米国配当株投資

株価が上がっても注意?

投資家は時にとても強気になることがあります。

その時に気を付けてほしいことですが、根拠のない過剰な自信を持つことは、市場の動きを見逃してしまう可能性があります。

私は31年のキャリアのうち25年は専門家として市場に関わってきましたが、

「私が自信を持っていたことは一度もない」

と知ったら、あなたは驚かれるのではないでしょうか。

投資や市場は私の予測どおりに動くこともあれば、真逆に動いてしまうこともあります。

これまでも、能力が高い多くの人たちでさえ、ただ間違った判断をしただけでなく、1つの銘柄に大金を注ぎ込んだり、明らかに悪い方向へ向かっていても売らずにいたことで、大きな損失を被るのを目にしてきました。

しばらく前に、こういった「投資家の過剰な自信」について思い出す出来事がありました。

当時、CNBCはロン・バロン氏(投資信託マネージャー兼ファンド・ファミリーの創設者であり、30億ドルの資産を持っている)に関する記事を投稿しました。彼は「自分は投資のことを”まあまあ”知っているが、ビットコインについては理解していないから投資をしない」という内容でした。

そこで、ある人は「貧乏でいることを楽しんでください。」とコメントしていたのです。

CNBCはロン・バロン氏投稿

たしかに彼は、ビットコインが急騰する時、さらに金持ちになるチャンスを逃すかもしれません。

しかし、ビットコインに投資していないからといって、一般人がすでに30億ドルもの資産を築いている億万長者に向かって、そのようなセリフを吐くのは、明らかに自信過剰になっている証拠です。

他にも、若い労働者たちが、退職金の全てをビットコインに投資しているという記事を読んだことがあります。ある30歳の人は「これは”最適な長期資産”」と述べていました。

彼のことを正しいという人はたくさんいると思いますが、全ての資金を1つの資産に投資すべきではありません。楽観的過ぎます。

投資家の強気姿勢が特に顕著に出るのは、ビットコインだけではありません。特別買収目的会社(SPACs)、ハイテク株、大量の空売り株などは、投資家の関心を引いたり、彼らの強気な見方により株価が実際に高騰したこともあります。

では、なぜ強気であってはならないのでしょうか?

コロナワクチン、金利、量的緩和政策、タイミング…など、投資家が高揚したり嘆く要因になるものはたくさんあります。

恐怖、希望、欲
出所:アシメトリー・オブザベーションズのデータを基にOxford Club Japanが作成

上記は、投資家の感情を示したおなじみのチャートです。

ビットコインの投資家は、現在このチャートのどこにいると思いますか?株式投資家はどうでしょうか?

私が株式市場に関わってきた30年間、様々な要因に感情を振り回される投資家を何人も見てきました。持っている全ての卵を一つのバスケットに入れるような投機的な投資が間違っているということに多くの投資家が気づくのは高騰している時ではなく、終わりを迎えようとしている時です。

自分の感情に気を配りましょう。過剰なものは、どちらの方向に向かっていても注意深く観察すべきです。

良い投資を!

マーク

Marc Lichtenfeld(マーク・リクテンフェルド)

Oxford Club チーフ・インカム・ストラテジスト。ウォール・ストリートを含め25年の経験のある配当投資の専門家。「Get Rich with Dividends(邦題:日本人の知らない秘密の収入源 年100回配当投資術)」著者。2013年に配当投資の専門誌Oxfordインカム・レターを創刊し、世界中に読者を持ち有料購読者は8万人を超える。FOX、CNBC、Forbesなどの有名メディアはもちろん、BloombergやBarrons、The Wall Street Journalといった権威ある金融専門メディアにも多数出演。 マークの記事一覧 ≫

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