この記事のポイント
- 7%年配当利回りのテクノロジー企業
- 良い点:FCFの改善が予想されて配当性向が40%以下に
- 悪い点:手持ち現金の約7.8倍の負債をどのように返すのか?
ルーメン・テクノロジーズ (NYSE: LUMN) は、市場ではやや珍しい存在です。テクノロジー企業でありながら、非常に高い利回りの配当を出しています。株価14ドル付近で7%という年配当利回りは、マスター・リミテッド・パートナーシップ(MLP)や、古い建物を扱う不動産投資信託(REIT)とほぼ同水準です。
しかし、それは同社の前身が、長期負債を抱えた大手インターネット・サービス・プロバイダーの「センチュリーリンク社」だからです。同社は2020年にルーメン・テクノロジーズへと社名変更しました。
同社のフリー・キャッシュフローは、ここ数年、間違った方向へと向かっています。下図が示すように、2018年の39億ドルから、2020年には28億ドルまで落ち込みました。
ただ、2021年のフリー・キャッシュフローは若干増加すると予想されています。まだ2018年の水準には達していませんが、下落が止まるのであれば、良い知らせと言えるでしょう。
ルーメン・テクノロジーズ社にはもう一つ良い点があります。それは、配当の支払いに余裕があるということです。
フリー・キャッシュフローが28億ドルと過去3年間で最低水準に落ち込んだ2020年においても、同社が配当に支払った額は11億ドルで、配当性向は40%という低い水準です。これは配当支払いに余裕があるということです。
今年の同社の配当は昨年と同額が予想されています。2021年のフリー・キャッシュフローが予想通り若干増えると、配当性向はさらに37%に低下します。
さて、ここからは良くない点ですが、同社は、過去10年間において、2回減配がありました。2013年と2019年です。2019年に至っては四半期配当が0.54ドルから0.25ドルへと大幅に引き下げられました。
しかもこの減配は、2018年第1四半期(1 -3月期)決算報告で経営陣が投資家に向けて「引き続き配当を維持します」と断言した翌年のことでした。同社の経営陣は、2018年第4四半期(10 -12月期)決算報告において、減配によって得た資金を負債の返済と投資に充当すると述べました。
2019年のこの大幅な減配以降、減少したとはいえ、ルーメン・テクノロジーズ社は、まだ多額の負債を抱えています。
2021年第1四半期(1-3月期)時点の同社の純負債は313億ドル、そのうち最大38億ドルを2021年中に支払う必要があります。しかし、同社の現金はわずか4億8,600万ドルしかありません。現金の約7.8倍もの負債をどのように支払うのでしょうか?
ルーメン・テクノロジーズ社は、配当を支払う余裕はあるものの、経営陣が投資家の信用を過去に二度も裏切っているのです。
ジョージ・W・ブッシュ大統領(当時)の有名な言葉に「一度だけ僕をだましたなら君の恥、二度目は騙されない」というものがあります。
賢明な投資家は、ルーメン・テクノロジーズ(旧センチュリーリンク)社に二度と騙されません。
配当性向は低いものの、過去2回の減配、近年のフリー・キャッシュフローの減少、そして同社が抱える大きな負債を考慮すると、配当は安全ではないと判断できます。
配当安全性格付け: D
よい投資を。
マーク
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