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この記事のポイント
1. 9.2%年配当利回りのマスター・リミテッド・パートナーシップ
2. 2021年にキャッシュフローが減少すると予想されているが…
3. 低い配当性向と分配金支払実績を考慮した配当安全性は?
MPLX (NYSE: MPLX) は、エネルギー輸送に使用される石油パイプラインや、その他の資産を運営するマスター・リミテッド・パートナーシップ(MLP:エネルギー事業を主な収益源とする共同投資事業形態)です。石油精製大手マラソン・ペトロリアム (NYSE: MPC) によって設立されました。
MPLX社は四半期ごとに1株当たり0.6875ドルの分配金(MLPは、配当金に相当する分配金を支払う)を支払っています。これは株価30ドル付近で9.2%という大変高い年配当利回りになります。
しかし、投資家は、その巨額の配当を今後も受け取ることができるのでしょうか?
MPLX社は、分配可能な現金(MLPが使うキャッシュフローの指標)を順調に増やしてきました。2019年に買収を行ったこともあり、2020年の分配可能な現金は、2019年の34億9,000万ドルから43億2,700万ドルに急増しました。
しかし、2021年の分配可能現金は42億ドル程度で、一歩後退すると予想されています。
セーフティネット・プロ(オックスフォード・クラブ独自の格付ツール)は、キャッシュフローの減少を嫌います。キャッシュフローの減少は、減配と並んでセーフティネット・プロの配当安全性格付けにおいて、企業が起こしうる最も厳しいマイナス要因となります。
良いニュースは、MPLX社の配当性向が低いことです。2020年に支払った配当総額は、分配可能な現金のわずか70%でした。MLPの配当性向が100%でも問題ないでしょう。
MLPは、パススルー(投資ファンドなどが獲得したキャピタルゲインや配当等の利益について、ファンド段階では課税されずに、課税前ベースで投資家へ分配できる形態)の投資です。つまり、収益を株主に分配すれば課税されなくて済みます。MLPの利回りが高いのは、収益のほとんどまたはすべてを分配しているからです。MPLX社を含めて多くのMLPは、キャッシュフローのすべてを分配金という形で株主に支払っています。
2021年は、予想されるキャッシュフローの減少はわずかであるものの、自社株買い等により、MPLX社の配当性向は67%程度まで減少することが予想されています。
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MPLX社には、短期間ながらも素晴らしい分配金支払いの歴史があります。2014年に投資家への支払いを開始し、それ以来、毎年分配金を引き上げています。
低い配当性向と、堅実な分配実績があるため、同社の配当安全性格付けは、2021年の分配可能な現金が悪化するかどうかにかかっています。
現時点では、同社の分配はまだ安全であると考えられます。しかし、2021年にキャッシュフローが減少し、2022年も減少すると予測された場合には、配当安全性格付けがさらに低下する可能性があります。
一方で、2021年の分配可能な現金が2020年を上回る可能性はあります。なぜなら、2021年の予想額と昨年の分配可能な現金の差が2億ドルしかないからです。これは昨年の分配可能な現金の4.6%に過ぎません。
2021年の分配可能な現金の最終的な金額が、2022年の配当安全性格付けに大きな影響を与える可能性があります。
ですが、今後12ヶ月間の分配については、かなり安全と言えるでしょう。
配当安全性格付け:B
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よい投資を。
マーク
いかがでしたか?
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