米国配当株投資

景気後退で損する人、得する人

先日、友人と市場や経済について話し合う機会がありました。

その友人の主張は
「間違いなく、景気後退が訪れるだろう。」
というものでした。

彼の考えは一人だけのものではありません。

私も今年の初めには、年内のいずれかの時点で、穏やかな景気後退が訪れると考えていました。

しかし、その結論に対して今、私自身、疑問を感じ始めています。

2023年に景気後退は起こるのか?


米国のインフレは依然として高水準ですが、1 – 3月期GDPは成長しました。

その成長率は1.1%と大きなものではありませんでしたが、マイナスからプラスに転じています。

そして、4月の失業率は3.5%と非常に低い値でした。

重要なのはこの失業率です。
なぜなら、失業率が記録的な低さを保っている状況では、景気後退が発生する可能性が低いからです。

そして、賃金も上昇しています。

これは、仕事が欲しい人は誰でも仕事に就くことができ、多くの人が去年よりも多くのお金を稼いでいることを示唆しています。
また、多くの人が、希望すれば簡単に職を変えることができるでしょう。

そのような状況下で景気後退は起きづらいのです。

さらに、景気の先行指標と言える株式市場は、今年初から上昇しています。

実際、株価が暴落した2022年から明けた今年、S&P500種株価指数は年始来で7%以上の上昇、ナスダック総合指数は20%以上も上昇しました。

*2023年5月24日時点

ここ数ヶ月は銀行の破綻のニュースなどもあり、市場が荒れているため、市場の好調さは実感できないかもしれません。

しかし、今年、これまでのところ、市場は非常に良好なパフォーマンスを発揮しています。

 

このように株式市場のパフォーマンスを見てみると、景気後退が差し迫っているとは言えないのです。

しかし、すべてが順風満帆というわけではありません。

インフレが市民の生活を圧迫しています。
いくつかの銀行が破綻し、別の銀行も危ないのではないかと懸念されています。

さらに、債務上限問題は大きな問題です。
27日、大統領と下院議長が合意に達したため、議会を通過すればひとまず解決となりますが、 市場だけでなく外交面でも大きな混乱をもたらしています。

エネルギー価格も低下傾向にあります。
これも経済が弱まってきている可能性を示す兆候の1つです。

そのため、実際に景気後退が起こるか起こらないかは関係なく、それに備える必要はあるはずです。

では、どのように備えるべきでしょうか?

株式投資の観点からは、これまで同様に投資を続けるべきだと思います。
景気後退が起きるかもしれないのになぜ?
と思われるかもしれません。

しかし、リーマンショックの後で経済がまだ混乱していた2009年初めや、コロナショックで市場が暴落していた2020年初めもそうでした。

それらはまさに投資するのに最適なタイミングだったと言えるでしょう。

S&P500のチャート

出所:Trading Viewを参考にOxford クラブ作成

もちろん、市場のタイミングを予想することはできません。

私たちが安全だと思える兆候が出る頃には、市場は今よりもずっと高い水準になっている可能性があります。

繰り返しになりますが、市場は景気の先行指標です。
だからこそ、経済が良好になる頃には市場はすでに動いているはずなのです。

 

株を買う最適なタイミングは、買うことが「不快」に思える時です。

なぜなら、多くの人が同じことを感じ、株を手放しているため、
低い価格で株を買うことができるからです。

もしかしたら、
株価が暴落している中で投資を続けるのは危険なのではないか?
一旦様子を見て、市場が落ち着いてから投資を再開した方がいいのではないか?

と思われるかもしれません。

しかし、私は投資をやめるべきではないと考えています。

なぜなら実際、リーマンショックの暴落の時期から昨年末までの期間に
・S&P500への投資をやめることなく続けた場合
・最も下落していた10日間のみ投資をやめた場合

を比較してみると、株価の上昇益と配当を合わせたトータルリターンは「投資を続けた場合」が「やめた場合」の2倍になっていたのです。

そしてその差は、投資をやめた期間が長くなるほど広がっています。

もちろん、投資に絶対はありません。
しかし、景気後退や株価の暴落は投資をやめる理由になるとは限らないということです。

このように、短期的な視点で市場を見るのではなく、長期的な視点で市場を見ることが
あなたの投資の成功へ繋がるのではないでしょうか?

P.S.

先日、日本へ向けたインタビューに答えた際の動画が公開されています。

  • 市場が下落した時にどう行動するべきなのか?
  • 私がどのように銘柄を分析しているのか?
  • 配当投資をどのように続けていけばいいのか?
  • 今おすすめのセクターとは?
  • 個人投資家が選ぶべきベストな選択とは?

など…

詳しくお話ししていますので、是非ご覧ください。

 
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~編集部コメント~

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P.P.S
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Marc Lichtenfeld(マーク・リクテンフェルド)

Oxford Club チーフ・インカム・ストラテジスト。ウォール・ストリートを含め25年の経験のある配当投資の専門家。「Get Rich with Dividends(邦題:日本人の知らない秘密の収入源 年100回配当投資術)」著者。2013年に配当投資の専門誌Oxfordインカム・レターを創刊し、世界中に読者を持ち有料購読者は8万人を超える。FOX、CNBC、Forbesなどの有名メディアはもちろん、BloombergやBarrons、The Wall Street Journalといった権威ある金融専門メディアにも多数出演。 マークの記事一覧 ≫

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