米国配当株投資

株価が下落したらどうしますか?

「これから3年の間に株式市場が半分になったとしたら、あなたはその状況を受け止めることができますか?」

最近、投資アドバイスが欲しいと言ってきた従兄弟のデイブにそんな質問をしました。

彼は、株式を中心にした資産配分について知りたがっており、数年先を見据えた投資をしているが、心配だと悩んでいました。

私は、市場が長期的にどのように上昇するか、また1937年以降、10年単位で見た場合に、92%の確率で利益が出ていることについて、一日中話すことができます。

10年以上利益が出なかったのは、大恐慌や大不況の最中に売却してしまった場合のみです。

なので私は、デイブに永続的な増配銘柄(毎年増配していく銘柄)、インデックス・ファンドと積極的に運用されている投資信託への投資について話をしました。そして、自分で管理する場合とアドバイザーに任せる場合など、それぞれの長所と短所を話し合いました。

私はデイブと彼の奥さんに、もし市場が下落へ向かったらどうするのか、真剣に話し合うことを勧めました。そうしなければ、S&P500種株価指数の10年平均トータルリターンが過去40年間で194%という事実が意味をなさなくなり、株価の変動に対応できなくなってしまう可能性があるからです。

もし、どこまでリスクを許容できるかを考えずに投資を行なった時、市場が下落すれば、おそらく株価が底値付近になった時に弱気になってしまうでしょう

そうすれば、間違いなく他の多くの投資家と同じように売り払ってしまいます。

2008年に大きな損失を出してしまった人の話を聞くと、たいていはパニックになって売ったからだそうです。

私は、それを批判するつもりはありません。パニックになるのは、理解できます。当時は金融システム全体が崩壊寸前でしたから。

しかし、売却をしないで持ち続けた投資家はかなりのスピードで回復しているはずです。

S&P500種株価指数推移

この図が示すように、たとえ2007年の最高値に購入していたとしても、2013年の初めには元通りになっています。

株価が上昇しているような時に(2021年のほとんどがそうであったように)、「私は長期投資を行っている」と言うことは簡単です。

しかし、下落しているような時に同じことが言えるでしょうか?

もしあなたが2008年に投資をしていたのなら、そのような経験がこれから何度も起こった場合に繰り返し対応できるのか、想像してみてください。

あるいは、そのとき投資をしていなかったのなら、あるいは自分のポートフォリオが半分になっていたらどうなっていたかを想像してみてください。

損失を埋め合わせる時間はありますか?
夜はぐっすり眠ることができるでしょうか?
その状況を受け入れることができるでしょうか?

もしこれらの質問のいずれかでも「いいえ」と答えたなら、債券などのより安全な資産に変えてしまいましょう。

しかし、もしあなたが市場が下落した時でも思い詰めるようなことがないのであれば、「これまでと同じように市場は上昇する可能性がある」という知識に自信を持ち、投資を続けてください。

そして、利益を最大に、損失を最小にするためにトレーリングストップを設定してください

良い投資を。

マーク

Marc Lichtenfeld(マーク・リクテンフェルド)

Oxford Club チーフ・インカム・ストラテジスト。ウォール・ストリートを含め25年の経験のある配当投資の専門家。「Get Rich with Dividends(邦題:日本人の知らない秘密の収入源 年100回配当投資術)」著者。2013年に配当投資の専門誌Oxfordインカム・レターを創刊し、世界中に読者を持ち有料購読者は8万人を超える。FOX、CNBC、Forbesなどの有名メディアはもちろん、BloombergやBarrons、The Wall Street Journalといった権威ある金融専門メディアにも多数出演。 マークの記事一覧 ≫

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