投資情報 | この「AI関連株」の崩壊は近いのか?

私はこれまでのキャリアの中で、歴史の最前列に立ち、それを理解できるタイミングに居合わせたという点で幸運でした。
驚くかれるかもしれませんが、若い頃は俳優を目指していたこともあったのです。アレック・ボールドウィンのようになることを夢見ていましたが、早い段階で自分が向いていないことを悟り、その後金融の世界に進むことに。
直後にドットコムバブルが膨らみ始めました。
私は基本的な財務の知識から、「売上のない企業が評価される状況は異常である」と理解していました。
決定的だったのは、ある企業が資金調達を祝うイベントを開いた時です。彼らは投資家から預かった大切な資金を使い、ジェームズ・ブラウン氏を招待。豪華なパーティーを開いたのです。
その瞬間、私は「これは天井のサインだ」と確信しました。
AIバブルの中で浮かび上がるオラクルのリスク
そのため、現在AIバブルが膨らむ中で、私は当時と似た兆候がないか注意深く見てきました。
中でも注視しているのがオラクル (NYSE: ORCL) です。私たちは今後、同社の崩壊を目の当たりにするかもしれません。
これは一見、意外に思えるでしょう。
同社は実体のある企業であり、かつてのドットコム企業とは異ります。
それでも、現在の拡大ペースは極めて異例なものなのです。
設備投資は、AIデータセンター構築により急増しています。
2024年:70億ドル
2027年:670億ドル(+800%以上)
さらに、フリー・キャッシュフローは以下の通り大幅なマイナスが見込まれています。
今年:マイナス250億ドル
来年:マイナス260億ドル
1,250億ドルの負債を抱え、現金は390億ドルにとどまります。
この状況では、さらなる借入や株式発行が不可避となり、いずれも株主価値の希薄化につながります。
また、新たな最高財務責任者(CFO)としてヒラリー・マクソン氏が就任しました。
ウォール街は、「彼女は設備投資のために生まれてきた」と歓迎しています。
しかし、CFOに求められるのは本来「資本効率の最大化」であり、単なる支出の拡大ではありません。
見落とされている構造的リスク
さらに重要なのは、表面上見えにくいリスクです。
同社にはバランスシートに計上されていない約2,500億ドルの債務が存在します。
多くはリース契約であり、需要が減少しても支払い義務は残ります。
加えて、将来期待されている利益の大部分は、オープンAIに依存しています。
そのオープンAI自体が提供しているChatGPTは、競合のGeminiやGrokなどと激しく競っている最中です。
この依存構造は、以下のようなリスクを内包しています。
オラクルが抱える構造的リスク:
- 単一顧客への収益集中
将来収益の多くを特定顧客に依存
顧客の業績や戦略変更が、直接的に業績へ影響 - AI競争による需要減少
競合サービスの台頭によりシェア低下の可能性
需要の鈍化がデータセンター投資の回収を圧迫 - 契約履行リスク
長期契約に依存した収益構造
顧客側が契約を履行できない場合、収益に大きな打撃
さらに、ブルー・アウル・キャピタル (NYSE: OWL) がデータセンター案件から撤退したことは資金調達環境の不透明さを示しています。
加えて、オラクル株には外部要因も潜んでいます。
パラマウント・グローバル (Nasdaq: PARA) によるワーナー・ブラザース・ディスカバリー (Nasdaq: WBD) の買収において、オラクルの創業者であり元最高経営責任者(CEO)のラリー・エリソン氏は約400億ドルを支援しています。
もしこの取引に問題が生じれば、エリソン氏がオラクル株を売却する可能性も考えられるでしょう。
そうなれば、空売りの集中、株価の急落、さらなる売却圧力、という負の連鎖が発生するかもしれないのです。
【まとめ】オラクルはAIバブルの「試金石」になる可能性
短期的には株価125ドル、長期的には50ドル、さらに悪化すれば20ドルまで下落する可能性も視野に入ります。
オラクル株を保有している投資家は、ストップロスや長期プットオプションなど、防御的な対応を検討すべき局面です。
AIバブルが弾ける時、全ての企業が消えるわけではありません。
しかし、その中で淘汰される企業も確実に存在します。
そしてオラクルは、その候補の一つとなる可能性があるのです。
マーク
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