投資情報 | 市場の震源地となり続ける男

45%暴落、874%急騰
どんな時代にも、
市場を一言で揺らしてしまう人物がいます。
そして今、その存在になっているのが、
エヌビディア (Nasdaq: NVDA) のCE、 ジェンスン・フアン氏です。

黒いレザージャケットで登場する同CEOは、
ある一言で巨額の利益を生み、
また別の一言では、市場を混乱させてしまう力を持っています。
そして彼は、またしても市場をざわつかせました。
およそ1年前、彼は量子コンピューティングについて、
「実用化はまだ数十年先だ」
と、あっさりコメントしました。
すると、そのわずか数時間後、
- D-ウェーブ・クオンタム (NYSE: QBTS)
- イオンキュー (NYSE: IONQ)
- リゲッティ・コンピューティング (Nasdaq: RGTI)
の株価は、1日で最大45%も暴落したのです。
多くのメディアは、ここでこう書きました。
「量子株は終わった」と。
しかし、そこには決定的に見落とされた事実がありました。
実はこれらの銘柄は、
「終わった」と言われたあと、
数カ月で最大874%も上昇していたのです。
そして今、彼は再び、
市場に同じような衝撃を与えました。
しかし今回は、
量子コンピューティングではありません。
市場を揺らした一言
2026年のCESにおいて、彼はエヌビディアの次世代チップ「
「このチップは、
すると、このたった一言で、
市場から数十億ドル規模の価値が一気に消えたのです。
- キャリア・グローバル (NYSE: CARR)
- ジョンソン・コントロールズ・インターナショナル (NYSE: JCI)
- モーディーン・マニュファクチャリング (NYSE: MOD)
- トレイン・テクノロジーズ (NYSE: TT)
これらの冷却関連株は、
昼前には大きく売り込まれました。
市場の反応は、驚くほど早いものでした。
ただ、この展開を見て、
「見たことがある」と感じた投資家も少なくありません。
まず、一言で不安が広がり、
次に、大衆が一斉に売り、
そして最後に、
冷静な一部の投資家だけが、その動きを利用する。
これが、いつものパターンです。
そして今、その流れが
また静かに始まっています。
ですが、ここで現実的な話もしておきましょう。
データセンターの冷却関連支出は、
2030年までに500億ドルを超えると予測されています。
また、Vera Rubin世代のチップが
実際に本格出荷されるのは2026年後半です。

もしフアン氏の言う通りの性能が実現すれば、
確かに、冷却業界にとっては
短期的な逆風になる可能性があります。
それでも正直なところ、
足元の株価の下落は、行き過ぎに見える部分もあります。
そしてもう一つ。
CESで大きな話題をさらったこのニュースの裏で、
ほとんどの投資家が見逃している、別のことがあります。
実はそれこそが、
2026年に注目すべき「本命のトレンド」なのです。
2026年の「キーワード」
一部の賢い投資家だけが静かに注目している言葉があります。それが、インファレンス(推論)。学習済みのAIモデルが、
新しい未知のデータを受け取り、
それに基づいて、
- 予測
- 判断
- 応答
などを生成するプロセスのことです。
そしてウォール街の多くは、
まだこの変化に本気で目を向けていません。
しかし、業界の内部の人間は分かっています。
この変化が、
AIハードウェア業界で最初の本格的な主導権争いを
引き起こしていることを。
そしてフアン氏は、
すでに最初の手を打っています。
彼は、ほとんど知られていなかったチップ企業Groqを、
200億ドル(約3兆円)で買収しました。

覚えておいてください。
これは、
エヌビディアにとって過去最大規模の買収です。
しかも、わずか3か月前の評価額に対して、
およそ3倍の価格を支払っています。
このGroqという企業は、
アルファベット (Nasdaq: GOOGL) 初のTPU(AI専用チップ)
立ち上げられました。
つまり、
エヌビディアのAIと真正面から競合する発想を生んだ設計者です
では、なぜそこまでしてこの企業を手に入れたのでしょうか。
理由はシンプルです。
インファレンスは、2026年末までに
AI向けHBM(高帯域幅メモリ)の約3分の1を消費すると
見られているからです。
つまり、ここを押さえる者が、
次のトレンドだけでなく、
AI全体の流れを支配するということです。
思い出してください。
2025年、市場の主役はHBMでした。
- サンディスク (Nasdaq: SNDK)
- シーゲイト・テクノロジー (Nasdaq: STX)
- ウエスタンデジタル (Nasdaq: WDC)
- マイクロン・テクノロジー (Nasdaq: MU)
これらの銘柄は、
市場でもっとも強いパフォーマンスを見せた企業でした。
そして彼自身も、
2026年はメモリがAIの鍵になると語っています。
ただし、ここが重要です。
彼のGroq買収は、
成長のための一手ではありません。
これは、
エヌビディアという帝国を守るための行動です。
そして、その意味に市場が気づく頃には、
すでに動き終わっている可能性があります。
エヌビディアは、
単にチップを作っている企業ではありません。
市場に不安を生み、
古い前提を壊し、
新しい流れを作り出しています。
そしてそのたびに、
考えるのが早い投資家だけに、チャンスが生まれる。
混乱の中に踏み込んで、
人々が状況を理解する前に動く。
それが、いつもの構図です。
【まとめ】GPUからインファレンスへ
次の「フアン地震」は、
すでに始まっています。
そして今回は、
彼が「何を作るのか」ではなく、
「何を崩したか」が注目され、
そこに資金が集まっています。
GPUの時代から、インファレンスの時代へ。
2026年、
市場の主役が入れ替わる瞬間に、
備えが始まっているのです。
マシュー・カー
〜編集部〜
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