米国配当株投資

金利の上昇はREIT下落のサイン?

多くの投資家は金利上昇により、不動産投資信託(REIT)の価格が下がることを懸念しています。

金利が上がると借入コストが上がり、REITが物件を購入するために、多額のお金を借りることになるからです。

REITは配当利回りが高く、投資家に長年好まれていますが、
配当がしっかりしていても、所有する銘柄の株価が下がれば全く意味がありません。

では、金利上昇の中で、REITは持ちこたえられるのでしょうか?

私は金利が上昇してもREITは大丈夫だと考えています。いえ、むしろ有利な状況にすらなると言えるのです…

実は、多くのREITは、インフレが進むと価格決定力を持つようになり、価格を上げることができるようになるのです。

例えば、学生寮のREIT。多くの学生、特に学校の近くに住みたい場合、住居の選択肢はそれほど多くないため、金利上昇時には、さらに価格決定力を有するようになります。

最も重要なことは、金利が上昇した場合でもREITが低いパフォーマンスを示した例が過去にはないことです。

人々が金利上昇の影響を懸念したとしても、利上げに先立ちS&P500種株価指数と同じようなパフォーマンスをもたらします。一度金利が上がった場合でもREITはかなり好調な数値を示すのです。

 

◉アナリストの悪いクセに注意


ネガティブに考え過ぎるのはウォール街のアナリストの典型的な反応です。投資家は何かネガティブなカタリスト(株価変動の材料)があるのではないかと心配し過ぎます。

しかし、実際にはそれがきっかけで最高値を更新することもあるのです。これは戦争開始直後に株価が上昇するのと同じ状況です。

1994年にまで遡って、過去4度の引き上げの影響を見てみましょう。すると、金利上昇後6ヶ月間のREITのパフォーマンスはS&P500種株価指数を3度上回っていたことがわかります。

これは4度の金利の影響を考慮しても、REITが平均して3.9%、S&P500種株価指数のパフォーマンスを上回っていたということです。

 

◉注目すべき4種類のREIT


では、どのREITに注目すべきでしょうか?

先ほど、学生寮の物件に言及しましたが、我々は投資するには良いセクターだと思います。

学生寮と並んで、セルフストレージと一般消費財・サービスは、今後数年で最もFFO の数値(Funds from Operation)が伸びると予想されています。

注:FFOとは、REITが賃料収入からどれだけのキャッシュを獲得しているかを表す指標です。
一般的に、FFOを発行済み投資口数で割った1口あたりFFOの値が大きいほど、
当該REITの収益力が高いと見なされます。

また、ヘルスケアの需要は今後ますます高まるので、我々はヘルスケアREITも将来性が高いと考えていています。

まとめると、REITは金利に関係なくインカム・ポートフォリオの分散投資対象になります。

金利が上昇し始めると、REITのような金利敏感株への資産配分を減らすべきだという意見があるかもしれませんが、データはそのことを示しておらず、むしろ金利が上がるとパフォーマンスも上昇する傾向にあります。

注:金利敏感株とは、金利の変動に株価が敏感に反応する傾向のある株のことを指します

まだREITをお持ちでない方は、近い将来ポートフォリオに加えることを考えられてはいかがでしょうか。

良い投資を!

 

マーク

P.S.
私が毎月発行するOxford インカム・レターでは、私が今、仕込んでおくべきREIT銘柄もご紹介しています。
もし、あなたがREIT株をお持ちでない場合、参考にされてみてはいかがでしょうか?

→Oxford インカム・レターとは?

Marc Lichtenfeld(マーク・リクテンフェルド)

Oxford Club チーフ・インカム・ストラテジスト。ウォール・ストリートを含め25年の経験のある配当投資の専門家。「Get Rich with Dividends(邦題:日本人の知らない秘密の収入源 年100回配当投資術)」著者。2013年に配当投資の専門誌Oxfordインカム・レターを創刊し、世界中に読者を持ち有料購読者は8万人を超える。FOX、CNBC、Forbesなどの有名メディアはもちろん、BloombergやBarrons、The Wall Street Journalといった権威ある金融専門メディアにも多数出演。 マークの記事一覧 ≫

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