米国配当株投資

人気の半導体銘柄は 本当に「買い」なのか?

2024年3月4日、米国の証券会社チャールズ・シュワブ (NYSE: SCHW) は2月の月次取引データを発表しました。

そこには、この1か月の間に、個人投資家がどんな銘柄を多く取引したのかが記載されています。

多く買われた銘柄は次のようなものです。

エヌビディア (Nasdaq: NVDA)、アルファベット (Nasdaq: GOOGL)、アドバンスト・マイクロ・デバイセズ (Nasdaq: AMD)、スーパー・マイクロ・コンピューター (Nasdaq: SMCI)、アーム・ホールディングス(Nasdaq: ARM)。

ここに驚きはありません。

いずれも半導体チップの生産に関わるハイテク株で、その多くの株価が1月の調査以来上昇しています。

一方で、個人投資家が最も売った銘柄は、ウォルト・ディズニー・カンパニー (NYSE: DIS)、パランティア・テクノロジーズ (NYSE: PLTR)、マラソン・デジタル・ホールディングス (ナスダック: MARA)、フォード(NYSE: F)、ゼネラル・モーターズ (NYSE: GM) でした。

興味深いことに、2月中にフォードは8月初旬以来の高値で取引され、その時の株価は10月の安値から34%上昇、その他のほとんどの企業は52週間の高値かそれに近い水準で取引されています。

つまり、個人投資家は史上最高値を更新するような白熱した銘柄を買う一方で、まだまだ上昇余地がある銘柄を売っているのです。

これは個人投資家が犯してしてしまう典型的な間違いと言えるでしょう。

もちろん、エヌビディアがもう上昇しないと言っているわけではありません。その可能性はありますし、実際に上昇傾向にあります。

しかし、個人投資家は皆が買っていない銘柄、つまり無視されている銘柄を買うべきなのです。
確かにウォール街の投資のプロたちも「皆に買われている銘柄」を無視しているわけではありません。

次の表を見てください。

出所:チャールズ・シュワブのデータを元にOxford クラブ作成

「個人投資家に買われている銘柄」に対するアナリストの評価は圧倒的に「Buy(買い)」ですが、「個人投資家が売っている銘柄」のうち、強気の評価をしているのはディズニーとゼネラル・モーターズだけです。ほとんどは個人投資家と同じ評価をしているのです。

これは、ウォール街の「投資のプロ」たちが多くの個人投資家より、必ずしも銘柄選びに長けているわけではないことを示しています。

先ほどの表を見てみてください。

55人のアナリストのうちなんと50人(そう、55人中50人です!)が、過去1年で265%、過去1年半で538%上昇したエヌビディアを史上最高値で買えと言っているのです。

もちろん、まだまだ上がる可能性はありますが、これだけ多くのアナリストが、何百万人もの個人投資家とともに、全員が同じ考えを持っていることを考えると、株価の「ガス欠」が近いのではないかと感じます。

確かにエヌビディアは素晴らしい四半期を報告しました。しかし、次の四半期に期待はずれの数字を発表したらどうなるでしょうか?超強気なアナリストや投資家たちが動揺し逃げ出せば、株価は1日で20%下落するかもしれません。

一方、パランティア・テクノロジーズを担当している18人のアナリストのうち14人は、「Hold(据置)」または「Sell(売り)」の格付けをしています。仮にパランティアの決算発表が良いものでなかったとしても、格付けに大きな変化はなく、株価にも大きな影響は出ないでしょう。

しかし、もし同社が素晴らしい四半期を報告し、ガイダンスを引き上げたとしたらどうでしょう。そうなれば、弱気なアナリストは意表を突かれ、予想を引き上げざるを得なくなり、場合によっては評価も引き上げられるでしょう。

そうすれば一気に注目が集まり、株価は大きく上昇するかもしれません。

このように、格付けの変化は株価に大きな影響を与える可能性があるのです。

アナリストや個人投資家は、パーティに遅れて参加することで有名です。

話題の銘柄を買い、そうでない銘柄は手放します。

しかし、本来はその逆で、人気銘柄を売り、他の投資家が欲しがらない優良銘柄、いわば「掘り出し物」を拾うべきなのです。

ハイテク株に対する市場の圧倒的な強気は、この熱狂が終わりに差し掛かっていること、
そして、市場に「掘り出し物」が隠されていることを示唆しているのかもしれません。

 

 

~編集部コメント~

今、市場にどんな掘り出し物があるのでしょうか?

例えば、短期的なブームではなく、長期的なトレンドに乗った”あるエネルギー”に関連した銘柄です。

その銘柄についてまとめた動画をこちらからご覧いただけます。

→動画を見る

 

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Marc Lichtenfeld(マーク・リクテンフェルド)

Oxford Club チーフ・インカム・ストラテジスト。ウォール・ストリートを含め25年の経験のある配当投資の専門家。「Get Rich with Dividends(邦題:日本人の知らない秘密の収入源 年100回配当投資術)」著者。2013年に配当投資の専門誌Oxfordインカム・レターを創刊し、世界中に読者を持ち有料購読者は8万人を超える。FOX、CNBC、Forbesなどの有名メディアはもちろん、BloombergやBarrons、The Wall Street Journalといった権威ある金融専門メディアにも多数出演。 マークの記事一覧 ≫

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