米国配当株投資

なぜ、増益しても配当が減るのか?

今年の初め、米国で新しい会計ルールが
スタートしました。

「会計…難しそう…」と思われましたか?

ただし、この新しいルールは配当投資家に
少なからず影響を与える可能性があります。

ですので、このままご覧になることを
おすすめします。

では、一体何が新しいルールに
変更されたのでしょうか?

それは、研究開発費の扱い方です。

研究開発費とは、
企業が新製品や新しい技術を開発する際に
使用する費用のこと。

医薬品会社が薬の研究をする際に
使用する費用などが代表的なものです。

この研究開発費は元々、
決算時に企業の最終的な利益を出す上で
売上から差し引かれる経費として扱われていました。

これは研究開発費が多くなった分だけ
払うべき税金が少なくなることを意味します。

例えば、売上が1億ドルあり
研究開発費が7,000万ドルだったとしましょう。

すると、利益は1億ドルー7,000万ドルで
3,000万ドルとなります。

そして、この3,000万ドルに対して
税金がかかってくることになります。
*計算を簡略化するため、その他の費用は考慮していません。

これが従来のルールです。

では、新しいルールはどうなのかというと…

研究開発費7,000万ドルのうち
10%つまり700万ドルだけを
売上から経費として差し引かれることになります。

つまり、利益は1億ドルー700万ドルで9,300万ドルとなり、
この金額に対して税金がかかってくることになるのです。
税金などを考慮すると、
最終的な利益はこのような違いが生まれます。
新ルール・研究開発費例

*計算を簡略化するため、その他の費用は考慮していません。

このように新しいルールでは
研究開発費の扱い方が変わり
決算書に記載される1年間の利益が大きくなるのです。

これだと、見かけ上は
企業の利益が増えたようになります。

ただし、注意点があるのです。

決算書上では、
利益は大きくなりますが
研究開発費は1年間に使用した分
企業からお金が出ていっているはずです。
そして、出ていったお金の流れは
キャッシュ・フロー計算書*に反映されることになります。

*企業のお金の出入れを記載したもの。
どれだけ企業にお金が残っているか、把握することができる。

このキャッシュ・フロー計算書を
従来のルールと新しいルールで
比較してみるとこのようになるのです。

新旧キャッシュ・フロー計算書の比較
このように新しいルールの方が
利益が多くなるにも関わらず、
キャッシュ・フローが少なくなっていることがわかります。

キャッシュフローが少なくなるというのは
どういうことでしょうか?

 
それは、企業が支払う配当金に
大きく影響するということです。

つまりキャッシュ・フローの減少により
企業は支払う配当金の金額を
減らす可能性も考えられるのです。

例えば、過去12ヶ月間で
エレクトロニック・アーツ (Nasdaq: EA) は
研究開発に22億ドルを費やし、
75億ドルの収益を上げましたが…

その間、同社のキャッシュ・フローは18億ドル。
配当金はわずか2億ドルでした。

このように一見、利益が多く出ているように見えても
キャッシュ・フローを見てみると
利益に見合わない額になっていることもあるのです。

そのため、配当投資をする上では
企業の利益だけではなく
キャッシュ・フローの動きに
注目することが大切でしょう。

P.S.

~編集部~

配当投資をする上では、
企業のキャッシュ・フローに
注目することが大切でした。

そうはいっても、「決算書なんて読めない」
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Marc Lichtenfeld(マーク・リクテンフェルド)

Oxford Club チーフ・インカム・ストラテジスト。ウォール・ストリートを含め25年の経験のある配当投資の専門家。「Get Rich with Dividends(邦題:日本人の知らない秘密の収入源 年100回配当投資術)」著者。2013年に配当投資の専門誌Oxfordインカム・レターを創刊し、世界中に読者を持ち有料購読者は8万人を超える。FOX、CNBC、Forbesなどの有名メディアはもちろん、BloombergやBarrons、The Wall Street Journalといった権威ある金融専門メディアにも多数出演。 マークの記事一覧 ≫

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