米国配当株投資

暗号資産への疑問点を考える

先日の大統領選挙でのトランプ氏の再選以降、

金融市場は大きな上昇相場となっています。

トランプ氏の掲げる減税や規制緩和への期待から、IT大手などを中心に買いが進み、

選挙翌日には今年48回目の最高値更新となりました。

そして、このような動きは株式市場に限ったものではありません。

暗号資産市場も盛況です。

例えばビットコインは先週、最高値である9万ドルを超えました。

出所;Trading View

そして、トランプ氏が暗号資産に対して非常に肯定的であることを考えると

今後も暗号資産は注目を集めていくでしょう。

一方で私は暗号資産を懐疑的にみています。

なぜなら…

・代替通貨としての役割を期待されているが、未だ実際の通貨としてはほとんど使われていないのではないか?

・価格変動が非常に大きいため、価値の保存手段になり得ないのではないか?

などの疑問があるためです。

そこで先日、暗号資産に肯定的な友人たちに先ほどの疑問を投げかけました。

これは彼らの考えを否定するためではありません。

自分が間違っている可能性がある部分を見つけて学ぶためです。

すると友人の1人は、

「ビットコインは金(ゴールド)と同じような価値の保存手段だ。

「しかも、金の延べ棒よりも保存、運搬、取引が簡単だ。」

と語りました。

 

彼が主張するように、暗号資産は価値の保存手段なのでしょうか?

そうなる可能性はあるでしょう。

誰かが通貨、商品、またはサービスと引き換えたいと思えるようなもの。

例えば、プレミアがついた漫画本、野球カード、希少コイン、切手、芸術作品などを考えてみましょう。

それらは多くの人が「価値がある」と認めていることで、資産として扱われているものがあるでしょう。

つまり、人々がそれを価値の保存手段と認めれば、それは価値の保存手段になり得ます。

また、金の延べ棒にはほとんど実用性がありません。

しかし、社会がそれを2,000ドルの価値があると認めれば、その瞬間にそれは2,000ドルの価値を持ちます。

これはビットコインについても同じことが言えますね。次に、実用性、つまり実際に取引に使われているかどうかも考えてみましょう。

非常に少数の個人や企業がビットコインで取引していますが、その数は増えつつあります。

トランプ氏は選挙キャンペーンで2,500万ドルの暗号資産寄付を受け取りました。

その結果、彼は暗号資産の肯定派に変わったようです(彼の前回の大統領在任中には暗号資産に反対していました)。

 

また、暗号資産は国境を越えた取引にも容易に使用できます。

米国に住む人が国際送金サービスを使って他の国に住む家族に送金する場合には、

多額の手数料を支払う必要がありました。

しかし、暗号資産を親戚のデジタルウォレットに転送することで、1ドル以下の手数料で送金できます(ただし、暗号資産が唯一の手段という訳ではなく、PayPalなどのサービスを通じて簡単に送金することもできます)。

また、通貨取引がデジタルに移行するにつれ、持ち歩く現金や、自宅に保管しておく現金の量も減りつつあります。

そして現在、暗号資産はデジタル化された通貨とそれほど差が無くなってきています。

友人たちとの議論を経ても、私は暗号資産には懐疑的です。

一方で、市場では今年、暗号資産ETFが承認されるなど、投資先の1つとしても認められつつあります。

 

同様に暗号資産に対する私の考えは日々進化しています。

そして、これからも暗号資産に関する調査を続けることを楽しみにしています。

少なくとも、それは有益な学びとなるでしょう。

人の考えは変わることがあります。

私は以前、芽キャベツが嫌いでしたが、今では大好物です。

暗号資産に対しても同じことが起こるのでしょうか?

私自身が楽しみにしています。

P.S.

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Marc Lichtenfeld(マーク・リクテンフェルド)

Oxford Club チーフ・インカム・ストラテジスト。ウォール・ストリートを含め25年の経験のある配当投資の専門家。「Get Rich with Dividends(邦題:日本人の知らない秘密の収入源 年100回配当投資術)」著者。2013年に配当投資の専門誌Oxfordインカム・レターを創刊し、世界中に読者を持ち有料購読者は8万人を超える。FOX、CNBC、Forbesなどの有名メディアはもちろん、BloombergやBarrons、The Wall Street Journalといった権威ある金融専門メディアにも多数出演。 マークの記事一覧 ≫

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