投資情報

6兆円規模の新規市場?!

最近、気温の変動が激しいですね。

体調、崩していませんか?

東京は12月上旬の気温までグッと下がったと思ったら、
25℃以上の夏日になったり…

これも温暖化の影響なのでしょうか?

温暖化といえば、金融の世界でもESG(環境(E: Environment)、社会(S: Social)、ガバナンス(G: Governance))という言葉を耳にする機会が増えました。

最近はインフレや雇用の逼迫など、至近の問題の影響であまりフォーカスされなくなっていますが、製品開発などにおける企業の取り組みは着々と進んでいます。

ちなみに環境問題が企業経営に結びつき始めたきっかけをご存じでしょうか?

時は遡り、1989年3月。

米国史上最悪の原油流出事故とされるバルディーズ号の座礁事故がきっかけと言われています。

この事故をきっかけに発足した環境保護団体が主導して、企業に経済・環境・社会に与えるインパクトに関する情報を開示するように働きかけたのが、今のESGの始まりであると言われています。

意外に歴史は古いんですね。

そこに気温上昇や異常気象、海面上昇などの実害が広がり、その勢いが加速していったわけです。

そして現在、企業は使命としてESGに取り組むという一方で、新たな市場開拓といった側面も持ちつつ、さまざまな取り組みを加速しています。

最近、こちらのニュースを目にしました。

(出所:Bloombergニュース

ついに、電気自動車(EV)メーカーのテスラがEVトラックの引き渡しを開始するそうです。

テスラの乗用車は、東京にいるとよく目にするようになりました。

9月に米国出張にいった際にUberで呼んで来た車もテスラ。

運転席には大きなモニターがあり近未来的。
そして走りは静かでスムーズ。

そんな技術を搭載したトラックがついに登場するんですね。

「テスラがEVトラックを出したということは、乗用車同様、トラック市場もテスラが市場を席捲するのか」

この話を聞いて、そう思ったかもしれません。

しかし、そう単純な話でもないんです。

そこで今回は、競争が激化しつつあるEVトラック市場を、とある企業にフォーカスしながら見ていきたいと思います。

今回は前編として、EVトラック市場についてお届けします。

 

テスラが圧倒的優位ではない理由


 

最近、世界で広く普及し始めている乗用車タイプのEVは、バッテリー式電気自動車(BEV)と呼ばれています。

BEVは外部から充電した電気を動力源としてモーター走行をする自動車で、テスラの製品はこのタイプ。

一方トラックは、BEVに加えて、水素を使って発電し、その電気を動力源とする燃料電池自動車(FCEV)の開発がBEVと同じくらい進められています。

それはなぜか?

その理由は、トラックの用途と電力の供給問題。

トラックは、大量の荷物を長い距離運ぶのに使われます。

そこで重要視されるのは積載効率と運用効率。

つまり、どれだけ多くの荷物をいかに早く運ぶか、ということですね。

BEVは
・バッテリーが重く、貨物の積載量が減ってしまう
・充電に時間がかかる

のに対し、

FCEVは、
・BEVのバッテリーより軽く、貨物がより多く積める
・燃料補給が早い

といったメリットがあるんです。

短・中距離の輸送を担う小型トラックであれば大丈夫ですが
大型トラックでは大問題。

さらに大きな問題として、電力の供給問題があります。

トラックのEV化の目的の1つは、温室効果ガスの削減。

BEVは外部から電気を充電するわけですが、その電気がどのように作られているのかがポイントになってきます。

下のグラフは、現在の主要国のエネルギー比率を示しています。

化石燃料がまだ多くの割合を占めています。

例えBEVに乗っていても、電気を作るときに温室効果ガスを出していたら意味はありませんよね。

そしてさらに、再生可能エネルギーは自動車産業以外のどの業界でも需要が高く、ますます増加する一方…

そうした状況から候補に上がっているのが
「水素」を使ったFCEVなんです。

 

人材確保の1ツール


 

ここで1つそもそもの疑問。

「EVトラックって普及するの?」

温室効果ガスの削減は大切だけど、既存のトラックの入れ替えにはコストがかかるし、そう簡単には普及しないんじゃないか、と思われる方もいるかと思います。

しかし、温室効果ガスの削減以外にもメリットがあるんです。

それは、ドライバーの確保

コロナ禍真っ只中の時、サプライチェーンの問題でスーパーが品薄になった、というニュースを見た方もいるかと思います。

その原因の1つがドライバー不足。

労働環境が決して良いとは言えないドライバーの仕事。

より良い条件を求めて転職する人やリタイヤする人が増えたことで、人手不足が深刻な問題となりました。

そこで、
「EVトラックを人材確保のツールとして使おう!」
という企業が出てきているようです。

実際にEVトラックの内装は先進的。

(出所:テスラHP

そして、走りは滑らかで、
ギアチェンジの必要がなく、
アイドリングの制限もない。

もし、給料や労働時間などが同じ条件で、
一般的なトラックとEVトラックを選べたとしたら…
どちらを選ぶ人が多いかは想像が付きますね。

 

メインプレイヤーが存在しない6兆円の市場


 

BEV・FCEVトラック市場は、やっと形が見えてきた伸び盛りの市場。

市場規模は、2030年までに440億ドル、日本円で6兆円を超えるまでに成長すると予測されています。

(出所:Precedence Researchのデータを元にOxford クラブ作成)

この魅力的な市場でシェアを獲得しようと熾烈な競争が始まっています。

参入企業は、大手トラックメーカーのダイムラートラックやボルボトラック、日本のメーカーではいすゞ自動車、日野自動車、三菱ふそうトラック・バスなど。
もちろんテスラといった新興企業も数多く、中国企業も躍進しています。

名だたる企業がしのぎを削る中、8年前に誕生したばかりの新興企業がこの先頭集団にいることをご存じでしょうか?

実はその企業、テスラよりも早く、市場にEVトラックを投入したのです。

その企業は…

と、今回はここまで!
(もったいぶってすみません^^;)

次回は、とある新興EVトラックメーカーにフォーカスして市場を見ていきます。

今回は個別企業の詳細は見ていませんが、市場全体を見ることで「この市場は投資するに値する市場なのか」、判断しやすくなったと思います。

こういった情報を取り入れつつ、株式投資を実践していくとよいと考えています。

小島璃子

 

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小島 璃子

金融業界歴12年。大学卒業後、メガバンクに約12年間勤務。中小企業~大企業(自動車セクター担当)まで、営業として幅広く担当。メガバンク系証券会社に出向し、投資銀行部門にてM&Aや資本調達などを経験。東京オリンピック・パラリンピック組織委員会へ出向し、大会開催サポートを経験。メガバンクに戻り、ESG関連のリサーチ・コンサルティング業務に従事。2021年12月Oxford Clubシニア・ストラテジストに就任。 著者の記事一覧≫

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