2020年の株式市場は素晴らしい年でした。
あらゆる予想を覆して、S&P500種株価指数は約20%上昇して2020年を終えたのです。
2020年3月の景気後退期、あるいはその春の回復期に賢く購入した人は、大きな利益を手にしていることでしょう。
そして2021年も結局、予想に反してS&P500種株価指数は、年初来22%以上上昇しました。
このような場面で、株を「購入する」という行動を取るのは簡単なことです。
たとえ、2020年のように株価が暴落するような災害を目の当たりにし、正気を失うような時期であったとしてもです。
私はこう思っています。
「常に購入は、売却よりも簡単」だと。
どういうことでしょうか?
私たちが株式や他の金融商品を購入するときは、希望と楽観を感じています。
儲かって資金が何倍にも増えたらどんなことをしようかと、あれこれ想像することもあるでしょう。
そのような希望を感じている場面で、株を「購入する」という行動を取ることは簡単なことです。
一方で売却は、正反対です。
損失を出して売却するということは、自分が間違っていたことを認め、痛みを伴う行動を取らなければいけないということです。それを分かっていながら「売却する」という行動を取るのは、とても難しいことです。
また、大きな勝ちを含めて、利益を得た売却の場合であったとしても、先ほど話したような購入時のポジティブな感情はなくなっています。
なぜだと思いますか?
「早く売却し過ぎていないか…?」
「さらに利益を出せるのではないか…?」
と常に疑問を持ち続けてしまうからです。
このように、「売却する」ということは、多くの感情に左右される、実行することが難しい行動なのです。
ですから、私は自分の感情によって「売却」の判断が左右されないような方法をとるようにしています。感情によって間違った方向に進んでしまうことが多いため、株を購入する時には、すでに売却するときのことまで考えています。
そうすることで長期保有していくべきなのか、あるいは早期に売却してしまうべきなのかを決定することが楽になるでしょう。
今日は、2021年で得た利益を2022年で失わないようにするための、2つの重要なルールをお伝えします。
今からお伝えする2つの売却ルールを事前に決めていれば、株の値動きに感情を左右されることもなく、夜はぐっすり眠れるようになるでしょう。
1.トレーリングストップを使う
先ほど言ったように、決算発表は一般的なカタリストです。
ほとんどの企業は、決算発表の数週間前にプレスリリースで決算予定日を発表します。
興味のある企業がまだ決算発表予定日を公表していない場合は、前四半期の決算発表日に3か月足すだけで、発表日近辺の予測がつくでしょう。
トレーリングストップを設定することで、株の購入時点で「この価格になれば売却する」という判断をしてしまいます。
その価格は株価暴落時や、予想外のニュースが飛び込んできた時ではなく、感情が冷静な時、つまり理性的かつ論理的な時に設定されたものだということになります。
いつでもストップ価格を調整することはできますが、ストップ価格に引っかかった場合は決して無視をしてはいけません。
無視をするということは、感情的に反応していることになるからです。
私はいつも感情に左右されることなく、自分の「売り」戦略を立てたいと考えています。
2. 適切なサイズで投資する
損失時に取り返しがつかなくなってしまうほど多くの投資をするべきではありません。
もしあなたが、何か一つの投資に大量の資金を投入すると、それは重いストレスとなります。
重いストレスを抱えてしまえば、どうなるでしょうか?
おそらくあなたは、感情的な行動を取ってしまうでしょう。
ストレスに耐えられず、すぐに売却してしまうかもしれません。もしくは、仮に投資が失敗している場合、大損しているにも関わらず売却することができず、「いつか回復してくるだろう」と願って長く持ち続けることになるかもしれません。
これこそが、大惨事を引き起こす大きな原因になってしまうのです。
どのポジションも損失を出したくない気持ちは分かりますが、投資に絶対はありませんから、間違いなく損失は出てしまいます。
その時にそれぞれのサイズを小さくしておくことで、個々の問題に対処することができます。
Oxfordクラブでは、一つの投資先にポートフォリオの4%以上の資金を割り当てないようにする「4%ルール」を守るようお伝えしています。
以上があなたの利益を守るための2つのルールです。
あなたは、2021年もしくはそれ以前に素晴らしい利益を手にしているかもしれません。
2022年がどうなるのかは誰にも分かりません。今すぐ「売却する」時のことまで考えた出口計画を立てましょう。そうすれば、せっかく得た利益が大暴落時に消え去っていくのを見ることはなくなるでしょう…
良い投資を。
マーク
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