投資情報

大荒れが継続する欧米金融市場。 銘柄選びのポイントは?

WBC、すごかったですね!(野球の話です。二日前のことで恐縮です。)

ドリームチームみたいな編成の米国に対して、強い意志で立ち向かい、世界一となった日本。

とても夢がある話です。 

最後、米国のキャプテンで現役No1スラッガーと言われるトラウト選手を三振に仕留め、MVPに輝いた大谷選手。

大谷選手といえば、高校時代に作った目標達成シート(マンダラチャート)の出来が秀逸だったことが印象深いです。

マンダラチャートとは、目標を立て、その実現のために必要なこと(To Do)を、具体的に1枚のシートに記載するもので、

目標達成に何が必要か、イメージする。そして、目標が人を引っ張り上げていくことなどを意識して活用すると効果があがりやすいものです。

大谷選手の栄光も一日にしてならず。

高みを目指して努力するなかで、良い時も悪い時もあったはずですが、長期的な視点で自分を信じて取り組み続けたことで、大きなことを為し遂げました!

これからも大きなことを成し遂げ続けるのだと思います、取り組み姿勢を確立することの大切さを痛感します。

そして、この目標達成カードは、株式投資における資産形成において取り入れると有効であると考えます。

私も長期的な目標達成に向けて前向きな取り組みを継続していくつもりです。

 

さて、日本時間23日(木)午前3時、FOMCにおける政策金利の発表がありました。

今月、最も重要なイベントの一つです。

結果は事前の想定通り、0.25%の利上げ。

FOMCメンバーによる金利予想(ドットプロット)は据え置きといってよい内容。

今回で利上げ打ち止めとなるのか、次回5月の会合で再び0.25%の利上げを行ない、そこで打ち止めとするのか。

現時点では決め手に欠けます。市場予想(Fed Watch)は半々程度の織り込みです。(Fed Watchの直近はこちら

ドットプロットにおいて、FOMCメンバーは、今年はこれまで引き上げた金利を据え置く予想を示しました。そして興味深いのは、インフレ見通しがターゲットである2%まで低下せずとも、来年の利上げ見通しを提示したことです。

国際社会の分断などに伴って、コスト高が定着してしまう分野もあるので、従来よりも高いインフレ率を許容する発想も影響しているかもしれません。

政策金利発表後の、連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長の会見は、市場が想定しているよりタカ派的(金融引き締め的)と捉えられました。

シリコンバレー銀行(SVB)をはじめとする米国の銀行の経営破綻問題と、それに端を発する金融不安。

また、欧州におけるクレディ・スイスの経営問題(UBSグループが買収)。

もろもろを踏まえ、パウエル議長が利上げ停止を打ち出す期待も市場参加者の一部にはありましたが、

もし実際に、『利上げ停止』 『金融システムや景気に深刻な影響』などを話そうものなら、逆に金融不安が渦巻いたことでしょう。

なので、今回はタカ派的(インフレ対応は継続)と示したことについては、結果的に株式市場の投資家にとってポジティブな側面が多いのではないかと感じます。

 

ということで、ようやく本日の本題です。(前置きが長くなり、失礼しました)

欧州におけるクレディ・スイス問題。これは米国で起きている問題とは性質が異なるものです。

先週のメルマガでは、スイス中銀による支援の話までしましたが、その後、同じくスイス系のUBSグループに買収されることとなりました。

日本ではそこまで大きなニュースとなっていませんが、個人的にはとても大きな事件で、今後も語り継がれる、インパクトのある事象だと見ています。

特に、クレディ・スイスについて、『その他Tier1債』(AT1債)に分類される債券がデフォルトし無価値になったことは、衝撃です。

金融初級者の教科書に『債券は低リスク』、『株は高リスク』と書いてあったけど、まさか債券価値がゼロになるなんて、と驚いた人も多いのではないでしょうか。

AT1債は、高い利回りが提供されるということで、広く活用されてきました。日本でも購入した投資家はいたはずです。

同債券形態は、国際的な活動を行う銀行が満たすべき基準を達成するために、資本の脆弱性が見られる銀行などが積極的に活用してきた重要な調達手段です。

今回の事象から、他の銀行が発行するAT1債も軒並み大きく価格が下落していますし、今後、新規の発行が大分困難になるのではないかといった報道も見られます。

活用してきた金融機関の資本調達コストが大きく引き上げられるという見方もできます。

結論としては、健全で先行きに不安が少ない銀行には一層預金が集まり、ビジネスの選択肢が増える一方で、不安視される銀行は敬遠される方向に向かう印象を受けています。

また、長短金利差が逆転する期間(2年債金利が10年債金利よりも高い期間)が長引いている現在、逆ザヤの影響を色濃く受ける銀行も避けたいところです。

健全なところはより健全に。勝ち組がより勝ち組に。という展開のなか、健全だけれども、連れ安している金融機関には、長期投資の視点で良い投資機会が提供されるのではないかと考えられます。

また、金融関連銘柄以外の投資先について、今後、投資妙味が生まれやすい企業(銘柄)はどのような特徴があるでしょうか。

視点としては、

  • これまで、過去最高の収益を実現してきたような企業で、今後も最高益の実現が期待できる企業か。
  • 昨年は、急激な利上げの影響を受けて株価が下落し、足元でも金融不安の高まりを受けて軟調に推移している企業か。
  • 仮に景気後退局面入りしたとしても、相対的に影響を受けにくいポジションを築けているか。

といった点などがあげられると考えます。

局面毎に、増減する投資家の不安心理が市場を動かす要素が大きくなっており、この点に関しては少し長引く可能性があります。

個別銘柄や業種で明暗が分かれやすい環境とも言え、個別株の銘柄アイデアを精査する目利きとなることを計画的に目指していくと、リターンに繋がりやすいと考えます。

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引き続き、鮮度の高い情報をお届けしていきたいと考えています。

志村 暢彦

 

P.S.

追伸1

3月27日には、日経CNBCの昼エクスプレスに出演予定です。激動する金融マーケットに関して、お話させて頂きます。

追伸2

おかげさまで、Amazonの金融・銀行部門で1位を獲得した拙著ですが、ダイヤモンド・オンラインでも適宜記事更新されており、ツイッターでも案内されています。

P.P.3
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志村 暢彦

金融業界歴24年。業界経験としてはファンドマネージャーとしての期間が最も長い。日ごろより、金融力は国力そのものであると考えおり、金融業界の心臓部や裏側で働き、政官財を含め、日本の金融の実態を見てきた経験をもとに、日本の金融リテラシー向上と、個人の理想的な資産形成の実現について、情報の収集と発信をしている。 著者の記事一覧 ≫

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