投資情報

最も当たりやすい予測は?

 

数多ある経済や社会に関する推計で、最も予測しやすいのは何でしょうか。

諸説あると思いますが、人口動態は『予測通りとなりやすい』ものの一つと言われています。

日本の人口はこのまま減少の一途をたどると言われていますが、逆に、世界人口は増加し続けています。

今年4月に、国連人口基金(UNFPA)が最新の世界人口推計を公表しました。

長年にわたり中国の人口が世界最多でしたが、UNFPAの推計によると、インドの人口が今年半ばに中国を抜いて世界最多となる見通しとなっています。

現在インドと中国それぞれの人口は現在14億人と拮抗していますが、2100年にはインドの人口は15億人、中国の人口は8億人になると予測されています。

インドの人口

 

人口が多いことが必ずしも経済や株式市場の押し上げに結び付くわけではありませんが、国内の生産活動を中心となって支える「生産年齢人口」は影響をもたらすとみられています。

一般的に、成熟した先進国の長期的な株価には、主に次の項目が影響すると考えます。

①1株当たり純利益(EPS)…予想値と実績値あり
②成長率 …キャッシュフローや配当
③売上高 …小型株・新興企業については特に重要
④金利…基本的には長期国債
⑤市場心理…リスク許容度
⑥リスクプレミアム…株式市場のリターンと国債金利の差等

が、それらのベースを形成するのは、国の全体的な経済活動や労働人口です。

国際通貨基金(IMF)による2023年と2024年のGDP推計によると、日本や米国に比べて、インドの成長率の高さが際立っており、来年、米国で利下げがなされるのであれば、新興国に資金流出する側面が出てくるとも考えられます。

ある意味、長期的な投資の視点で、米国一辺倒としている場合には、多少なりとも分散させる可能性を考えるには良い時期と言えます。

 

一方で、超長期の資産配分を考える上では、今から割合を固定させて臨むよりも、柔軟性を持ちながら、年々少しずつずらしていくと良いと考えます。

「生産人口年齢」による資本市場への影響力を表しているとされている指標の1つにMO比率というものがあります。

分子は40~49歳までの人口(Middle-aged)、分母は60~69歳の人口(Old)で求められるため、頭文字をとってMO比率とよばれています。

MO比率などの人口統計学的な変数には、歴史的に株式市場と有意な相関性があることが明らかにされています。

相関するのは、MO比率が「引退生活のために株式市場から資金を引き揚げている人の数」と、「老後に備えて貯蓄や投資をしている人の数」の比率を表すから。

そのMO比率ですが、米調査会社ネッド・デービス・リサーチのデータによると、中国のMO比率は現在の1.32倍から2050年には0.73倍まで急低下すると予測されています。

これは現在から2050年までの間に、経済や株式市場から資金を引き揚げる引退生活者の数が、貯蓄や投資をしている人の数と比較して、ほぼ倍増するということを示しています。

一方、インドのMO比率は、現在の1.98倍から2050年には1.34倍へ低下すると予測されていますが、中国よりは緩やかな低下。

これらが示すことは、両国の株式市場にとって、人口動態要因はいずれも追い風ではなく逆風になるけれども、相対的には中国よりもインドの方が「環境が良い」ということになります。

なお、米国のMO比率は現在の1.01倍から2030年代末には1.31倍に上昇し、2050年には1.15倍まで低下すると予測されています。

2030年代末にかけての上昇は、ミレニアル世代(1981年から1996年頃に生まれた世代)がMiddle-agedに含まれてくるタイミングであるからかもしれません。

つまり、超長期の人口動態からは、インド・中国よりも米国に優位性がある局面が想定されると考えられます。

株式市場は、その国の国民だけでなく「外国人」による投資比率が多く、影響を与えることがあります。

(日本はその例が顕著です)

超長期を見据え、「資産形成の軸をしっかりと作り、年々洗練させていく」ことが個人投資家の成功の秘訣と考えますが、国別の資産配分については、やや柔軟性をもたせて取り組むと良いと思っています。

志村暢彦

追伸1

「次の大ヒット株」になる可能性がありながら、
「複利」を活かした配当投資にもおすすめな高配当銘柄をこちらで紹介しています。

→特別動画を見る

追伸2

グローバル株への投資については、テレビ東京の豊島キャスターに進行頂いた解説を、以下のリンクからご覧いただけます。

激動期の長期投資とは?徹底解剖!グローバル株とアメリカ株【モーサテプレミアムセミナー】

世界の富裕層が実践するグローバル株式投資とは

また、拙著でも、グローバルに活躍する優良・成長企業についてのアイデアや、一歩先行く投資法についてご紹介しています。

楽天Books

Amazon

P.P.S
今回の記事はいかがでしたか?

あなたの資産形成に少しでもお役立ていただければ幸いです。

Oxford クラブでは、このような記事を33万人のメールマガジン会員様に毎日無料でお届けしております。

公式サイトからでも1週間にお届けする7つの記事のうち4つはお読みいただけますが、3つはメールマガジン会員様に宛てたものとなっております。

毎日2分メールをお読みになるだけで、少しずつ米国株による資産形成のコツを身に付けていただけるでしょう。

6つの高配当米国株レポート

ちなみに…メールマガジン登録者様にはもれなく『永久に持っておきたい6つの米国株レポート』も無料プレゼントしています。

株式投資というと、「いつ買うか?」というタイミングが大事というイメージが一般的…ですがこの6つは「いつ買ってもいい」銘柄です。

しかも「いつ売るか?」に頭を悩ませることも不要…「持っておく」だけで資産が積み上がることが狙える6つの銘柄を6,200株以上の中から厳選しました。(それが「永久」の由来です)

メールマガジンをお読みになって米国株のコツがつかめてきた頃、投資をする余裕が出てきた頃などなど…

あなたのタイミングで投資をご検討されてはいがかでしょうか?

投資リスクの低いものをお選びしているので米国株投資の初心者にもオススメです。

→「6つの永久に持っておきたい米国株」を無料で知る

志村 暢彦

金融業界歴24年。業界経験としてはファンドマネージャーとしての期間が最も長い。日ごろより、金融力は国力そのものであると考えおり、金融業界の心臓部や裏側で働き、政官財を含め、日本の金融の実態を見てきた経験をもとに、日本の金融リテラシー向上と、個人の理想的な資産形成の実現について、情報の収集と発信をしている。 著者の記事一覧 ≫

関連する記事

Back to top button