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ニフティ・フィフティ相場の再来か?

新型コロナウイルスの大流行以来、S&P500種指数の内8社の市場価値は、1,000億ドル以上増加しました。

つまり昨年、経済の大部分が枯渇し、苦戦した一方で、これらの限られた企業のビジネスと財産は急拡大したのです。

これは、表面上では米国のイノベーションの祭典であり、これらの傑出した企業は成功する上で完璧なポジション取りをしていたと言えます。しかし、水面下には厄介な流れがあるのです。

投資家は、ほぼ半世紀ぶりの状況に直面しており、悲劇的な何かが起こる可能性が着実に高まっています。

2兆ドル企業の長所と短所

今や2回の冬を挟んだ、長く、終わりの見えないパンデミック期間ですが、その期間におけるテクノロジー関連株がもたらした利益に着目しました。

特にパンデミック期間中の経済はテクノロジーにより、前進し続けることができました。そして、コロナ渦において、テクノロジーは必要な「気晴らし」です。

加えて、この一年間、私たちは大部分が「バーチャル」な世界で必要な周辺機器に数十億ドルを費やしてきました。

過去一年間のナスダック総合指数の劇的な上昇には、このようなテクノロジーへの依存が垣間見れます。

ハイテク株中心のナスダック総合指数は、ダウ・ジョーンズ工業株平均やS&P500種指数のパフォーマンスを容易に上回りました。

そして、過去一年間で時価総額が最も大きく増加した企業を見ると、それらはすべてナスダック上場企業であることがわかります。

アップル (Nasdaq: AAPL) は、初の2兆ドル企業になり、時価総額は2020年2月中旬以降7,640億ドル以上も上昇しました。

また、テスラ(Nasdaq: TSLA)のCEO(最高経営責任者)であるイーロン・マスク氏は、同社の時価総額が5,810億ドル程の上昇幅を見せたことにより、一時期において、地球上最も裕福な人物となりました。 (編集部注:時価総額が変動する度にテスラのイーロン・マスクCEOはアマゾンのジェフ・ベゾスCEOと「世界で最も裕福な人物」1位の座を争っている模様です。)

さらに、アマゾン (Nasdaq: AMZN) とマイクロソフト (Nasdaq: MSFT) の時価総額は、過去一年間でそれぞれ3,900億ドル超上昇し、アップルに続いて次なる2兆ドル企業への道を進んでいます。

こういった企業の多くは、おそらく投資家なら皆エクスポージャーを持っておくべき次世代の優良企業です。しかし、これらの利益のもう一つの側面を認識しておく必要があります。

ニフティの50年間の教訓

時価総額が1,000億ドル以上上昇した8社のほかにも、時価総額が少なくとも530億ドル以上上昇した企業が11社もありました。

これらの合計19社が、過去一年間の株式市場での利益の半分以上を占めています。そして、これらの企業は投資家に7兆6,000億ドルの富をもたらしました。

その内複数の企業は目新しいものではありません。「FAANG株」の総称で知られる、フェイスブック (Nasdaq: FB)、アマゾン、アップル、ネットフリックス (Nasdaq: NFLX)、グーグルの持ち株会社であるアルファベット (Nasdaq: GOOGL) は、何年にもわたって株式市場における利益の大部分を占めてきました。

繰り返しお伝えしているように、株式市場はこの5社が行く道を辿って行くのです。これらの企業は、米国の主要株価指数の中で最もウェイトの高い銘柄です。

これは、1960~70年代の「ニフティ・フィフティ」のような状況です。

エイボン・プロダクツ、コカ・コーラ (NYSE: KO)、イーストマン・コダック (NYSE: KODK)、ゼネラル・エレクトリック (NYSE: GE)、J.C.ペニー、IBM (NYSE: IBM)、マクドナルド (NYSE: MCD)、ポラロイド、シアーズ、ゼロックス (NYSE: XRX) を含んだ50社は、アメリカ経済を推進させ、当時の強気相場の原動力となっていました。

これらの企業は、高い業績の伸びと株価収益率を誇っていたのです。

そして、一度購入したら永遠に保有する「一択の銘柄」として押し売りされていました。

しかし、株式市場には永遠に続くものなどありません。

投資家が一握りの企業に集中すると、免れられないことが起こるでしょう。

弱気派の売り攻撃を乗り切る

1973年から1974年にかけての弱気相場の間、ニフティ・フィフティ銘柄の多くは、より大きな打撃を受けました。これらの銘柄は、60%以上も暴落したのです。

もちろん、現在も生き残っているニフティ・フィフティ銘柄があることは確かです。中には、ブリストル・マイヤーズやスクイブのように合併した大企業もあります。そして、一部の企業は廃業し、時代のモニュメントと化しました。

残念ながら、「歴史は繰り返す」と言われます。

私はオフィスに、ルーセント・テクノロジーズのトートバッグを飾っています。

私がキャリアをスタートさせた当初、株式市場に何が起こり得るかの戒めとして頂いた物です。同社は、かつて米国で最も保有された株式でした。誰もがルーセントを保有していたのです。しかし、同社が2000年1月6日発表の第1四半期(10 – 12月期)決算が振るわなかった時、それは過熱するハイテクバブルの終わりの始まりとなっただけでなく、多くの投資家のリタイア計画を狂わせました。

パンデミック期間中、テクノロジーは私たちの救いとなってきました。テクノロジーのおかげでビジネスを継続することが可能になり、家族や友人、同僚にオンライン上で「会う」ことが出来ました。多くのハイテク企業や投資家の財産は、過去一年間の株価の上昇に支えられてきました。

しかし、これはさらに大きなリスク、つまり一握りの銘柄に集中しすぎる状況が作り上げられてます。ロールオーバー (乗換え)が発生した場合、あるいは弱気市場や株価調整が再来した場合、これらの銘柄が最も大きな打撃を受ける可能性が高いのです。

さて、株式市場の下落により、偉大な企業が倒産するわけではありません。ニフティ・フィフティ銘柄の数社は未だ存命です。アップル、アマゾン、マイクロソフトは何度ものバブル崩壊を乗り越えてきました。

しかし、ほんの一握りの銘柄(特に間違った銘柄)に頼りきっている投資家たちは、経済的な自立と豊かな老後の夢を、これらの下落によって押しつぶされてしまう可能性があります。

ハイリターンを願って。

マシュー

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Matthew Carr(マシュー・カー)

Oxford クラブ・ジャパンのチーフ・インベストメント・ストラテジスト。金融業界で20年のキャリアを持つ。 企業の中ではある一定のサイクルで株価が上下する銘柄があると言われており、マシューの専門はそのサイクルを見つけ出すこと。 彼の専門領域は石油・ガスといった伝統的な産業から、AI、5Gといった最先端テクノロジーなど多岐にわたる。 マシューの記事一覧 ≫

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