明日から使える投資のルールをお教えしましょう。
これからお話する3つのルールに沿って企業を見ることが、数多くの中から成長する会社を見抜くヒントになると思います。
本題に入る前に、少しだけ私の話をさせてください。
私はこれまで、SFに影響を受けてきました。これからお話する3つのルールもSFからヒントを得たものです。
あなたは、ダグラス・アダムズ(Douglas Adams)という作家をご存知ですか?
彼は、1,500万部をほこるベストセラー『銀河ヒッチハイク・ガイド』の著者です。この物語は、巨大宇宙船の襲来で、最後の地球人となった平凡なイギリス人が宇宙空間を生き抜くサバイバルを描いたものなのですが、本の表紙に「慌てないで!(Don’t panic)」と書かれています。
私がたびたび、価格変動や市場の不透明性について書く時、この作品のことが頭に浮かんでいます。
「慌てないで!」と、それはもう、呪文のようにこの10年間くり返し唱えてきていますが、危機や混乱に立ち向かおうと思ったら、未来を見据えて、落ち着くことが大切です。
これからお話するルールは彼の考えにヒントを得ているんです。
1990年代後半、インターネットが現れ世界がガラッと変わり始めた時代に、ダグラスは『心配をやめ、インターネットを愛する方法』というエッセイを書いています。その中で、彼はSF作家らしく、進化するテクノロジーに向き合うための、
次のような3つルールを定めています。
1) あなたが生まれた時に既にこの世にあるものは、すべて当たり前の事実として捉えましょう。
2) あなたが30歳になるまでに発明されたものはどれも、信じられないほどエキサイティングで創造的で、運がよければそこからキャリアを築くことができると捉えましょう。
3) あなたが30歳以降に発明されたものはすべて、自然の流れに反していて、ついていけないとすら感じることでしょう。ですが、10年ほど経った頃からその存在が、徐々に受け入れられ、理解できるようになるでしょう。
ここで大切なことは、世界は絶えず動いていて、テクノロジーは、一歩先を行っているということです。
SFのように日々新しい未来が訪れています。
二十年前には、誰も電子マネーで取引が行われたり、テレビゲームで生計を立てるなどと想像していませんでした。
ですが、私たちはそういった世界にいます。そして、この進化する現実こそが、さらなる未来に向かって進む上で、私たちを刺激し続けているのです。
私はダグラスが書き記した3つのルールに基づいて、より多くの人たちと新しい大発見や新しいテクノロジーについて共有することをわくわくしていますし、アナリストとして最も破壊的な分野で、どの企業が最大の利益を生み出すかを明らかにすることが大切だと考えています。
私はこれまでも、グロース株(成長株)が長期的に見て、バリュー株(割安株)を上回ることを示してきましたが、これからも、ベストな成長株を見つけるために、次の3つのルールを大切にしていくつもりです。
1) 魅力的なペースで、頻繁に、少なくとも2桁の収益成長が望める。
2) 投資価値を高めるため、最近、高値から下がった高成長企業の株を狙う。
3) 大きく、成長している市場のリーダーとなるような企業を見つける。
これが、投資家にとって高いパフォーマンスを生み出すための基本となる考え方です。
破壊的技術や高成長企業を狙うというだけでは、不十分です。
高いパフォーマンスを得るためには、より微妙な差異が必要となります。
この3つのルールを守ることで、投資家はリスクを適切に管理して、高い利益を得ることすら期待できるのです。
何に投資をしていても、投資家は不安を感じるものです。
けれども、こういったルールを持って取り組むことが、あなたの投資を良いものにしていくのです。
インターネット、スマートフォン、電子マネーのように、ここから訪れる大きなテクノロジーの変化を恐れずに、あなたの投資がうまくいくことを願っています。
ハイリターンを願って。
マシュー
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