米国配当株投資

不安定な時代の投資先

  • 株を売ったほうがいいのか?
  • 下落したタイミングで買うべきか?
  • ポートフォリオを大きく変更するべきか?

このようなメールを読者の方からたくさん頂いています。

今は恐ろしい時代です。ウクライナでは戦火が広がり、世界はいつ最悪な事態になってもおかしくない状況です。

ですから、多くの方がリスクを下げた投資をしたいと思うのは当然のことです。

「これがベストだ」と言い切れる代替案はありません。

株を売って現金化してしまえば、インフレで貯蓄が食いつぶされる一方で、利息はほとんどつきませんからね。

そして、市場が良くなったとしても、黙って見ていることになるでしょう。

なぜなら、ほとんどの投資家は最近の下落がまだ記憶に残っているでしょうから、もっと高値になるまで市場に戻ってくることはないからです。傷が癒えるのにはしばらく時間かかりますからね。

歴史的に見ても、投資家が市場に戻ってくるのは、市場が安値からかなり上昇した後であり、それはとても遅いタイミングです。

では、株価の上昇を犠牲にせず、リスクを軽減する方法があると言われたらどうでしょう?

ほとんどのアドバイザーも金融メディアも語らないその方法とは…

それは「転換社債」のことです。

「転換社債?つまらなそう…」

そう思われたかもしれません。

しかし、「高い安全性」と「資金を何倍にも増やすチャンスがある」と聞けば、決して退屈にはならないでしょう。

それに、あなたが思っているほど複雑なことでもありません。

簡単に言うと転換社債は、所有者が要求すれば、株式に転換できる権利が付与されている債券です。

素晴らしい点の1つは、債券は株式よりも安全であるということです。

株式は、その根底にある企業のファンダメンタル、市場全体、関連するセクターの業績、その他の要因によって上下することはご存知ですよね。

株を売却したい時に、購入した値段よりも高ければ、利益を得ることができます。

逆にもし安くなっていれば、損失を出すことになります。その企業の状況が良くなければ、多額の損失を被る可能性があるのです。

一方、債券の価格も同様に変動しますが、あらかじめ満期日が決まっているので、価格の変動は重要な問題ではありません。

利益を出す機会があればいつでも債券を売却することができますが、債券の価格がどうなっても、満期日には発行時に決められた金額を受け取ることができます。

例えば、もし1,000ドルで買えば、満期日に1,000ドルと債券を保有していた期間の利息を受け取ります。企業の業績が悪くても、CEOに実力がなくても、その企業が倒産しない限り、1,000ドルは戻ってきますし、その間の利息も受け取ることができるのです。

そして、転換社債が素晴らしいのは…

それは、先ほど話した債券の安全性を備えていながら、あなたが要求すれば、所定の価格で所定の株数に転換できるということです。

例えば、2024年12月に満期を迎え、年利4%、1株50ドルの株式20株に転換する転換社債を1,000ドルで購入したとしましょう。

そして、その転換社債に関連した株式が、今40ドルだったとしましょう。わざわざそのタイミングでは株式に転換する必要はありませんよね。40ドル×20株に転換したところで購入価格の1,000ドルよりも安くなってしまいます。

ですから、4%の年利を受け取りながら、翌年まで債券を保有します。

2023年3月になって、その銘柄は100ドルで取引されています。

あなたはその債券を20株に転換するとしましょう。もしそれを実行すれば、債券を購入した時に1,000ドル支払ったのに対し、2,000ドル相当の株(1株100ドル×20株)を所有することになります。

しかも通常、債券価格は株価に連動して変わっていきますから、もし株式に転換しなくても、いつでも債券を売却して利益を得ることができます。

一方で、株価が50ドル以上に上がらなかった場合でも、満期日までは4%の利息を得られますし、1,000ドルは手元に戻ります。

株式の利点と債券の安全性を一緒に手に入れることができる転換社債は、今のような不安定な時代に素晴らしい投資先といえるでしょう。

良い投資を

マーク

P.S.
このような転換社債をポートフォリオに組み入れているファンドはOxford インカム・レターで紹介しています。

→こちら

Marc Lichtenfeld(マーク・リクテンフェルド)

Oxford Club チーフ・インカム・ストラテジスト。ウォール・ストリートを含め25年の経験のある配当投資の専門家。「Get Rich with Dividends(邦題:日本人の知らない秘密の収入源 年100回配当投資術)」著者。2013年に配当投資の専門誌Oxfordインカム・レターを創刊し、世界中に読者を持ち有料購読者は8万人を超える。FOX、CNBC、Forbesなどの有名メディアはもちろん、BloombergやBarrons、The Wall Street Journalといった権威ある金融専門メディアにも多数出演。 マークの記事一覧 ≫

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