「高配当=投資すべき」は本当か?
先日、米国の読者から受け取った銘柄分析のリクエストに応えました。
今日はそれを日本の皆さんにも共有しようと思います。
その銘柄とは、グローバル・ネット・リース(NYSE:GNL)。
GNLは、商業施設に特化した不動産投資信託(REIT)*です。
そこから得られた利益を投資家に分配する銘柄のことを指します。
GNLは米国とヨーロッパに1,300以上の物件を持っており、テナントの業種は多岐にわたり、
テナントのトップ3には、自動車メーカーのマクラーレン、国際運送会社のフェデックス、インペリアル・リライアンスが名を連ねています。
そして、そのウェブサイトを訪れると、 “STABLE INCOME(安定した収入)”と書かれたバナーがまず目に入ります。
それは、FFO(Funds From Operation)。
FFOとは、REITが賃料収入からどれだけのキャッシュを獲得できているかを示す指標です。
つまり、この数値が高くなればなるほど、それだけ配当金を支払う余裕があると考えられます。
昨年のFFOは、2021年の1億7,350万ドルから1億7,290万ドルへと少し落ち込みました。
このような収入の減少は「今後も同じ水準で配当を出し続けるか?」と言う視点では、
例えそれが小さなものであっても、判断に大きく影響します。
そのため、このFFOの減少は悪いニュースと言えるでしょう。
一方で良いニュースもあります。
今年は合併により、同社のFFOは2億6,120万ドルに急増すると予測されているのです。
では、これにより今後の安定した配当が期待できるのでしょうか?
GNLは昨年、FFOのほとんど…およそ96%を配当として使いました。
この割合のことを配当性向と言います。
REITは収益の90%を配当しなければならないと決めているため、
配当性向が高くなるのは当然ではありますが、それでも高すぎると言えるでしょう。
さらにGNLは減配歴があります。
2020年に四半期配当を53.25セントから40セントに引き下げたのです。
これは時期を見ればお察しかとも思いますが、パンデミックの最中のこと。
それによってGNLが扱う商業施設は他の不動産よりも大きな影響を受け、利益が減少し減配に繋がったのでしょう。
しかし、配当投資は長期的な視点を持ってするものですから、
このような予想外の出来事にも耐え、配当を維持し続ける銘柄こそ選ばれるべきです。
そして、GNLの配当は高額で、2023年の収益予想が正しかったとしても、それを保つのは厳しいと考えています。
実際、つい先日も四半期配当を40セントから35セントに減配しました。
同社の経営陣は “STABLE INCOME(安定した収入)”を維持できると考えているかもしれませんが…私はあまり賛成できません。
このように高配当銘柄であっても100%おすすめできる投資先であるとは限りません。
長期にわたって、私たちに配当という収入を堅実に維持し続けてくれる銘柄こそが魅力的なのです。
今回の分析が、あなたの投資の参考になれば幸いです。
~編集部コメント~
配当投資をする上で、配当利回りが高いからといって、
100%おすすめできる投資先とは限りません。
では、一体どのような銘柄がおすすめなのか?
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