「こんなに大きなお金をどうやって断ればいいの？」
息子は苦しそうな表情で私にそう尋ねました。
数年前、当時17歳だった彼は大きな決断を迫られていました。
名門大学から高額の奨学金を提示されたのです。
しかし、何度か訪れたものの、
その大学には魅力を感じられず、
一方で、彼が本当に学びたい分野で、
全米トップにランクされる大学にも合格していました。
その地域は彼が大好きな場所で、
訪問時に出会った学生や教授陣にも好印象を抱いていました。
ただし、そちらは全額自己負担です。
私は彼にこう話しました。
「お金だけを基準に決断すると、必ず後悔する」
私自身、大学卒業後に同じような経験をしました。
▼私は2つの企業から内定をもらいました。
- 1つ目の企業は雰囲気が良く、
面接で出会った社員たちも私を歓迎してくれていました。 - もう1つは、ニューヨークのグリニッジ・ビレッジにある
アーティスティックな企業。
社員たちは皆、
一方、私が採用されたのは、
ただの「空席を埋めるため」に過ぎませんでした。
それでも給与が高かったため、私は後者を選んだのです。
結果、仕事は苦痛で8か月で辞めることになりました。
同じ過ちを再び犯しそうになったこともあります。
Oxford クラブに入社して間もない頃、
ウォール街の企業から高給オファーを受けたのです。
現在よりも高い給与とボーナス、そして歴史ある金融機関。
魅力的な話でしたが、私は日々の業務について考えました。
ヘッジファンドの運用者と話し、彼らをさらに裕福にする仕事か？
それとも、
さらに、Oxford クラブの同僚たちは素晴らしく、
CEOは私個人の成功を真剣に考えてくれる人でした。
単なる会社の利益を追求するのではなく、
私の成長を気にかけてくれる存在。
これは新鮮でした。
結果、私はウォール街の高給オファーを断り、
Oxford クラブに残ることを選んだのです。
それから17年が経ちますが、
この話は投資にも通じるものがあります。
考えずにお金を追うと、誤った選択をする
投資の目的はもちろん「お金を増やすこと」です。
ですが、考えずにお金だけを追いかけると、
例えば、高配当銘柄を狙う投資家は、
10%を超える配当利回りの株に魅力を感じることが多いです。
もちろん、それ自体は悪いことではありません。
ただし、リスクを理解せずに「10%以上の配当」という
数字だけに引き寄せられると危険です。
配当利回りが10%を超える株は、
一般的に4%程度の安定した配当を出す優良企業よりも
リスクが高い傾向があります。
それを知らずに投資すると、
株価が急落したときに「なぜだ？」と困惑することになります。
もちろん、高配当銘柄がすべて悪いわけではありません。
【まとめ】失敗から学んだこと
しかし、重要なのは、
「なぜその配当が実現しているのか」を理解したうえで
投資することです。
配当投資だけではありません。
株価の値上がり益、つまりキャピタル・ゲインを
追い求める投資も同じです。
ドットコム・バブルの時代、
多くの投資家はビジネスモデルを理解しないまま
急成長する企業に飛びつき、大きな損失を出しました。
投資において「投機」や「高配当銘柄」自体は、
悪い選択ではありません。
ただし、それが自分のリスク許容度に合っているのか、
十分理解したうえで投資することが大前提です。
「いくら儲かるか」だけを考えてしまうと、判断を誤ります。
私たちは投資で利益を得るべきですし、
快適な老後のための資産形成を強く推奨します。
しかし、「儲けること」だけを追い求めてしまうと、
その結末は私がグリニッジ・ビレッジで経験した仕事と
同じような結果になるでしょう。
幸い、息子は私の失敗から学んでくれたようです。
彼は奨学金ではなく、
自分が本当に学びたいことを学べる大学を選びました。
そして今、彼は充実した学生生活を送っています。
その結果、私の財布には大きな打撃となりましたが、
彼が満足できる環境にいることを何よりも嬉しく思います。
良い投資を
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