投資情報 | ”高い利回り”だけを追う投資家が見逃している重要なポイント

投資家は、ときに特定の銘柄に強い思い入れを持つことがあります。そうした愛着は、決して珍しいことではありません。
私は長年にわたり、個別銘柄に執着すべきではないとアドバイスしてきました。しかし、私自身がエンタープライズ・プロダクツ・パートナーズ (NYSE: EPD) に対して、特別な感情を抱いていることもまた事実です。
私が最初に同社を紹介したとき、もしあなたがこの銘柄を購入していれば、その投資資金は現在、4倍の価値になっていました。当時購入した投資家は、配当の力強い成長のおかげで、当初の投資額に対してなんと14.7%もの利回りを得ています。
エンタープライズ・プロダクツ・パートナーズの投資実績:
- トータルリターン
初回紹介時から購入した場合、投資資金は現在4倍の価値に成長しています。 - 現在の利回り
現時点での配当利回りは約6%。 - 当初購入者の利回り
配当の力強い成長により、当初の投資額に対して14.7%の利回りを実現しています。
同社は、石油や天然ガスのパイプラインを保有するMLPです。
MLPとは、マスター・リミテッド・パートナーシップのことで、主にエネルギーインフラ事業を運営する企業が利用する米国特有の事業形態です。この会社のビジネスモデルは非常にシンプルです。
エネルギーインフラの利用料で収益を上げるシンプルなビジネスモデル
同社はエネルギーインフラを保有し、その利用料から収益を得ています。パイプラインの維持管理以外に、多額の資金や設備、人員を必要としません。
MLPは一般的な株式会社とは異なり、株主への「配当」ではなく、投資家への「分配金」という形で利益を還元します。この分配金には、通常の配当とは異なる税制が適用されます。
MLPの分配金の多くは、受け取った一部が「利益」ではなく「元本の返還」として扱われます。受け取り時の税負担を抑えられる一方で、後の売却時には売却益とそれに対する税金が大きくなるのです。
例えばあなたが20ドルで株を購入し、1ドルの分配金を受け取ったとします。この1ドルが「元本の返還」として扱われる場合、購入価格が下がったものとして計算されます。
つまり、購入価格は20ドルではなく19ドルとして扱われます。もし株を22ドルで売却した場合、2ドルではなく3ドルの譲渡益に対して税金を支払うことになります。
分配金への税金の支払いを先送りしながら、長期間にわたって収入を確保できる点が大きなメリットと言えます。
EPDのキャッシュフローと配当性向が示す財務の健全性
2025年、エンタープライズ・プロダクツ・パートナーズの分配可能キャッシュフロー(DCF)は、前年から増加しました。
EPDのDCFと配当性向:
- 2025年のDCF
80億ドル(前年比増)。 - 2025年の配当総額
47億ドル。 - 2025年の配当性向
59%。これは良い低配当率です。MLPはパートナーに現金を分配することを目的として存在するので、100%未満であれば問題ありません。 - 2026年の予測
DCF 80億4,000万ドル(わずかに増加)、配当金48億ドル、配当性向60%の見込みです。
通常の企業のように「収益ストーリー」を追求するものではありませんから、この水準は健全と言えます。
もちろん、キャッシュフローが悪化すれば、将来的な評価や成長に影響を与え、格下げにつながる可能性もあります。
そのため、投資家は現在の数字だけではなく、今後も安定したキャッシュフローを生み出せる事業基盤があるかを確認する必要があるのです。
【まとめ】配当投資で本当に重要なこと
長期投資で本当に重要なのは、「好きな企業だから保有する」という感情ではありません。
見るべきなのは、その企業が将来にわたって利益を生み出し、株主へ還元し続けられる力を持っているかどうかです。
配当投資の魅力は、短期間で大きな利益を狙うことではありません。企業が生み出した利益の一部を受け取りながら、時間を味方につけて資産を成長させていくことにあります。
だからこそ、投資先を選ぶ際には、目先の数字だけに惑わされないことが重要です。それが、将来にわたり安定した配当収入を築くための第一歩となるでしょう。
マーク
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