イランのミサイル攻撃で、エネルギー株への影響は?Vermilion Energyの配当安全性
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所要時間: 4分
この記事のポイント
- Vermilion Energy(NYSE:VET)の配当安全性に注目
- 17年間に渡り減配なしで配当金を支払い、4回の増配
- 配当の安全性評価は「D」
フリー・キャッシュ・フローから、配当の原資がないように見える
イランが米軍駐留基地にミサイル攻撃…そのニュースは、1月8日未明突然飛び込んできました。イラクにある米軍駐留基地に対してイランがミサイル攻撃を行いました。これにより、以前にも増して、イランとの米国の緊張が高まっています。
ただ、この兆候は以前からあり、緊張状態中だったことから、投資家の最近の注目は「エネルギー株」とも言えます。ただ、一般的な投資家は、この緊張で株価がどうなるか?が関心ごとかもしれません。ですが、私たちは彼らとは違い、「配当」がどうなるか?です。
そこで今回は、これまで私が分析をしてこなかった、エネルギー株を分析していきたいと思います。
17年間連続の配当金
その対象となる銘柄は「Vermilion Energy(NYSE:VET)」です。この企業は、カルガリーに拠点を置いています。また、米国、オランダ、ドイツ、フランス、オーストラリアでも事業を展開しています。
そして、彼らの配当の歴史はというと、ほぼ17年間にわたり配当金を支払ってきました。しかも、配当を減らしたことはなく、4回も引き上げてきました。素晴らしい記録です。
現在というと、1株あたり月額0.23カナダドルの配当を支払っています。これは米ドルで約0.18ドルに相当します。とても良い印象をうけます。
でも、この配当の歴史は、これからも継続できるのでしょうか?このまま17年間の素晴らしい記録が、継続されるのでしょうか?実は、この答えは、あなたが、その答えを求める人にとって異なります。その理由をこれからお話しします。
彼らのキャッシュは、どこから?
同社は、FFOに関するキャッシュフローを報告書に挙げていますが、これは、エネルギーである石油やガス事業によるものではありません。(※FFO…不動産投資信託(REIT)が賃料収入からどれだけのキャッシュを獲得しているかを表す指標)FFOとは、不動産投資信託から得られるキャッシュなので、何か在庫を持ち、そこから利益を得るものではありません。
同社のFFOを見ると、ここから配当を支払うために必要なキャッシュを生み出しているように見えます。2019年のFFOは9億3千万カナダドルと予測され同社の過去1年間に支払った4億2,900万カナダドルの配当を容易にカバーします。
ですが、フリー・キャッシュ・フローは違っています。フリー・キャッシュ・フローは、企業が受け取る現金の量を最も正確かつ控えめに計算したものでその企業の実態を示すものでしょう。
フリーキャッシュフローは?
このグラフをご覧ください。
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2019年は、わずか3億3900万カナダドルになると予測されています。今年2020年は、さらに2億7700万カナダドルまで下がる見込みです。このフリー・キャッシュ・フローでは、配当金をカバーすることはできません。
見るべきはFFOではなく…
つまり、こういうことです。FFOを見ると、キャッシュがあるように見え、配当の原資が、そこにあり安全に見えるかもしれません。しかし、フリー・キャッシュ・フローを見ると、配当の原資が、そこにあるようには見えないのです。
銘柄の安全性を分析するとき、私は保守的です。だから、FFOではなくフリー・キャッシュ・フローを重視します。なぜなら、それは投資信託から得た実態のないともいえる収益ではなく、その企業の本当の姿が見えるのが、フリー・キャッシュ・フローだからです。
それを考慮すると、「Vermilion Energy(NYSE:VET)」は「安全ではない」と分析します。現在、同社には減額のない優れた配当記録があります。しかし、私はフリー・キャッシュ・フローを心配しています。
もし、翌年に経営陣がそれを是正しない限り、私は、これから配当の削減の可能性があると考えています。翌年に経営陣がそれを是正しない場合、配当削減が必要になる可能性があります。
ですので、私はこの銘柄の安全性を5段階評価の中で、比較的悪い「D」をつけます。
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ぜひ、こちらを参考に、
あなたもエネルギー株を分析してみてはいかがでしょうか?
FFOだけでなく、
フリーキャッシュフローを分析することを、ぜひオススメします。
良い投資を!
マーク・リクテンフェルド
いかがでしたか?
少しでもこのアメリカの強い株が「いいな」と思ったら1株からでもいいので買ってみてください。(アメリカの株は日本と違って1株から買うことができます。)
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