【10年で資産3倍】 “最もつまらない”投資

「正直、手っ取り早く資産を増やしたいと思っています。
  もちろん、長期の視点で投資をすべきなのは分かっているのですが…」
先日、メールマガジン読者から、このような声が届きました。
多くの人が退職後の老後資金を
 十分に貯めていない状態で投資をスタート。
定期的に「こんなに足りない…」と
 パニックに陥る傾向にあります。
例えば、メディアで老後破産が取り上げられたり、
 誕生日を迎え歳を重ねたりする度に…
そうして、少しでも早く資産を増やすことに関心が傾いてしまいます。
もちろん、気持ちは痛いほどわかります。
不安という慢性的なストレスから脱却するため、
 行動するのはごく自然なことです。
そして、短期間で結果を出す方法が存在するのも事実。
 全くの絵空事というわけではありません。
しかし、投資の原理原則の通り、
 短期間で高いリターンを求める場合「高いリスク」を伴います。
なので、あなたに資金の余裕があることが前提です。
 投入した資金が増えても減っても、
 気にしないと思えるような資金で行うべきでしょう。
では、どのようにして長期投資という軸からブレずに、
 将来の資産を築いていけばいいのでしょうか?
 
 それは、多くの人が“最もつまらない”と思うような方法です。
その1つは、「配当貴族」へ投資し株を持ち続けることでしょう。
配当貴族とは、S&P500種株価指数の銘柄のうち
 “25年以上連続で配当金を増やし続けている”株式のことを指します。
毎年、配当が入ってくることが見込める。
それだけではなく、過去の実績から受け取れる配当金は
 毎年増加していくことが見込める銘柄群です。
私たちは歳を重ねるにつれ、
 老後までのタイムリミットが近づき、
 不安が大きくなっていきます。
しかし、それと同時に配当額もどんどんと大きくなれば、
 増幅する不安が相殺されるのではないでしょうか。
しかも、配当貴族によるリターンは、
 投資期間が長いほど、大きくなる傾向があります。
逆に言えば、途中でやめてしまうと損になるということ。
長期投資を腰を据えて行うのにピッタリと言えるでしょう。
例えば、配当貴族は、過去10年間で314%のリターン。
 一方、S&P500種株価指数は270%。
 およそ1.16倍のリターンを投資家にもたらしました。
長期の視点で見ると、その差はさらに開きます。
  
 例えば、S&P500種株価指数が作成された
 1989年12月から起点として2019年12月までの30年間を比較しましょう。
この時、配当貴族のリターンは2,451%。
 一方、S&P500種株価指数は1,324%でした。
 その差は、およそ1.85倍。
 
アクティブファンドでも1割しか勝てないと言われる、市場平均。
 それに対して、およそ2倍もの差をつけているのです。
さらに、覚えていただきたいのは
 配当貴族の企業は安全性が高い可能性があるということ。
配当貴族は成熟したビジネスを持ち、
 株価の浮き沈みが想定しにくい、安定したものが多いです。
また、株価が多少下落しても、
 配当でカバーすることが狙えます。
例えば、株価が5%下落したとしても、
 2~3年の配当金で10%以上のリターンが出ていれば
 合計するとプラスになります。
確かに、配当貴族への投資では
 すぐに老後の不安の解消は期待できません。
その代わり、リスクを抑えつつ、
 市場平均以上のスピードで
 資産形成を狙っていけるでしょう。
もしあなたが長期での投資をお考えなら
 配当貴族の長期保有は検討に値する選択肢です。
良い投資を。
マーク・リクテンフェルド
P.S.
 配当貴族は現在65銘柄ほどありますが、
Oxford インカム・レターでは、
 その中から、特に優良な銘柄を
 ピックアップしてお伝えしております。
よろしければご活用ください。
 
 
 
 


