トレンド投資

宇宙経済の飛躍が始まろうとしている

経済学者やアナリストは、しばしば、途方もなくばかげた大きな数字を言い放ちます。

特に、国債や財政支出について話す時です。

「兆」は、まるで誰もがその巨大さを理解できているかの様に、会話の中で飛び交います。

実際に紙に書き出してみると、どれくらいゼロが並ぶかご存知ですよね。1の後ろにゼロが12個つくのです。

1,000,000,000,000

それほど気が遠くなることではなさそうです。しかし、その規模を真に理解するには、こう考えてみて下さい…

  • 100万秒 (ミリオン) は12日
  • 10億秒 (ビリオン) は31年
  • 1兆秒 (トリリオン) は3万1,688年

なのです。

もしあなたの年収が4万ドルなら、1兆ドル稼ぐのに2,500万年かかるのです。

私たちは、宇宙の銀河や星について話す時でさえ「兆」を使いません。実際「億」を使用しており、「何十億もの」とは言いますが、「兆」という表現を使うことは非常に稀です。

しかし、ある産業において、「兆」は頻繁に使う単位であり、ましてや1兆は小さい、もしくは標準以下でさえあるのです。

そして、この産業において、決して「小さくない」のは投資家が手にし得るチャンスです。

詳細をお話しましょう。

太陽の2倍以上の大きさ

私が最初のテラバイト (TB) のハードドライブを購入したのは、10年以上前になります。

1テラバイトは1,000ギガバイト (GB)、おおよそ1兆バイトのデータです。

当時、それは非常に大容量で、200〜300ドルで購入できるのはお得だと思いました。

今日、USBメモリは1TBのものもあり、18TBのハードドライブすら購入可能です。

なぜ突然そんなに容量が必要になったのでしょう?それは毎日毎秒、私たちは膨大なデータ量を生み出しているからです。

事実、2020年には、地球上の一人ひとりが、毎秒平均1.74メガバイトのデータを生み出していたのです。

それは、毎日およそ2.5エクサバイト (EB) という計算になります!

1エクサバイトは、10億GB、もしくは100万TBのデータということです。

このデータ量を分かりやすく面白く例えますと、1GBが地球の大きさとしたならば、1EBは太陽の大きさになるのです。

つまり、私たちは毎日、太陽2.5倍相当分のデータを生み出しているということになります。

しかし、データは飛躍的に増加し続けています。

人類は2025年までに毎日463EBのデータを生み出すことが予想されています。

それは、たった5年以内で18,400%以上の増加を意味するのです。

このデータの多くはメールやソーシャルメディア等のありふれたものになるでしょう。しかし現実には、経済全体及び証券取引所も既にデジタル化しています。言うまでもなく、AI、モノのインターネット (IoT)、自動運転車さらにバーチャル・リアリティの飛躍的な成長も含まれています。

そして、これら全てのものは、今後10年間で最速で成長していくであろうセクターの一つなのです。

現代の宇宙開発競争

ここ2、3年ほど、私は投資家たちに宇宙開発競争の到来に向けて準備するように伝えてきました。

しかし、これは米国と中国、ロシア、ヨーロッパ、インドもしくは他国との間の話ではないのです。

宇宙開発競争は企業間でなされているのです。

ワンウェブ、Project Kuiper(アマゾンの衛星通信事業)、スペースXやテレサット(カナダの衛生通信事業者)は、今後数年をかけて4万6,000以上の衛星の軌道投入を計画しています。そのほとんどは、テスラ (Nasdaq: TSLA)の最高経営責任者 (CEO) のイーロン・マスク氏の宇宙開発事業 スペースXのものです。

スペースXは、世界の幾つかの地域で既に稼働している衛星ネットサービス「スターリンク」のために数万の衛星を打ち上げています。

そして、これが宇宙産業の急速な拡大と商業化のきっかけとなっています。

世界の宇宙経済は2019年の3,500億ドルから2040年までに1兆ドル以上になると予測されております。

私たちは非常に速いペースでデータを消費しているため、この増加の少なくとも50%は、衛星ブロードバンドの需要によるものになるでしょう。

また、非常に魅力的な投資機会も生み出されています。

例えば、年初来、Procure Space ETF (Nasdaq: UFO) の株価 は15%以上増加しています。これは、ダウ平均株価、Nasdaq総合指数およびS&P500種指数を3倍以上、上回っているのです。

そして、この先さらに上昇余地があると思われています。

テラバイト、エクサバイト、ゼタバイト等の異常に大きなデータ量がこの成長を後押ししているからです。

世界中で衛星の需要は高く、その打上げは宇宙船基地で行われます。つまり、宇宙産業には、今後数十年間にわたって需要が増加していく、業界全体の収益構造が存在するのです。

ハイリターンを願って。

マシュー

Matthew Carr(マシュー・カー)

Oxford クラブ・ジャパンのチーフ・インベストメント・ストラテジスト。金融業界で20年のキャリアを持つ。 企業の中ではある一定のサイクルで株価が上下する銘柄があると言われており、マシューの専門はそのサイクルを見つけ出すこと。 彼の専門領域は石油・ガスといった伝統的な産業から、AI、5Gといった最先端テクノロジーなど多岐にわたる。 マシューの記事一覧 ≫

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