを持っていると思われていますが、実際はそうではありません。
私たちは20年以上前に、トマス・スタンレー博士からそのことについて学びました。
彼は2015年に亡くなるまで、何十年にもわたって米国富裕層の習慣や特徴についての研究を続け、その結果を『となりの億万長者』や『なぜ、この人たちは金持ちになったのか』などのベストセラー本で紹介しています。
大多数の億万長者は、特別なスキルを持っているわけではありません。また多額の資金援助を受けたことも、運が良いだけでもありません。
彼らはずば抜けて一生懸命働き、熱心に貯金し、何年も、時には何十年も複利でお金を増やしてきた普通の人々なのです。
スタンレー博士は『となりの億万長者』の中で、富を築く人たちの7つの共通点を詳しく説明しています。
- 身の丈に合った生活をしている。
- 富を築くのに役立つ方法で、時間、エネルギー、資金を効率的に配分している。
- 社会的地位の高さよりも、経済的自立の方が重要だと考えている。
- 彼らの両親は経済的サポートを行っていなかった。
- 彼らの成人した子供は経済的に自立している。
- 市場機会のターゲティングに熟達している。
- 正しい職業を選んでいる。
あなたの純資産は、主にあなたの選択に左右されます。
多額の投資資金を得るためには、正しいキャリアの選択、正しいライフスタイルの選択、正しい支出の選択をする必要があるのです。
それには思慮が必要です。規律も必要です。
そしてしばしば、トレードオフ（何かを手に入れるために何かを諦めること）が伴います。
スタンレー博士は、著書『お金がいやでも貯まる5つの「生活』習慣』の中で、このメッセージを強調しています。
この本は、借金持ちや浪費家に同情や理解を求めるために書かれたものではありません。むしろ身の丈を超えた生活をしている何百万人もの消費者に警鐘を鳴らすものです。
億万長者（流動資産が100万ドル以上の人）の多くは、大金を使う人ではありません。それどころか、その逆です。
スタンレー博士によると、最も生産的に富を蓄積している人たちは、家、車、衣類、休暇、食事、娯楽などに使う金額は、自分が買える金額よりもはるかに少ないそうです。
一方、平均以上の収入がありながら純資産があまりないミリオネア気取りの人々は、単に「憧れ」を抱いているだけなのです。
彼らは高価な服を買い、最高級のワインや酒を飲み、高級車やパワーボートを買い、あらゆる種類の装飾品を買い、快適に暮らせる以上の家を買っています。
要するに彼らの問題は金持ちに見せようとしていることです。これではお金持ちにはなれません。
皮肉なことに、ほとんどのお金持ちはこのような散財はしません。
確かに純資産が1,000万ドル以上のスーパーリッチ層は、余裕があるので使います。
しかしスタンレー博士の調査によると、米国の純資産100万ドル以上の人々の大多数は、
- 40万ドル以下の家に住んでいる。
- ロレックスよりもタイメックスを愛用している。
- スーツを買うのに400ドル以上払ったことがない。
- ワイン1本に支払う金額が15ドル以下である。
- 車はメルセデスよりも日産の方が好きである。
- 高級ブランドや高級品にはほとんどお金を使わない。
(この本は1996年に出版されたものなので、これらの価格はインフレ調整が必要です）。
一般的に考えられていることとは異なり、ほとんどの大富豪はかなり倹約家です。しかし彼らは経済的に自由であることは言うまでもなく、なによりも幸せなのです。
というのも家族にも、会社にも、政府にも依存していないので、とても素晴らしい気分で人生を過ごしているからです。
そして彼らは昔ながらの方法でそこに到達しました。収入を最大にし、支出を最小にして、その差額を熱心に貯蓄し、投資したのです。
つまり経済的自立への第一歩は、「身の丈にあった生活をすること」なのです。
スタンレー博士の言葉を借りれば、「金持ちのふりをするのはやめて、本当の大富豪のような生活を始めよう」ということになります。
良い投資を。
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