米国配当株投資

株価が上昇するきっかけ?

投資とトレーディングには、大きな違いがあります。

あなたが株式に投資をするときには、長期目線で投資をするでしょう。

時間の経過や出来事によって、意見を変えることはもちろんできます。しかし、何年もある株式を保有していて、たった一度の悪い決算発表に怯えてはいけません(不正などの異常事態発生時は別です)。

トレーディングの考え方は、投資とは異なります。

トレーダーはたいてい、何らかのカタリスト(株価上昇のきっかけ)を探しています。テクニカルトレーダー(株式チャートを分析するトレーダー)は、株価が今まで動いていた一定の範囲を超えて新高値を更新した時、さらに株価が上昇するサインと捉えるかもしれません。

一方、さらに複雑なチャートパターンは、将来のカタリストを事前に予測できる可能性があります。そして、多くのトレーダーは、重要なカタリストとして決算書類を確認します。四半期決算の発表後に株価が急上昇したり急降下したりすることはよくあることです。

例えば2021年11月、企業Aは、事前の市場予想平均値を上回る、好調な第3四半期決算を発表した後、株価は14%以上上昇しました。企業Bは、米国時間2021年11月30日の引け後に、事前のウォール街の予想平均値を上回る第3四半期決算発表を受け、翌日の朝に株価は25%上昇しました。企業Cもまた、同日次に好調な売上高増大を発表した後である翌朝、14%上昇しました。

株式の短期的なカタリストを見つけることは重要です。すぐに価格が上昇すると信じる理由がないのは、全く合理的ではありませんからね。

短期間で株価が上昇すると予想する理由がないのであれば、あなたの投資は無駄金になるかもしれません。ただ、資金を投入しただけで、うまく運用できていないという状態です。

あなたの資金を市場で短期間で働かせるためには、公平かつ迅速に取引を完了させる必要があります。

利益を上げたら、腰を上げて、次に動くのです。

これから、あなたの株式を早く動かす可能性のあるいくつかのカタリストを紹介しましょう。
 

1. 決算発表


先ほど言ったように、決算発表は一般的なカタリストです。

ほとんどの企業は、決算発表の数週間前にプレスリリースで決算予定日を発表します。

興味のある企業がまだ決算発表予定日を公表していない場合は、前四半期の決算発表日に3か月足すだけで、発表日近辺の予測がつくでしょう。
 

2. アナリスト評価


新たに買いや売りが推奨されるときに、株価は大幅に動くことがあります。なので、株価上昇の機会を見つけるために、今アナリストが過小評価している銘柄を探すようにしています。

仮に、ほとんどのアナリストがある銘柄をすでに「買い」と評価をしていたら、それ以上に評価が引き上げられる可能性は低いでしょう。それは、上昇する余地がすでにない可能性があるからです。

しかし、多くのアナリストが「据置」または「売り」と評価をしているなら、彼らが評価を引き上げたときに株価は上昇するかもしれません。アナリストの評価で「買い」推奨が少ない銘柄を探しましょう。

3. ショートスクイズ(売りポジションの買い戻し)


株式が大量に空売りされている場合(トレーダーは株価が下がることを予想して、先に売り、後で買い戻す)、株価が上がるごとに、空売りしている人は痛みを感じるでしょう。

最終的に、大量の損失が出た場合、空売りした側は株式を買い戻すことでポジションを手仕舞いします

それにより、需要はさらに高まり、株価も上昇します。

株価が上昇するにつれ、さらなる買い戻しが増え、そういった需要からのパワフルな動きを活用できます。浮動株(取引可能株式)の10%以上が空売りされている銘柄に注目するのも一つの手でしょう。

このように株式は、理由なく大きく動くことはありません。今後短期間にあなたの株式を押し上げるカタリストが必要です。

もし、それを見つけられないのなら、他の銘柄を探した方がいいでしょう。

良い投資を。
マーク

Marc Lichtenfeld(マーク・リクテンフェルド)

Oxford Club チーフ・インカム・ストラテジスト。ウォール・ストリートを含め25年の経験のある配当投資の専門家。「Get Rich with Dividends(邦題:日本人の知らない秘密の収入源 年100回配当投資術)」著者。2013年に配当投資の専門誌Oxfordインカム・レターを創刊し、世界中に読者を持ち有料購読者は8万人を超える。FOX、CNBC、Forbesなどの有名メディアはもちろん、BloombergやBarrons、The Wall Street Journalといった権威ある金融専門メディアにも多数出演。 マークの記事一覧 ≫

関連する記事

Back to top button