この高利回り銘柄は魅力的か?
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先日、米国の読者から受け取った銘柄分析のリクエストに応えました。
今日はそれを日本の皆さんにも共有しようと思います。
その銘柄は石油・ガス企業 デボン・エネルギー(NYSE: DVN)です。
その高い配当利回りから配当投資家に人気があり、
直近の配当利回りは6.55%(株価54.30ドル辺り)です。
高配当利回り銘柄は一見魅力的な投資先に思えますが、
実際はどうなのでしょうか?
同社のようなエネルギー企業の多くは
配当金を「変動配当方式」で支払っています。
変動配当方式とは、
・基本配当(あまり額を変更しない、比較的小額のもの)
・変動配当(業績に基づいて比較的大きく変動するもの)
を合わせて定期的な配当金として投資家に支払われる形式のものです。
これは業績が好調な時期には多くの配当金を株主に支払うことができ、
不調な時期は変動配当のみを減らすことで、
「減配した」と見なされずに、配当金の支払額を抑えることができるのが特徴です。
「減配」と見なされることは、企業にとってマイナスですから、
変動配当は、業績が景気などに左右されやすいエネルギー企業に人気なのです。
実際、デボンの2022年10 -12月期配当のうち
固定配当は7- 9月期の18セントから20セントに増額となりました。
しかし、変動配当は1.17ドルから69セントに大幅に減額されたのです。
同社は、昨年フリー・キャッシュフローの99.2%を配当金として投資家に支払いました。
この割合が配当性向です。
配当性向の望ましい値は75%以下です。
なぜなら、配当性向が高すぎると
フリー・キャッシュフローがわずかに減るだけで、
企業は減配したり、資金を外部から調達して配当に充てたりする必要があり、
投資先としての魅力が下がったり、経営に悪影響を及ぼしたりしかねないからです。
実際、変動配当を導入する前の2016年
同社は四半期配当を24セントから6セントに減配した実績があります。
つまり、同社の経営陣は減配することをいとわないのです。
このことは配当投資をする上では「悪いニュース」となります。
しかし、投資家にとって「良いニュース」もあります。
今年のフリー・キャッシュフロー、つまり自由に使える資金が
増加することが予測されているのです。
その額は、昨年の34億ドルに対して40億ドルと予想されています。
これによりフリーキャッシュフローにおける配当金の割合
つまり、配当性向が低下する可能性があります。
そのため、先行きは悪くないのかもしれません。
しかし、安定した配当収入に繋がる銘柄なのかというと
疑問符が付きます。
もちろん、投資をする際に
あなたが納得して選んだのであればそれも答えの1つでしょう。
しかし、このように高配当銘柄であっても
100%おすすめできる投資先であるとは限らないのです。
今回の分析が、あなたの投資の参考になれば幸いです。
P.S.
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