米国配当株投資

戦時下の今、どんな投資をすべきか?

私の娘は、今ウクライナで何が起こっているのか、そしてそれが世界中の人々にどのような影響を与えてしまうのだろうかと、当然のことながら心配しています。

ロシアのプーチン大統領はますます錯乱しているように思えますが核戦争には誰も勝てないということを理解するくらいの理性はまだ残っていると信じたいですね…

娘には「世界はかつてないほど危険な状況にある」と言いました。

私は幼い頃に、原爆投下を想定した訓練で学校の机の下にもぐったことを思い出しました。

キューバ危機においては、世界は核戦争の危機に瀕していましたし、私の祖父母が生きていた頃には、何百万人もの命が大量虐殺や戦争で失われたのです。

現状や娘が持つ恐怖心を否定するわけではありませんが、世界は常に金や石油、そして権力を持つことに貪欲な人々が溢れている不安定な場所でもあります。

そして、金融市場に関して言えば、武力衝突やそういった懸念があると不安定に揺れ動きます。

しかし、そんな時に投資をやめてしまうのは決して得策ではないでしょう。

なぜそんなことが言えると思いますか?

 

過去を冷静に振り返ろう


実際に、過去に起きた主な紛争が発生した後の市場のパフォーマンスを見てみましょう。

  • 1940年ナチス・ドイツがフランスに侵攻:翌年にかけて市場は19%近く下落しましたが、1937年から既に下落し始めている状態でした。
  • 1941年12月7日真珠湾攻撃:3ヵ月後には市場は11%下落していましたが、1942年12月までには4%以上上昇しました。
  • 2001年9月11日の同時多発テロ:1年後には市場は18%下落していましたが、実際はテロの後、数ヶ月間は上昇していました(同時多発テロによる株価暴落の背景には、9月11日時点ですでにドットコムバブルの崩壊と景気後退の懸念があったことも関係しています)。
  • 2003年アメリカ軍がイラクへ侵攻:1年後には市場は27%上昇しました。しかし、ここでも当時の詳しい状況を知っておく必要があります。なぜなら当時、米国経済は強気相場と景気回復の初期段階にあったからです。
  • 2014年ロシアがクリミアを併合:株価は翌年にかけて約15%上昇しました。経済が強かったわけではなく、10年来の強気相場の真っ只中だったこともあり株価は上昇したのです。

このように、ウクライナ侵攻のような地政学的な緊張状態にとらわれるより、それ以外の経済や市場のパフォーマンスの状況を理解することがより重要になります。戦争のような緊張状態は通常、株式に関して言えばあまり重要ではないということです。

それでは…ロシアとウクライナの緊張状態がある中、私たち投資家はどうしたら良いのでしょうか?

 

“現状”だけに囚われない


まず、投資した資金がいつ必要になるかを考えましょう。もし、今後2、3年以内に必要なら、手仕舞いしてしまうのも1つです。必ずしも価格が下落の方向に向かうとは限りませんが、下がった場合のリスクは負いたくありませんよね。

世界が平和になり株価が上昇する場合であっても、私は同じことを言うでしょう。

今後数年間は現金が必要なく長期的な投資をしているのであれば、ウクライナやその他の国で何が起こっているのかをあまり気にする必要はありません。市場は長期的には上昇していくでしょうからね。

もしそれで暴落しても問題ありません。むしろ相場が下がったらより安い価格で株を購入することができます。

特にそのような時は、配当株を買っておくのがおすすめでしょう。配当金は1株あたりで支払われますから、安い価格でより多くの株を買うことができればそれだけ配当金ももらえるからです。

テレビやネットで、ウクライナ(そして他の地域での紛争など)の悲惨な映像を見るのは辛いことです。ストレスが溜まりますし、心配したり、憤りを感じたり、悲しんだりするのは当然のことでしょう。

しかし、こうした地政学的な出来事が市場に大きな影響を与えるという証拠がない以上、そうした感情によって、綿密に計画した投資を台無しにしてはいけません。

良い投資を!

マーク

P.S.
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Marc Lichtenfeld(マーク・リクテンフェルド)

Oxford Club チーフ・インカム・ストラテジスト。ウォール・ストリートを含め25年の経験のある配当投資の専門家。「Get Rich with Dividends(邦題:日本人の知らない秘密の収入源 年100回配当投資術)」著者。2013年に配当投資の専門誌Oxfordインカム・レターを創刊し、世界中に読者を持ち有料購読者は8万人を超える。FOX、CNBC、Forbesなどの有名メディアはもちろん、BloombergやBarrons、The Wall Street Journalといった権威ある金融専門メディアにも多数出演。 マークの記事一覧 ≫

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