私は高成長の小型株に着目することが多いです。
しかしながら、ポートフォリオ上では、時価総額の観点で、分散させてことは有用です。
そうすると、株価が変動しても、ポートフォリオを安定させる助けになります。
ご存知のとおり、この1年、小型株を代表するラッセル2000株価指数はダウ工業株30種平均(ダウ指数)のほぼ2倍の上昇率となっています。
しかし、少なくとも現時点では、今年はダウ指数の大型優良株が小型株を僅差で上回っているようです。
既存産業の大型株に投資することは退屈なことではありません。事実、抜本的な改革が顕著に現れています。
8.2兆ドル規模セクターで進化が進んでいるのです。
まだあなたに影響を及ぼしていないようでしたら、今後影響を受けることになるでしょう。
“加速する”ヘルスケア
現在起こっていることをすぐにパンデミックのせいにする人がいます。しかし、実際のところ、この傾向は2020年よりもかなり前から見られました。
新型コロナウイルスはただ単にそのペースを早めただけに過ぎません。
パンデミックは依然として身近で起きていることであり、対面での購入に依存しているビジネスすべてを圧迫しています。デジタル販売に移行できないビジネスは崩壊してしまいました。
バー、クラブ、劇場、レストラン、小売業以上にパンデミックで苦難を味わっている業界がもう一つあります。個人経営の薬局です。
これは、新型コロナウイルスが個人経営のビジネスオーナーに大打撃を与えているという話ではありません。映画『ハイランダー』で見られるように大手企業はより大きく、強くなっているということです。
薬局は多くの人手を必要とし、経営するのに費用がかかります。パンデミックは数十年に渡りそのセクターを悩ませてきた経営難を単に悪化させただけです。
電子商取引が、消費手段のありとあらゆるところに入り込んできたため、薬局の状況は悪化の一途を辿っています。
2003年から2018年にかけて、1,231軒の個人経営の地方の薬局が店仕舞いしました。米国における地方の薬局の16%に相当します。
それはパンデミックが始まる以前のことです。
新型コロナウィルスの検査やワクチン接種は、実際、このような家族経営のビジネスの負荷を軽減させる助けとなりました。しかし、顧客が緊急性のない処方薬を補充することを中断したり、ネット販売や通信販売に移行したりして、このような薬局の多くに耐え切れないほどの負荷がかかりました。そして他の何万ものビジネスと同様、廃業に追い込まれたのです。
2020年には都市部と地方部の薬局の数は、史上初めて20,000店舗以下へと落ち込みました。
そして店舗の閉鎖は今年に入ってからも続いています。
しかし、薬局に行けなくなる心配をする必要はありません。米国の薬局数は2018 年から3.74%増加しています。
それは、8.2兆ドル規模のヘルスケアセクターの状況の変化が一因となっています。
好調で成長を続ける一万店舗
CVSヘルス (NYSE: CVS) やウォルグリーン・ブーツ・アライアンス (Nasdaq: WBA) といった米国大手薬局チェーンは規模を拡大しています。新型コロナウイルスの時代、個人経営の薬局が苦戦している中で、このような大手薬局は盛況です。
CVSヘルスは米国内で最大手の薬局運営事業者であり、一万店舗を展開しています。処方薬市場の24.8%はCVSヘルスが占めています。
そして、我々が嫌悪しようと、個人経営の薬局が苦戦し廃業すると、CVSヘルスのような大手薬局が一気にその地位を奪っていきます。
これが、この数年で進行している事態です。パンデミックが原因なのではなく、ただ単にパンデミックにより加速したというだけです。
この1年で、パンデミックはピークを迎え、薬局にとってかなりの追い風になったと思っている人は多いでしょう。しかし、現実からは程遠いことです。
個人の薬局経営者は苦難に見舞われています。強いものはより強くという理論があてはまり、映画「ハイランダー」に見る投資手法が功を奏しました。
投資家にとって、アップル (Nasdaq: APPL) やアルファベット (Nasdaq: GOOGL) やCVSといった各分野の大手企業に目を向けることが重要な時があります。その業界が発展し、変化し、合併整理されていく中でも、そういった大手企業は利益を上げることができます。
パンデミック後の世界では、それがこれまで以上に重要になってくるかもしれません。
ハイリターンを願って。
マシュー
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