米国配当株投資

個人投資家なら知っておきたい 「オプション取引」

先日、個人投資家向けの投資ソフトウェアを開発・販売しているTrade Smith社のCEO、Keith Kaplan 氏と話す機会がありました。

そこで話題に上がったのがオプション取引について。

米国の投資家の間では、常に話題となる取引手法ですが、

まだまだ「難しそう」「リスクが高くて怖い」といったイメージが持たれがちなのも事実です。

確かに、オプション取引の中には、「比較的短期で、リスクをとって大きなリターン」を狙っていく戦略もあります。

一方で、いわば下落に備えた「保険」のように使える手法や、コツコツと小さな利益を得続けることを目指す手法など、オプション取引を活用した戦略の幅は非常に広いものとなっています。

そのため、オプション取引を活用し、自分の投資スタイルに合わせた手法を選ベば投資の幅を大きく広げることができるでしょう。
 

そこで今日は、そんなオプション取引の中で

基本の1つである、「コールオプションの買い」についてご紹介します。

この手法は、リスクをとって大きなリターンを狙う積極的な投資戦略。

普段私がお届けしている「配当投資」のような保守的な戦略とは異なりますが、一歩進んだ投資家になるためには、ぜひ知っておいていただきたい手法の1つです。

そもそもオプションとは、特定の日付までに特定の価格で株を売買する権利のこと。

そのため、オプションにはコールオプション(買う権利)プットオプション(売る権利)の 2 種類があり、これらの「権利」を売買するのがオプション取引というわけです。

そして、今回ご紹介する「コールオプションの買い」とは、

つまり、「特定の日付までに特定の価格で株を買う」権利を買うことです。

具体的に考えてみましょう。
 

ある株の現在価格が 116 ドルだったとします。

そして、その株1つを「11 月15日までに125 ドルで買える」という内容のコール・オプションが0.7 ドルで購入できるとします。

ここで注意が必要なのが、オプションの取引単位。

一般的に、オプションは100株分から購入する必要があります

日本株が一般的に100株が売買単位になっているのと似ていますね)。

そのため、このコールオプションを買う場合、

「 11 月 15 日までに 1 株あたり 125 ドルで100 株(合計 12,500 ドル)を購入する」権利を1 株あたり 0.70 ドル(合計 70 ドル)で買うことになります。

なぜ、「現在価格が116ドルの株を125ドルで買う」権利に70ドルもの価値がつくのでしょうか?

それは、「11月15日までに株価が 125 ドルを超える」と考えている投資家がいるからです。

ここで、125ドルを超えるどころか、116ドルから110ドルに下がってしまった場合を考えてみましょう。

普通に株を買っていた場合、その損失は 600 ドル (1 株あたり 6 ドル x 100 株) になります。

 
一方で、コール オプションを購入した場合、損失はそのオプション価格分の 70 ドルに制限されます。

なぜなら、オプションはあくまで権利なので、株を高値でわざわざ買わずにその権利を「捨てる」ことができるからです。

逆に予想が正しく、株価が 125 ドルを超える場合、その時の株価より安い125 ドルで株を購入することで、利益を出すことができます。

また、コールオプションを売却して利益を出すこともできるでしょう。

なぜなら、株価が125ドルを超えていれば、コールオプション自体の価値も上がってるためです。

例えば、株価が116ドルから130 ドルまで上昇したとしましょう。

株価の上昇率は12%。

株価はオプションで決められた125ドルより5ドル高いため、

買う権利を使えば5ドルのリターンを得られることになります。

そのため、5ドルのリターンが確定している分、コールオプションの価値は少なくとも 5 ドルになるでしょう。

0.70 ドルのコールオプションの価値が5ドルに上昇しました。

つまり元の価格の 7 倍以上。

株価の上昇率が12%である一方で、オプションは 600% 以上上昇することになります。

 

このように、株価の上昇率を超えたリターンを狙うことができるのです。

もちろん、リターンを膨らませられる分、損失の可能性もあります。

株を普通に買う場合、その価値がゼロになってしまう可能性は低いですが、オプションの場合は十分に起こり得ます。

例えば、11 月15日時点で、株価が 124.50 ドルで取引されている場合。

「11月15日までに125ドルで買う権利」であるコール オプションは、当然無価値となり、そのまま期限切れになります。

このように、「コールオプションの買い」はリスクをとって大きなリターンを狙う戦略と言えるでしょう。

そのため、投資資金が十分でない投資家にはおすすめできませんが、

「投資の土台となる”保守的な”銘柄にはもう投資し終わった」

「余剰資金があるから、もう少し”攻めた”投資をしてみたい」

という投資家は、次の一歩としてチャレンジしてみるのもいいでしょう。

そして、オプション取引はこの「コールの買い」以外にも「コールの売り」「プットの売買」…それらを組み合わせた多くの手法があります。

オプション取引について知れば、あなたの投資戦略の幅が広がるだけでなく、もっと投資が面白くなると思います。

 

P.S.S.

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Marc Lichtenfeld(マーク・リクテンフェルド)

Oxford Club チーフ・インカム・ストラテジスト。ウォール・ストリートを含め25年の経験のある配当投資の専門家。「Get Rich with Dividends(邦題:日本人の知らない秘密の収入源 年100回配当投資術)」著者。2013年に配当投資の専門誌Oxfordインカム・レターを創刊し、世界中に読者を持ち有料購読者は8万人を超える。FOX、CNBC、Forbesなどの有名メディアはもちろん、BloombergやBarrons、The Wall Street Journalといった権威ある金融専門メディアにも多数出演。 マークの記事一覧 ≫

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