投資情報

年後半の株式市場に備えるにあたって

 

早いもので6月末です。

日本は本州で梅雨最盛期を迎えるということで、体調を崩されないようご注意ください。(今の時期、私の周りでも体調を崩す方が多く見られます)

米国を中心とするグローバル金融の世界では、1月始まりで各期をカウントするのがスタンダードです。

よって、6月末は『半期終了』を意味します。

企業決算も12月末締めのものが多く、注釈無しに第1四半期と書いてある場合、それは1 – 3月期を意味することが大半です。

日本では第1四半期といった場合、4 – 6月期を意味することもあるので、その意味の違いには注意が必要です。

(少数派ながら、米国企業にも期ずれしている企業はあります。例えば小売り大手のウォルマート (NYSE: WMT) は1月末締めなので、第1四半期は2 – 4月期となります。)

ということで、6月末が終わり、7月中旬からは、企業の第2四半期(4 – 6月期)決算動向に注目が集まります。

まずは、投資銀行大手が皮切りとなり、7月末付近から8月初旬にかけて、多数の企業が決算を発表します。

現時点では、S&P500種指数全体では、前年同期比で、売上が+6.8%、1株当たり純利益(EPS)がマイナス1.9%と予想されています。

1 – 3月期のときは、EPSの事前想定が前年同期比でマイナス5%程度と予想されていたなか、実際に出た数値(実績値)は上振れて、マイナス0.9%で着地しました。

今回の4 – 6月期については、引き続き高いインフレ率や雇用コスト上昇が継続する一方で、エネルギー価格(原油)が下落していたこと、企業がコストカットなどを進めたことなどを背景に、現在マイナス1.9%と予想されている事前想定について、プラスに転じる可能性もあります。

また、2023年通期で見ると、前年比で、売上が+4.5%、EPSがマイナス1.3%と予想されています。

こちらについても、景気後退入りが来年半ばにずれ込むのであれば、今年はプラス(増益)で引けるという可能性も出てきます。

2024年の増益見通しはさらに強く、最近では、2024年までの予想値(今から1年半後までの累計)を見て、今の株価が安いのか、高いのかを論じるケースが見られます。

株価は将来の業績動向を先取りするものなので、2024年までを見据えて、長期的な視点に立って株価を判断するのは、ある意味で理にかなっているとも言えるのではないでしょうか。

 

短期的な株価の上下に一喜一憂してしまいがちだ、という投資家の方には、

『株式投資は長期目線で』

『木を見て森を見ず』とならないように

などとお伝えすることもありますが、

そうはいっても、今の株価水準をみると、短期的な株価に対する見通しをお聞きになりたい投資家が増えているのもわからなくはありません。

実際、短期的な株式市場の過熱感を見るのに使われるCNNの恐怖・貪欲指数は、米国時間28日時点で77と、『極端に貪欲』の水準にあります。

過去1年間を見て、この指数が『極端に貪欲』に傾いているとき、S&P500種株価指数は、下落した傾向が見てとれます。

また、S&P500種株価指数を構成する11のセクター(GICS分類)の年初来のパフォーマンスを見ると、

情報技術が+39.4%、通信=コミュニケーションが+35.1%と上昇している一方で、

エネルギーがマイナス8.8%、公益がマイナス8.2%、ヘルスケアがマイナス4.0%と低調に推移しています。(米国時間6月28日時点)

ご自身で、短期的な市場見通しも反映しつつ、長期的な投資のバランスを取って、資産形成に活かしているという投資家の方々は、こういった状況を踏まえて、4 – 6月期の決算発表シーズンを迎えると良いのではないでしょうか?

より詳しい内容については、今週火曜日(6月27日)のNewsモーニングサテライトのアメ株アップデートのコーナーと、放送終了後のネット配信(プレミアム)でお話してきましたので、有料会員になっている方は、是非ご覧いただければ幸いです。

 

なお、先週のメルマガでもお伝えしましたが、株式市場は以下の6つの項目が絡み合って動きます。

➀ 1株当たり純利益(EPS)…予想値と実績値あり
➁ 成長率 …キャッシュフローや配当
③ 売上高 …小型株・新興企業については特に重要
④ 金利…基本的には長期国債
⑤ 市場心理…リスク許容度
⑥ リスクプレミアム…株式市場のリターンと国債金利の差等

もちろん、銘柄によって、絡む項目の強弱は変わりますし、また、投資家の過熱状況によっても変わります。

『年後半の株式市場はどうなるのか』というざくっとした問いにお答えするには、

上記でお伝えしたような、セクター毎のパフォーマンス格差や、短期的な過熱感なども踏まえつつ、

銘柄や特性に応じて➀〜③のどれが特に重要なのかをクリアにしたうえでお答えしたいというのが本音です。

奥の深い議論でもあるので、初級の投資家の方はあまり深入りせず、

長期的には、『株価は業績動向にそって成長していく』という見方を前提として、将来にわたって業績拡大を継続する企業の目利きになって頂くと成果に結びつきやすいと考えます。

私自身も目利きの達人としてスキルを上げていけるよう、精進を重ねていきます。

志村暢彦

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志村 暢彦

金融業界歴24年。業界経験としてはファンドマネージャーとしての期間が最も長い。日ごろより、金融力は国力そのものであると考えおり、金融業界の心臓部や裏側で働き、政官財を含め、日本の金融の実態を見てきた経験をもとに、日本の金融リテラシー向上と、個人の理想的な資産形成の実現について、情報の収集と発信をしている。 著者の記事一覧 ≫

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