米国配当株投資

なぜ、ベライゾンを推奨しなかったのか?

私はよく、金融のニュース番組や出版物で銘柄の見通しについてコメントするよう依頼されることがあります。

例えば数年前、私はCNBCのトーキング・ナンバーズというコーナーに出演し、ベライゾン(NYSE: VZ)について話してほしいと頼まれました。

そこで私は「この株が好きだ」と言いましたが、それは本当のことでした。

しかし、見通しが当時良かったにもかかわらず、私はOxford インカム・レターの購読者にこの銘柄を推奨しませんでした。

その理由は後ほどお話ししますが、まずはテレビ業界の舞台裏をご紹介しましょう。

 

 

テレビ業界の舞台裏


プロデューサーから電話がかかってきて、「番組で「ある銘柄」についての考えを伝えてほしい」と依頼されるとき、彼らは強い意見を期待しています。

彼らは言葉を濁すことを望んでいませんし、曖昧な答えでは良いテレビにはならないからです。

彼らが望むものを提供できなければ、彼らは他の人を見つけようとするでしょう。何しろ、何十万人もの視聴者と一度に話すチャンスを得たい人はたくさんいるのですから…

私は自分がよほど信じられない限り、テレビに出て株の話をすることはありません。これまでもプロデューサーに「この銘柄についての強い意見はありません」と言ったこともあります。

あるいは、プロデューサーが「ある銘柄」の見通しについて強気な意見を求めている時も、私がその見通しについて弱気な意見を持っていた場合、「すみません、私はこの銘柄が好きではありません」とお伝えすることもあります。

私はテレビを見ている人たちが私の言うことを信じて行動するのが分かっています。テレビで誰かが90秒話しているのを聞いたからといって、その株を買うべきではありませんが、それでも人々は買うのです。

そのことを知ったのは、Oxford Clubに入る前のことでした。

当時の上司は、自分の株式市場報告に責任を持とうとしませんでした。

彼のアドバイスで投資家がどれだけ損をしたか、彼に送られてきた苦情メールを読んでいたのは私でした。

彼はそれを聞きたくなかったし、信じようともしませんでしたが、私は彼が言ったことに基づいて実際にお金を投資している人たちがいることを知っていました。そのメールは今でも忘れられません。

テレビに出演すると、友人や家族から株を買うべきかどうかという電話がかかってきます

では、なぜ私はCNBCの視聴者にはベライゾンが好きだと言いながら、自分の購読者にそれを推奨できなかったのでしょうか?

 

「10-11-12システム」


それは、最高の配当株に投資するための私の具体的な戦略に関係があります。これは「10-11-12システム」と呼ばれ、10年以内に初期投資金額に対して11%の利回りと10年平均で配当再投資による複利成長で年平均12%の総リターンを達成するように設計されています。

Oxford インカム・レターに掲載されているモデルポートフォリオの目的は、今日、そして明日、しっかりとした配当収入を得ることです。そして一般的に、増配している企業の株式は高くなり市場を上回ります。

そこにあるキーワードは「配当成長」です。

私がOxford インカム・レターのポートフォリオで推奨している企業は、たいていは毎年10%以上の大幅な増配を行ってきた長い歴史を持っています。

これが投資家にとってどのような意味を持つのか考えてみましょう

インフレ率が年2.4%上昇した場合、現在1,000ドルのものが5年後には1,126ドル、10年後には1,268ドルになります。インフレ率が過去の平均である年3.4%に戻った場合、1,000ドルのものが5年後には1,182ドル、10年後には1,397ドルになります。

つまり、10%の増配はインフレに勝るということです。それによって購買力が高まり、生活の質や貯蓄能力が向上するのです。

今日、1,000ドルの配当を受け取り、その配当が毎年10%ずつ増えていく投資家は、5年後には1,464ドル、10年後には2,357ドルを受け取ることになります。

私がかつてCNBCで語ったように、利益率と業績を伸ばしているベライゾンは素晴らしい大手通信会社ですが、目覚ましい配当成長はしていません。

ベライゾンは1984年以来、毎年配当を行っており、14年連続で増配しています。しかし、過去5年間の配当成長率はわずか2.12%なのです。

これはあまり望ましいことではありません。これは配当投資家にとっては、目的地に到達するために役立ちそうにないからです。

しかし同じような利回りでスタートした銘柄でも、毎年10%ずつ配当を増やしていけば、10年後の利回りは9.9%になります。

4%の配当成長率の銘柄に1万ドル投資しても、10年後には597ドルの収入しか得られないのに対し、10%の配当成長率の銘柄に同じように投資すると990ドルの収入が得られます。この差は大きいですよね。

ネクストエラ・エネルギー・パートナーズ (NYSE: NEP) は、私が示しているような配当成長株の良い例です。同社は、過去5年間で年平均16.5%の増配を行っているのです。

また、現在の利回りは3.2%でベライゾンよりも低いですが、ネクストエラ・エネルギー・パートナーズが16.5%の増配率を維持し、ベライゾンが2.12%の増配率を維持した場合、ネクストエラ・エネルギー・パートナーズは3年以内に現在の価格に基づいて、より高い配当利回りを支払うことになります。

ですから、短期的な収入を最重視するのであれば、ベライゾンのような銘柄を買いましょう。

しかし、将来的に多額の収入を確保する方法を探しているのであれば、大幅な増配を行う配当成長株にこだわるようにしましょう。

良い投資を。

マーク

 


いかがでしたか?
少しでもこのアメリカの強い株が「いいな」と思ったら1株からでもいいので買ってみてください。(アメリカの株は日本と違って1株から買うことができます。)

ちなみに…このブログで紹介している株はもちろんいいのですが、それよりもたくさんの配当を出す企業ばかりを集めて、毎月レポートしてくれて…「買い」「売り」の具体的なアクションをあなたへお届けする、「Oxford インカム・レター」はこちらからお試しすることができます。

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Marc Lichtenfeld(マーク・リクテンフェルド)

Oxford Club チーフ・インカム・ストラテジスト。ウォール・ストリートを含め25年の経験のある配当投資の専門家。「Get Rich with Dividends(邦題:日本人の知らない秘密の収入源 年100回配当投資術)」著者。2013年に配当投資の専門誌Oxfordインカム・レターを創刊し、世界中に読者を持ち有料購読者は8万人を超える。FOX、CNBC、Forbesなどの有名メディアはもちろん、BloombergやBarrons、The Wall Street Journalといった権威ある金融専門メディアにも多数出演。 マークの記事一覧 ≫

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