投資情報

すべての投資家が最初に必要とするもの

平均的な人が経済的に自立するためには何が必要でしょうか?

多くのことが必要です。

貯蓄するために働く意欲。資産配分や分散など金融概念の基礎的な理解。実行可能な財務計画。あなたのお金は長期に渡って増えていきます。

しかし、これらのすべてはより重要なものに依存しています。それは、良い情報です。

良い情報から、一般的には高水準の教育が高収入に繋がっていることがわかります。

また、収入の額に関係なく、自らの資金レベル内で相応に生活しなければ、お金持ちになることはないという指摘もあります。

そして、パンデミックにもかかわらず、多くの人々が、多くの場所で、様々な方法で以前よりも良い生活を送っています。

残念なことに、人々は素晴らしい情報をどこで見つけたら良いのか分からず、見つけてもそれに気付いていないことが多いのです。

その一因となっているのが公教育制度です。

アメリカ人は複利や確定拠出型年金、調整可能な金利の住宅ローン、株式市場が存在することを知らずに高校を卒業します。

そして大学へと飛び出し、強欲、利己主義、搾取に基づいた残念な経済システム(資本主義と呼ばれる)の中で生きていることを教授から教わるのです。

それから、ソーシャルメディアの世界に出くわします。また、オルタナティブ・メディアと呼ばれるものは、部分的な真実、陰謀論、明白な歪みの寄せ集めであることが多いです。

もちろん、高校時代に教育されたことを改めるには遅すぎます。

マルクス主義者や学界の同調者の考えを変えることはできません。

しかし、ソーシャルメディアを断ち切ることは可能です。ひょっとすると断ち切るべきなのかもしれません。

2020年の大統領選挙以来、大卒の非常に成功している友人とビジネス仲間の多くから転送されてきたコラムや記事、ブログ、YouTube動画の一部に唖然としています。

控え目に言っても、彼らは「良い情報」を得ていません。

個人的には、出典がない情報や、未知の出典の情報には目を通したくありません。

なぜなら、第一に、ネット上の誰かも分からないような個人が「本当の真実」を見つけ出した可能性は低いからです。(もしそうだったとしても、それはすぐに調査され、一般常識になるでしょう。)

定期的に信頼できない意見や疑わしい記事を読んでいると、後にその話題が出てきた際にデータの出所を思い出すことはないでしょう。

そして、このナンセンスを繰り返したくないはずです。

もちろん、悪い情報や広がっていく偏りは、オルタナティブ・メディアやソーシャルメディアに限ったことではありません。

ニューヨーク・タイムズ、ワシントン・ポスト、その他の主流メディアでさえも、憤り、理不尽さ、センセーショナリズムをお金に変えるアルゴリズム(問題解決の計算方法)があります。

その多くは、今日の度を超した党派政治によって動かされているものです。

政治をまるで闘鶏のように扱い、クリックしたくなるようなタイトルに吸い寄せられるような社会になりつつあります。

一部の地域では、政治は宗教に取って代わったように見えます。それは、「より良い」「より悪い」、「正しい」「誤り」だけでなく、「善」と「悪」について語られる場です。

もしあなたがトランプに投票した者は皆、救いようのない人種差別主義者だと信じるプログレッシブ派、もしくはバイデンはアメリカを強い社会運動が行われているベネズエラのような国にしたいに違いないと信じる保守派なら、良い情報を得ているとは言えません。

これは、金融分野や投資メルマガ業界でも同じことが言えます。

例えば、米国経済は金ではなく不換紙幣をベースにしているので、芯から腐っていると主張する投資家から定期的に声が届きます。

米国の経済システムは、まるで砂上の楼閣のように不安定です。

もちろん、ニクソン大統領が1971年8月15日に金本位制度を脱却して以来、50年に渡ってこのように言われてきました。

しかし、何年経っても呪文のように繰り返し言われ続けているのです。

この見解では、ミルトン・フリードマン、ウォーレン・バフェット、ジェイミー・ダイモンのような人々は、我々の不換紙幣をベースにした貨幣システムを一度も理解したことはなかったことになります。そして、金本位制支持者が間違っていたのではなく、時が早すぎたのです。

それも一つの解釈だと思います。

もう一つは、半世紀に渡って間違った側にいたのであれば、根拠のない主張や不十分な分析…つまり、悪い情報の中にいたことになります。

どこで良い情報を入手することができるのでしょうか?

ニュースならば、ロイターブルームバーグウォールストリート・ジャーナルなどの信頼できる情報源に頼りましょう。

より正確な世界観であれば、OurWorldInData.orgや、スティーブン・ピンカーマット・リドリーヨハン・ノーバーグの最近の本を参考にしてみてください。

経済的、金融的、政治的、宗教的、科学的な主張は誰にでもできることを忘れないでください。

しかし、それは真実なのでしょうか?自分自身で事実を調査できる立場にある方は限られているでしょう。

私の経験上、真実でないものを真に受けるより、真実であるものを懐疑的にとらえる方が良いケースが多いです。

要するに、悪い情報で良い投資をするのは難しいということです。

しかし、世の中にはそういった情報が溢れているのです。

良い投資を。

アレックス

Alexander Green(アレクサンダー・グリーン)

Oxford Club チーフ・インベストメント・ストラテジスト。金融・投資関係の4冊のベストセラーの著者で、40年のキャリアがある。米国で金融・投資のニュースレターであるOxfordキャピタル・レターを20年以上執筆しており、ハルバート・ファイナンシャル・ダイジェスト社はこのニュースレターをここ10年以上もの間、最もパフォーマンスの高い投資ニュースレター・ベストテンに選出している。 アレックスの記事一覧 ≫

関連する記事

Back to top button