必死に貯金するだけでは不十分?
老後の生活のために、あなたは何をしていますか?
米国の若者たちは、老後とまでいかなくとも、
将来、そして現在の生活のためにあることをする傾向が強くなっています。
それは実家暮らし。
実際、両親と暮らしている30歳以下の成人は、
2020年夏の時点では全体の52%に及んでいます。
これは80年ぶりの最高値です。
その理由は決して彼らが「親に頼ろうとしている」からではなく、
経済的にそうせざるを得ないからです。
2年前に発生した新型コロナウイルス感染症の世界的流行による
経済への影響を、彼らは大きく受けました。
学生ローンや家賃といった出費が重くのしかかり、
できるだけ、出費を抑える必要が出てきました。
その結果、家賃や住宅ローンの心配をせずに生活できる
実家で暮らすことになったのです。
そして、そこで生まれた余裕によって、
貯蓄をすることができるようになりました。
これは、若者たちにとって、
経済的に余裕がない状態から
抜け出す大きなチャンスになります。
現在の20代は、リーマンショックが起きた景気後退期に育ちました。
つまり、経済が悪い状態にある時をみてきたのです。
ですので、将来へ備える意識が高いと言えます。
特にこの中のミレニアル世代はこの傾向が強い傾向があります。
実際、米国確定拠出型年金401kプラン*を始めた平均年齢を見てみると、
ミレニアル世代が22歳、Z世代が28歳、
そして、ベビーブーマー世代(1946年から1964年)の場合は35歳となっていて、
非常に早い段階から将来への備えを始めていることがわかるでしょう。
*米国の年金制度の1つ。従業員が給料やボーナスを企業から支払われた時点で受け取るか、または将来、年金や一時金として受け取るかを選択できるというもの。
また、若い世代が多く利用する傾向があるスマートフォンアプリに、
資産状況の確認や小額投資ができるものが多くあるのも、
彼らの将来への備えを後押ししています。
さて、米国で「最も偉大な世代」と言われる1901年から1927年生まれの人々は、
経済への認識に長けており、出費に慎重でした。
なぜなら、大恐慌時代に育ったからです。
これらを考えると、20代の若者たちは「怠惰である」というよりは、
「最も偉大な世代」と同じような習慣を身につけているとも言えます。
とはいっても、老後を「快適に」暮らすためには不十分です。
20代の若者は、まだ身の丈にあった倹約生活を送り、
積立金を増やし、長時間労働をする必要があるでしょう。
つまり、実家暮らしで生活費を抑えながら、
できる限り働かなければいけないということです。
しかし、方法はそれだけではありません。
資産形成に関する正しい知識を持ち、それを実践できれば、
老後の快適な生活は現実に近づいてきます。
もちろん、これは若者たちに限ったことではなく、
どの年代にも言えることだと思います。
将来の快適な生活を現実に近づけるために、
大切なのは知識と行動なのです。
~編集部コメント~
米国の若者たちのように、
2020年のコロナショックにより
経済的に大きなダメージを受けた人はたくさんいました。
しかし当時、
逆に資産を増やした人たちがいたのです…
彼らに共通する”秘密”とは?