投資情報

人員削減のニュース→上場来高値更新の謎

前回のメルマガではファストカジュアルレストランのトップであるチポトレ・メキシカン・グリルをご紹介しました。

(前回のメルマガはこちらからご覧いただけます。)

今回は外食繋がりで、そろそろ1 – 3月期の決算発表も近い、ファストフードNo.1の米マクドナルドを見ていきます。

マクドナルドにも人員削減の波…

圧倒的なブランド力や徹底した低価格戦略でシェアを獲得するマクドナルドは、インフレに強いビジネスであると言われています。

しかしそんなマクドナルドも、長引くインフレや米国の景気後退が懸念される中で事業戦略の見直しを迫られているようです。

米マクドナルド、本社を3日間閉鎖 人員削減の準備で

このニュースによると、米マクドナルドが3日間、シカゴにある本社オフィスを一時的に閉鎖し、従業員に対して解雇や配置転換を通告するとのこと。

2023年1月には組織再編の一環として人員削減に踏み切る方針を表明しており、実行に移した形になります。

米マクドナルドのクリス・ケンプチンスキー最高経営責任者(CEO)は、

「社内の組織構造がセグメントや市場ごとに分断して硬直化している」

米マクドナルド米国部門のジョー・アーリンガー社長は、

「マクドナルド・ブランドはここ数年で最も強い位置にあるが、われわれのビジネスは近年ますます複雑になっていることも認識している」

との見方を示しています。

足元の業績は営業利益率に課題

ここで足元の決算を振り返ってみます。

– 2022年の世界全体の既存店売上高は前年比11%増
– 客数は同比5%増
– 営業利益率は43.6%と市場予想を下回る

世界的な新型コロナウイルス禍からの回復のなかで売上高は復調傾向にあり、高インフレを受けて、手頃な価格のファストフードへの需要が底堅く推移しているのが売上高、客数から読み取れます。

一方、営業利益率は市場予想を下回る水準に。

世界的な物価高騰を受けて2022年7 – 9月期までに商品価格を前年から約1割値上げしたため、営業利益率は前年同期の40%からは改善したものの、想定外のペースでの原材料費や人件費などのコスト増加が影響を与えたようです。

2022年10 – 12月期決算を発表した際には、営業利益率の低下が嫌気され、株価は下落しています。

マクドナルドTradingView

(出所:TradingView

直近の株価は上場来高値を記録

決算発表で市場の期待にみたない営業利益率を発表し、株価が下落した米マクドナルドですが、足元の株価はなんと上場来高値を更新しています。

TradingView

出所:TradingView

この上場来高値の更新は、なんと冒頭にお話しした人員削減のニュースを受けた翌日。

一見マイナスに捉えられがちな人員削減のニュースですが、業績悪化によるリストラでない場合は株価にプラスに働くこともあります。

決算発表時の株価下落の原因である営業利益率が、この人員削減によって改善されると考える投資家が多かったということですね。

資産形成に役立つ株式投資は、米マクドナルドのようにゆっくりではあるけれど長期的にじっくりと上昇していく銘柄に投資していくのがよいと考えられています。

米マクドナルドの株価自体は割高感が出てきてしまっていますが、米国にはこのような企業はいくつも存在します。

米マクドナルドのような株価上昇を目指せるけど、まだ株価が割安な銘柄への投資を意識しながら、ぜひ資産形成に取り組んでみてください。

小島璃子

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小島 璃子

金融業界歴12年。大学卒業後、メガバンクに約12年間勤務。中小企業~大企業(自動車セクター担当)まで、営業として幅広く担当。メガバンク系証券会社に出向し、投資銀行部門にてM&Aや資本調達などを経験。東京オリンピック・パラリンピック組織委員会へ出向し、大会開催サポートを経験。メガバンクに戻り、ESG関連のリサーチ・コンサルティング業務に従事。2021年12月Oxford Clubシニア・ストラテジストに就任。 著者の記事一覧≫

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