AT&Tの配当は大丈夫か?:市場の回復から取り残された超巨大企業
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この記事のポイント
- AT&Tの株価が回復しない理由
- 配当の安全性に黄色信号が点灯!?
- それでも配当がほどほど安全と考えるワケとは…
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市場全体が回復しているにも関わらず、AT&T (NYSE: T) の株は、今年初めに底打ちして以来、戻っていません。
まだ多くの人がAT&Tを電話会社としてみていることを考えれば、それは驚くべきことではありません。
依然としてAT&Tの事業の中核は電話サービスですが、かつて”Ma Bell”と呼ばれたこの会社は、現在はコンテンツ会社でもあります。HBOや、ワーナー・ブラザーズ・エンターテイメント、CNNや大手プログラミング会社を所有しています。
(注釈:”Ma Bell”とはAT&Tの前身であるベル電話会社の愛称のこと。)
(注釈:HBO(Home Box Office)とは、米国の衛星およびケーブルテレビ放送局のこと。)
(注釈:HBO、ワーナー・ブラザーズ・エンターテイメント、CNNは多様なマスメディアを傘下に収める巨大な複合企業であるワーナーメディアの子会社。AT&Tは2018年6月にこの企業(旧:タイム・ワーナー社)を買収した。)
AT&T株価が市場全体の回復に追いついていないことと、四半期の配当が一株につき0.52ドルであることから、6.9%の年間配当利回りが得られています。
投資家はAT&T株で約7%の配当利回りを期待できるのか?
AT&Tのフリー・キャッシュフローはここ数年、連続で増加していましたが、今年は20億ドル近く減ると予想されています。
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ご存知の通り、私はフリー・キャッシュフローの減少は好きではありません。
去年AT&Tは、株主に配当として149億ドル支払いました。配当性向は58%です。今年の配当性向はおそらく62%に上昇するでしょう。
普通であれば、この程度の配当性向は特に問題とは言えません。しかし、今は普通ではないのです。
私たちは現在、パンデミックの最中であり、ビジネスはいつもの状態ではありません。そのため配当投資の安全性を高めるため、私は配当性向の判定基準を厳しくしました。
配当が減ったことに気付かないよりは、配当の安全基準を厳しくしておいた方が良いでしょう。
私のこれまでの配当性向の安全基準は75%でした。75%を超える配当性向の場合には「配当安全レーティング」が下がります。でも、現在の配当性向の安全基準は50%です。
配当性向の安全基準を50%に引き下げた結果、 AT&Tの配当性向が安全基準を超えるのは2回目になるでしょう。一度目は去年(58%)、そしてもう一つは今年(予想:62%)です。
とは言え、AT&Tは大幅に負債を減らしており、配当開始以来36年間連続増配している配当の支払いについてもコミットしています。
よってAT&Tの場合には、現在の配当性向の基準は少し厳しすぎるかもしれません。
「配当安全性レーティング」は、配当減少のリスクが、ある程度存在することを示しています。
しかし、AT&Tの経営陣が配当にコミットしていることと、配当性向がパンデミック前の基準値(75%)を下回っていることを考えると、AT&Tの配当はかなり安全な方だと思います。
配当安全性レーティング:C
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良い投資を
マーク
いかがでしたか?
少しでもこのアメリカの強い株が「いいな」と思ったら1株からでもいいので買ってみてください。(アメリカの株は日本と違って1株から買うことができます。)
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