米国配当株投資

下落は“買い”のシグナル?

私は配当投資に夢中になる前は、
短時間で株の売買を繰り返してリターンを狙う
トレーダーの仕事をしていました。

配当投資の場合、
企業の業種や財務状況などを見て
投資先を判断します。

一方、トレーダーの場合は
主に市場のトレンドや株価のチャートを見て
投資先を判断することになります。

私はトレーダーの経験をしたことで、
市場にはどのようなトレンドがあるのか?
ということを学ぶことができました。

そして、大きなイベントが起こった時、
それは、あるシグナルを私たちに
伝えてくれていることを知ったのです。

例えば、1929年に起こった世界恐慌。

このとき、国の銀行のほぼ半分が破綻し
株式市場も大暴落しました。

しかし、1932年に市場の下落は底を打ち、
その後5年間急激に上昇したのです。

また、1960年代。

米国のGDP(国内総生産)は、
年間4.8%成長していました。

それと同時に株式市場も上昇し、
1968年にはピークに達したのです。

しかし、1970年にGDP成長率はマイナスに転じました。
そして、1975年まで不況を抜け出すことができず、
株式市場は下落したのです。

ただ、1974年に底を打ち、
その後株価は上昇しています。

2008年に起こった
リーマンショック後の市場もいい例でしょう。

株式市場は一度大暴落しましたが、
その後、株価は上昇し続けています。

このように歴史を振り返ると、
株式市場は下落と上昇を繰り返してきたのです。

この図を見てください。
S&P500種株価指数の推移
これは米国の代表的な株価指数である、
S&P500種株価指数が
1928年からどのように推移してきたかを表した図です。

図中のグレーの縦棒は
景気が後退した時期であることを表していますが、
過去、何度もそのようなことがあったということがわかります。

しかし、その後株価は上昇し続けていますよね。

市場が暴落した時、
新聞やニュースなどのメディアは
「株式市場、大暴落!」といった見出しを掲げ、
大きく騒ぎたてます。

それを見た投資家の中には、
パニックになって冷静な判断が
できなくなってしまう人もいるのです。

2022年もいい例でしょう。

年初に株式市場が大暴落。
その後も株価は下落し続けました。

そこで、
「やはり投資は怖い」「もう投資を止めてしまおうかな…」
と思った人もいたかもしれません。
しかし、ここに来て株式市場は
このように上昇し始めているのです。
S&P500種株価指数の推移

出所:Trading View

もし、年初に株価が下落して焦って売ってしまった人の中では
今頃、後悔している人もいるかもしれません。

一方、株価が下落したタイミングはチャンス。

つまり株を安い値段で買えると判断して買い増した人は、
今頃リターンを得ているかもしれません。

たしかに、株価が大きく下がると
売ってしまいたくなる気持ちもわかります。

ただ、歴史的に株価は上昇し続けていますから、
焦って売ってしまわないように冷静に判断をしたいですね。

むしろ、「株価下落は安く買えるチャンス」だと考え、
うまく下落局面を利用していきましょう。

P.S.

〜編集部〜

株式市場全体にトレンドがある通り、
ある個別銘柄に関してもトレンドがあります。

そして、過去5回の“あるビックイベント”があるごとに
株価を必ず上昇させた銘柄があるんです…

その銘柄とは?

→こちら

Marc Lichtenfeld(マーク・リクテンフェルド)

Oxford Club チーフ・インカム・ストラテジスト。ウォール・ストリートを含め25年の経験のある配当投資の専門家。「Get Rich with Dividends(邦題:日本人の知らない秘密の収入源 年100回配当投資術)」著者。2013年に配当投資の専門誌Oxfordインカム・レターを創刊し、世界中に読者を持ち有料購読者は8万人を超える。FOX、CNBC、Forbesなどの有名メディアはもちろん、BloombergやBarrons、The Wall Street Journalといった権威ある金融専門メディアにも多数出演。 マークの記事一覧 ≫

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