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まだ株を買えていない、あなたへ

以前ニューヨークで飛行機に乗ったとき、

前の席の男性が退役軍人のTシャツを着ているのに気づきました。

背中には「私ができて、他の人ができなかったのではない。私がやって、他の人がやらなかっただけだ」とプリントされています。

少ない言葉ですが、この中には多くのことが語られています。

というのも、この教訓は、私たちの人生そのものに、当てはまるのです。

例えば、私は子供の頃ピアノをやっていて、大人になってからも5年間真剣に習っていました。今でも少しは弾けますが、あまり上手ではありません。

家に来た人がピアノを見て、私に「弾けるのか?」と尋ねたら、素直に「あまり弾けない」と答えることにしています。

楽器の技術習得に熱心でなかった多くの人々と同じように、私も後悔しています。

定期的に練習する時間がなかったわけではありません。

ただ、他のことに忙しかっただけで、その多くは正直なところそれほど意味のあることではなかったのです。

10代の頃、(自分で言うのもなんですが)私はゴルフがかなり上手で、高校で一番上手なプレーヤーでした。

しかし大学に進学すると、気が抜けてしまい、それ以来、真剣に練習することはありませんでした。

その結果、今や、ゴルフが上手とは言えなくなりました。

ゴルフに打ち込み、今ではずっと高いレベルでプレーしている友人を見ると、少し羨ましくなることがあります。

ピアノが上達しなかったこと
ゴルフが上達しなかったこと
そして今、自分が後悔していることは、
全て自分が悪いのです。

良くも悪くも、自分の時間をどう使うかは自分で決めるものですから。

つまり、今の現実を受け入れて生きていかなければならないのです。

ゴルフ大会で優勝するほどのビッグプレーヤーや、有能なミュージシャンを賞賛するときはいつも、その退役軍人のTシャツの意味をひっくり返す必要があります。

彼らができて、私ができないのではない。彼らがやって、私がやらなかった」ということなのです。

 

このことを念頭に置いて、米連邦準備制度理事会(FRB)が広く公表した「米国世帯の経済的幸福度に関する報告書」を詳しく見てみましょう。

それによると、米国の成人の40%が、400ドル(約5~6万円*)の緊急出費を捻出するのが困難であるというのです。

*1ドル137円換算 

なぜでしょうか。

精神的、肉体的、感情的に仕事を続けることができない人もいますし、また、健康上あるいはその他の悲劇的な状況によって、ひどい目に遭っている人もいるでしょう。

しかし米国成人の40%がそうなのでしょうか。

おそらく、もっと奥深い理由があるはずです。

友人や家族、同僚に、お金の使い方が上手ではない人をたくさん見かけます。

少ししか稼げない人もいれば、かなり稼げる人もいます。

お金の使い方が上手ではない人・少ししか稼げない人には一つの共通点があります。

それは、彼らは、稼いだお金をすべて使い果たし、クレジットカードも使い果たし、収入が増えたにもかかわらず、その日暮らしを送っていたのです。

しかし一部では、政治的利益を得るために特定の候補者によって煽られ、自分たちの経済的不始末に責任を持たないという考え方が広まってきています。

なぜか、お金がないのは社会や「金持ち」が原因と言っているのです。

 

このことについて少し考えてみましょう。

私の知っている退職金のない人の多くは、大きな家に住み、新型車に乗り、高価な旅行に出かけ、あらゆる最新の電子機器に囲まれています。
米国農務省経済調査局は、米国人は今や家庭での食事よりも外食にお金をかけていると指摘しているほどです。

実際、平均的な4人家族の場合、年間5,000ドル(約68万円*)以上を外食に費やしているそうです。

  *1ドル137円換算   

現代人が忙しいのは重々承知しています。しかし、それでも、外食は便利なもの、あるいは贅沢なものであり、それには大きなコストがかかっているのです。

例えば、その家族が外食費を半分に減らし、他の節約をしなければ、1年に2,500ドル(約34万円*)節約できます。
  

 *1ドル137円換算   

この2,500ドルを、ごく普通のS&P500インデックスファンド(長期平均以上のリターンをもたらさない)に投資すれば、

20年で22万8,733ドル(約3,000万円*)、
30年で65万2,244ドル(約8,900万円)、
35年で110万ドル(1億5,000万円*)以上にも増加します。

 *1ドル137円換算   

確かに、年間2,500ドルも貯蓄できない家庭もあるでしょう。

しかし1年に250ドル(約3万4,000円*)、1か月に25ドル弱(約3,000円*)を投資したらどうでしょう。

 *1ドル137円換算   

それでも10万ドル(約1,300万円*)以上の退職金となり、ある程度の経済的な安心感を得ることができるのです。

 *1ドル137円換算   

もちろん、緊急で400ドルの出費を用意するのも問題ありません。

要するに、私の音楽的才能が劣っているのも、ゴルフが下手なのも、私以外の誰のせいでもないのと同様、私がこの30年半、熱心に貯蓄と投資を行わなかったとしたら、それも私の責任なのです。

数十年後、「コツコツ投資しておけばよかった」とならないよう、
少額からでも良いので投資を始めてきましょう。

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Alexander Green(アレクサンダー・グリーン)

Oxford Club チーフ・インベストメント・ストラテジスト。金融・投資関係の4冊のベストセラーの著者で、40年のキャリアがある。米国で金融・投資のニュースレターであるOxfordキャピタル・レターを20年以上執筆しており、ハルバート・ファイナンシャル・ダイジェスト社はこのニュースレターをここ10年以上もの間、最もパフォーマンスの高い投資ニュースレター・ベストテンに選出している。 アレックスの記事一覧 ≫

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